大魔王の娘に転生したのはいいが、何故か幼なじみたちが勇者として現れた

つまらない

「あー、つーまんないのー。」
父様とリリアンヌさんが出勤した後、私は部屋で一人遊んでいた。
─いや、家にはちゃんと父様以外の使用人とかいるよ？
さすがに魔族でも小さな子供を一人にはしないみたい。
でも、みんな必要以上に近づいてこないんだよね、父様が偉大過ぎて。
腐っても大魔王らしいから仕方ないだろう。
ということで一人で遊んでいたのだか···
「つまらない···」
前世では幼なじみの三人といつも一緒だったからな。
そもそも一人で遊ぶことがなかった。
「ねえねえお二人さん、私と遊んでくれない？」
私は部屋の外で待機している侍女二人に声をかけた。
「いっ、いえ、私どものような一介の侍女にすぎない者が姫様と遊ぶなど···」
「えぇ、どうか姫様、私どものことはおきになさらず、お遊びください。」
─やはり、ダメか。
なんかすごい地位に生まれちゃったからなんとなく予想はしてたけど、こういうのはとても寂しい。
「はぁ、友達がほしい。
ちー、たま、れーこ、会いたいよ。」
私は知らなかった、この数年後に彼女達と意外な形で再会を果たすことを。