上 下
57 / 84

side木霊 たま、同士

しおりを挟む
散々私たちのことについて話し合った結果、とりあえず魔力量ってのを見て決めるようにしたようだった。
帰してくれるって選択肢はないみたい。

「では、一人ずつこの玉に触れてください。」
側近の人が、ボウリングの玉位の大きさの紺色の玉を持ってきて言った。

···そろそろ、この人の名前が知りたい。

「誰からいく?」

「『玉』ってことでたまからいってみれば?」

「いや意味分かんないよ、れーこ!」

「じゃあ、ちー?」

「れ、れーこは?」

「私はよく分からないものに触りたくないから最後!」

「「ずるい!!」」

三人で討論した結果、じゃんけんで決めることになった。

「「じゃーんけーん···」」

「···結局私からかい!!」
はい、負けました。
「やっぱり、たま同士引かれあってるのね。」
と笑うのはれーこ。
「私、木霊だから!!
玉って漢字は入ってないから!!」

「では、コダマ様。
こちらに触れてください。」

私は言われたとおり手を触れた。
すると、触れた部分から淡く光始めた。
そのうち光はだんだん強くなり、眩しいくらいだった。

「そこまでで大丈夫です。」
側近の人が言ったから、私は手を離した。
「さすが、勇者に選ばれただけあります。
魔族並みの魔力量です。」
ジードさんが興奮しながら言った。

次はれーこが玉に触れた。
れーこの光も私と同じくらいだったけれど、心なしか青かった。
ジードさん曰く、氷魔法の適性があるらしかった。
さすが、氷の女王。

最後は、ちーだ。
恐る恐る触れると、私たちの時と違いものすごく光った。
淡いなんて時間無かったんじゃないかな。
黄緑色に光っていた。
どうやら、相当な魔力量と治癒魔法の適性があったみたい。

······って、私だけ適性無いじゃん!!

とにかく、こうして私たちはいきなり召喚され、ほぼ強制的に勇者として修行することになってしまったのだった。───

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話

島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。 俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。

魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう どんどん更新していきます。 ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。

元悪役令嬢はオンボロ修道院で余生を過ごす

こうじ
ファンタジー
両親から妹に婚約者を譲れと言われたレスナー・ティアント。彼女は勝手な両親や裏切った婚約者、寝取った妹に嫌気がさし自ら修道院に入る事にした。研修期間を経て彼女は修道院に入る事になったのだが彼女が送られたのは廃墟寸前の修道院でしかも修道女はレスナー一人のみ。しかし、彼女にとっては好都合だった。『誰にも邪魔されずに好きな事が出来る!これって恵まれているんじゃ?』公爵令嬢から修道女になったレスナーののんびり修道院ライフが始まる!

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

処理中です...