大魔王の娘に転生したのはいいが、何故か幼なじみたちが勇者として現れた

大丈夫なのかな!?

「くーちゃん、残念なお知らせがあるんだ。」
ある日、父様が珍しく静かに部屋に入ってきた。
「なんですか？とーさま。」
「実はとーさま、数日出張にいかなくちゃ行けないんだ!!!」
─なんだ、そんなことか。
足元の倒れ込んで号泣する父様を冷たい目で見る。
「まったく、いい年して情けないのでやめてください。」
私がため息をつくと、
「今日くらいはやらせてあげて？」
お母様が部屋に入ってきた。
「おかーさま···。」
「しばらく、クルアと離れるのが寂しいのよ。
それに、今回の出張はいつもより長引きそうみたいだし。」
不満たらたらの私にお母様が言った。
「しょーがないですねー。
とーさま、クルアはいい子で待ってますからお仕事がんばってください。」
私は最大限に小さな体を利用してできるだけ可愛くなるように言った。
─こ、こんな感じでいいのかな···。
てか、これ恥ずかしーな!!
すると、父様は急に弾かれたように起きて私の手を握った。
「くーちゃん!!
わかった、父様はくーちゃんのために頑張って早めに帰って来るからね！
お土産もたくさん買ってくるからね！」
父様は私の部屋からあわてて出ていってしまった。
─単純というかなんというか···。
本当に大魔王がああで大丈夫なのかな。
「あらあら、出張は明後日なのに···。」
─大丈夫なのかな!!?