苛烈なひとよ、忍に愛を

鉄永

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2章

第十三話

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 上総は、真木の腕に指を滑らせ、肩を撫でる。
 そのまま引き寄せ、唇を重ねた、幾度か角度を変え、舌が交わる。
 肩を抱いていた腕が降りて、真木は脇から抱え上げるように抱き上げられた。

「…、、ン」

 だんだんと口づけが深くなり、息が苦しい。

 ほんのり頭の隅が痛くなり、空気を求めるように息を吐くと、合わさった目が細められた。
 布越しに下に触れられ、開いた口から声が漏れる。
 余裕の無さを誤魔化すように、真木は上総の衣に指をかける。

「出さんな」
「、だす、とは」
「声のことよ。予想はしておったがな」

 上総は合わせ襟から手を差し込み、真木の服を脱がせるように上半身をくつろがせる。
 しなやかな体が現れ、満足げに上総は微笑む。

「乗れ、真木」
「はい…」

 真木は上総の上に体重をかけないよう、乗り上げる。
 上総の帯をほどき前をくつろがせると、ふくらみのある男根が見えた。
 窺うように上総を見上げる。

「許す」

 上総の言葉に、真木は下生えを軽くなぜて、先端を口に含んだ。
 片手を添えながら、真木はそれをゆっくり喉の奥まで受け入れる。
 頭に手を添えられ、髪を混ぜられる。
 「、ハ」と漏らされる声に、真木は自身の疼きが増すのを感じた。
 真木も、指で自身の性器に刺激を与えて、中を湿らせる。

「(一度、出して頂いた方がいいのか、もう、迎え入れるか)」

 大きく、熱くなっていく口の中のものを舌で刺激しながら、真木は考える。
 動きが止まった真木の髪を、上総は軽く引いた。

「出せ」

 上総の言葉に、真木は口を開き、体を離す。
 すると、体勢を変えられ、後ろから抱え込まれた。
 服を雑に剥かれ、体の全面があらわになる。
 そのまま、上総は真木の陰核に指が添えた。

「ひ、あ、」

 強い刺激に真木は身が縮む。

「動くな」

 ほとんど反射で、真木は動きを止める。
 そして自身の手を上総の膝に添え、身を任せた。

「そのままでおれよ」

 真木の体の上を、考えるように上総の手が動く。
 そうして、その手が真木の胸をつまみ、頂を爪先で軽く引っかいた。

「ァ、う…」

 脳の奥がちかちかと白く光り、真木は喉の奥を鳴らす。

「勝手にお前は鈍そうだと思っておったが、そうでもないの」
「も、もうしわけ、ありません」
「いや、いい。もっと啼け」

 上総の指先が、先ほどよりも激しく動く。
 上も下も、同時に与えられる刺激に、真木は身をよじった。

「、ッ…、ン、あ、あ、ーーーっ」

 ほどなくして、真木は達した。
 ひく、と体を震わせる真木に、上総はくすくすと楽し気にわらう。
 そして、上総は肩で息をつく真木を、あおむけに寝かせた。
 そのまま膣に指を差し込まれ、いまだ痙攣する真木の性器に指を当てる。
 真木は思わず上総の手に自身の手を添えた。
 
「あ、…ま、だ」
「ああ、まだじゃ」

 そして、また刺激を加えられ、真木は細い腰を反らせた
 膣と陰核から伝わる強い刺激に、思わず涙を流す。
 これではどっちが慰める方か分からない。

「かずさ、さま」
「なんじゃ。まだこれからだろう」

 ぐったりと横たわる真木を見下ろし、上総は真木の腰を掴んだ。
 息をつかせる暇もなく、上総は自身を挿入した。

「ンッ、ぁ、ああ、や…ぁ、」

 片足を持ち上げられ、腹を中から押し上げるように深く抉られる感触。
 真木は湧きあがる声を抑えきれず、嬌声を上げる。
 なんとか体の力を抜こうと短く息を吐くが、快感が逃しきれない。

「…は、あ…。よう絞める」
「あ…うぁ」

 軽く揺すられるだけで、自身の意思とは反して締まる膣に、真木は身悶えする。
 ゆっくり、ゆっくりと、早く、大きくなる突きに、だらしない声が漏れる。
 布を掴み、逃げようとする真木の体を、上総は固定するように抱きしめた。

「あ、あ、ア、…、ーーーあ、う」

 密着するだけで粟立つ肌と、とける脳内。
 与えられる波のような疼き。
 その終わりが、早く欲しい。
 なのに、なぜかその手前で上総は焦らすように動きを小さくする。

「よさそうだな、真木」
「…っ、ア、…」
「今だけ、わしはお前のもんじゃ。欲しがるなら、与えてやろう」

 その言葉に、真木はじわりと視界が滲んだ。

「拙に、拙に…おあたえ、ください…」

 上総は真木の返答に、口の端を吊り上げる。

「ああ、くれてやろう」

 上総が大きく腰を打ち付ける。
 粘膜の擦れる音と、自身から漏れる声。
 それらに気をやる余裕は、真木にはなかった。

「は、あぁぁあっ、、ア」

 溜められた熱が弾けて、真木は大きくのけぞる。
 痙攣する真木の内側にもっていかれそうになりながら、上総はいまだ果てなかった。
 力が抜けていく体を、反転させ、床に胸をつかせる。
 そして、上総は真木の耳元にささやいた。

「お前が欲しがったんじゃ。…この腹がわしの形を覚えるまで、付き合え」

 下腹にこぶしを軽く沈ませ、中に入っているものを意識させる。
 真木は「は、い」と震えながら答えた。


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