何なりとご命令ください

１章 失っている記憶

違うご主人様

フォルト「……どうしました？ご主人様？」

イノセント「ご主人様って僕？」

フォルト「はい。私のセンサーが貴方様を我が主人と認識しています」

フォルトのセンサーは目の前の少年、イノセントを主人と認識しているが､イノセントはフォルトの主人に似ているだけだ

ゼミ「お～いイノセント～？アンドロイドのお嬢ちゃん起きたか？」

フォルトとイノセントが話していると、イノセントの友達、ゼミが来た

イノセント「うん。起きたよ」

フォルト「ご主人様。あの方は？」

イノセント「僕のお友達だよ」

ゼミ「ご主人様？イノセント、なんか弄ったのか？」

イノセント「弄ってないよ！」　

イノセント「ちょっと待ってて」

イノセントはフォルトに言って、友達のゼミと一緒に離れた





ゼミ「なるほどな」

ゼミはイノセントから説明を聞いた

イノセント「僕フォルトのご主人様じゃないのに、どうしたらいいのかな？」

ゼミ「フォルトのご主人様ってのが見つかるまで、なりきるしかないな」

イノセント「そ、そうだね」





イノセント「ごめんね。急に移動しちゃって」

フォルト「大丈夫です。ご主人様」

フォルト「ご主人様。なにかする事はありませんか？」

フォルトは表情が変わらず、聞いてきた

イノセント「する事？」

フォルト「はい。私はご主人様の命に従います」

イノセント「…じゃあ、家の掃除できる？」

フォルト「はい。任せてください」





イノセント「……こ、こんな感じなんだけど」

イノセントはフォルトを連れて家に帰ってきたが、イノセントの部屋はごみ屋敷だった

フォルト「ご主人様。掃除道具はどちらに？」

イノセント「あそこ」

イノセントは雑に置かれている掃除道具を指さした

フォルト「ありがとうございます」

フォルトは掃除道具を取って、掃除を始めた





フォルト「こんな感じでしょうか？」

あれからフォルトは掃除したが、ごみ屋敷であった部屋は見違える程綺麗になった

イノセント「すごい」

イノセント「ありがとう。フォルト」

フォルト「もったいないお言葉です」

イノセント「…他は何ができるの？」

フォルト「ご主人様の命に従います」

イノセントの疑問に､フォルトは機械のような返しをした

イノセント「そうじゃなくて、掃除以外は何ができるの？」

フォルト「掃除以外は料理､買い物､後は夜のi」

イノセント「も、もう大丈夫///」

イノセントはフォルトが言う事を遮(さえぎ)った

イノセント「…これからよろしくね。フォルト」

フォルト「はい。よろしくお願いいたします。ご主人様」