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第二章 浮遊島は星々と共に。 

第27号 少年と操縦席。2/2

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「い、イスぅぅ!!??」
 ヒルトは思い切り、座っていた椅子から転げ落ちた。
 今まで気付かなかったが、よく見ればこの部屋に少し似合わないような、ファンシーな椅子がそこに居座っていた。支える木組みは白色に包まれ、ふかふかとしていたクッションは淡い水色で主張していた。
「す…すすすすすいませぇぇぇぇんん!!」
『ふふ。大丈夫ですよ、元々こういう道具なんですから。』
 痛くもないですし。フミカはそういうがヒルトは何度も頭を下げる。

 そろそろ20回目になるだろうかと言うところで、廊下の方からパタパタと誰かが近づいてくる音がした。
「いや!でも、その!」
『大丈夫ですよー。』
 ドアが開く。
「ヒルトー?なにー今の音。」
 そこにはレイがいた。
「あ、レイ。」
「…。ヒルト…なにしてるの?」
 へ?赤面。
 今のヒルトの現状を他人が見れば、椅子に頭を下げているただの変人にしか見えない。…いや実際にそうなのだからあまり返す言葉がなかった訳だが。
「い、いや…えーっと。こちら、フミカさん…。」
 恥ずかしさを隠すのに手がバタバタと動く。レイが首をかしげつつ近づいてくる。
「う?どこ、誰かいるの?」
『はい!私です!ここです、椅子です!』
 フミカも、ここぞとばかりに精一杯ガタガタ動く。
「!?……ドール…。この艇にもやっぱり、いたんだ…。」
 レイは、勝手に上がらせてもらってます。と、揺れる三つ編みとともにお辞儀をする。
『…あれ?この声、レイ様ですよね?お久しぶりです!』
「む。会ったこと、あった?」
『はい。何時でしたか、かなり昔のことだったかと。』
 二人でムーっと唸る。
「…レイが小さい時とか、フミカさんがドールだった時とかは?」
 ヒルトが間に入り、思い付いたことを言う。しかしそれにフミカは首…は振れないので、背もたれを軽く揺らす。
『いえ、それは有り得ません。私はこの姿になる前の記憶がありませんし、レイ様が成長することもありませ__』
「っ言わないで!!」
 急にレイが叫んだ。キインという音が遅れて聞こえてくる。よく見ればレイは震えていて、少し髪が逆立っている。
「あ…。ご、ごめん…なさい……。」
 ヒルトはレイを安心させようと声をかけようとするが口ごもってしまう。フミカも同じようで、無音が部屋に響き渡る。
「…。」
『あ、えっと!し、島…見えて、きました…よ?』
「あ、ほんとだ!見てレイ!あたら、し…。」
 窓の外を指した指がだんだん下がっていく。

「い、いやぁぁぁぁぁ!」
「『うわぁぁぁぁぁ!』」
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