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31 ずっと一緒
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三日の間、アデーレはグレーとの思い出にひたるのだった。
「そう、グレーを描いて貰った絵があるんだ」
倉庫に入って、グレーの描かれた絵画を次々見せてくれる。
どれもキリっとした顔をしている。
「ちょっと全部、かっこよすぎるくらい、かっこいいなぁ」
こう言う絵画は、本物を誇張して描くらしい。
「そう、本当はかわいいのも描いて欲しかったんだけどね」
アデーレは苦笑する。
「あ、でもコレはかわいいだろ」
アデーレは、ずっと小脇に抱えているハスキーのぬいぐるを見せる。
「これは、姉さんが作ってくれたんだ!」
アデーレはにっこり笑う。
「姉もいるんだったな」
「うん。今、海近くの別荘に行ってるから、帰って来たら紹介するね」
屋敷の中を歩き回ってグレーとの思い出の話をされる。
後ろから幽霊犬グレーも嬉しそうについて来る。
「よかったな、泣いてなくて」
『はい! 良かったです!』
グレーはぴょんぴょん跳ねるように着いて来た。
アデーレが庭の木の前で立ち止まる。
「グレーはこの木がお気に入りだったんだ」
この木陰でよく休んでた。
『そうです! 私、この木が好きでした!!』
グレーが尻尾を振って喜んでいる
アデーレは木の下に座る。
俺も隣に座って、グレーは俺たちの前に寝転んだ。
アデーレがポケットから何かを取り出す。
ハスキーの犬耳だった。
「えへへ、実は私のもあるんだ」
しかし、子ども用サイズなので少し小さい。
「グレーが死んじゃった時、凄く悲しくてね。毎日泣いてたんだ……」
俺はアデーレの背中を撫でる。
「けど、ずっと一緒にいてくれたんだね」
彼は笑みを浮かべる。
『これから先もずっと一緒にいますよ!』
「おまえが死ぬまでずっと一緒にいるってさ」
「へへっ、ありがとう」
アデーレは空中を撫でる。
グレーは気持ちよさそうに目を細めた。
つづく
「そう、グレーを描いて貰った絵があるんだ」
倉庫に入って、グレーの描かれた絵画を次々見せてくれる。
どれもキリっとした顔をしている。
「ちょっと全部、かっこよすぎるくらい、かっこいいなぁ」
こう言う絵画は、本物を誇張して描くらしい。
「そう、本当はかわいいのも描いて欲しかったんだけどね」
アデーレは苦笑する。
「あ、でもコレはかわいいだろ」
アデーレは、ずっと小脇に抱えているハスキーのぬいぐるを見せる。
「これは、姉さんが作ってくれたんだ!」
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「姉もいるんだったな」
「うん。今、海近くの別荘に行ってるから、帰って来たら紹介するね」
屋敷の中を歩き回ってグレーとの思い出の話をされる。
後ろから幽霊犬グレーも嬉しそうについて来る。
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『はい! 良かったです!』
グレーはぴょんぴょん跳ねるように着いて来た。
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「グレーはこの木がお気に入りだったんだ」
この木陰でよく休んでた。
『そうです! 私、この木が好きでした!!』
グレーが尻尾を振って喜んでいる
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俺も隣に座って、グレーは俺たちの前に寝転んだ。
アデーレがポケットから何かを取り出す。
ハスキーの犬耳だった。
「えへへ、実は私のもあるんだ」
しかし、子ども用サイズなので少し小さい。
「グレーが死んじゃった時、凄く悲しくてね。毎日泣いてたんだ……」
俺はアデーレの背中を撫でる。
「けど、ずっと一緒にいてくれたんだね」
彼は笑みを浮かべる。
『これから先もずっと一緒にいますよ!』
「おまえが死ぬまでずっと一緒にいるってさ」
「へへっ、ありがとう」
アデーレは空中を撫でる。
グレーは気持ちよさそうに目を細めた。
つづく
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