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ユリウスの馬鹿
しおりを挟む*途中から馬鹿ユリウス視点になります*
結婚式の日は大変だった。
私を拉致して領地に移動魔法で飛んでしまったユリウス様はすぐに見つけられ連れ戻された。
お義母さまやお義父さまに大目玉をくらい、結婚式が終わった後魔力無効化の部屋に1ヶ月閉じ込めらた。
「いくらヴィオちゃんが可愛かったからって、あの馬鹿はほんとに」
お義母さまは呆れた顔をして苦笑している。
「これくらいの罰じゃ、あれは改心しないだろう。まぁ、無茶をすると1ヶ月ヴィオちゃんに会えなくなるとわかったらこれからはましになるだろう」
お義父さまも笑っている。
結婚してからすぐユリウス様は反省部屋に入れられたので、全くユリウス様には会っていない。
その間、お義母さまと一緒に次期公爵夫人としてあちこちに顔を出している。
ユリウス様がお仕置きされている事は一部の人しか知らないので、行く先々でユリウス様は?と聞かれるが、その都度お義母さまが「次期公爵として缶詰で勉強中ですわ」と笑っている。
ユリウス様が出てきたら、私のデビュタントだ。
結婚してからデビュタントなんて稀なケースらしいが、まだ15歳だし仕方ないよね。
結婚式に続いてまた白いドレスを着るし、今度は久しぶりにダンスもある。
デビュタントのドレスはダンスしやすいように軽めでスカートの部分は花びらのようにオーガンジーを重ねていて動くたびにふわふわとするようなデザインになっている。
デビュタント楽しみだなぁ。
ーユリウスー
くそっ! 母上め。俺をこんなところに閉じこめやがって!
1か月もヴィオに会えないなんて気が狂いそうだ。
魔力無効化の魔法がかかった部屋なので、魔法も使えない。窓と扉には鉄格子があり、逃げられそうもない。仕方ない身体でも鍛えるか。
この1か月、毎日筋トレと剣の稽古に励んだ。もちろん差し入れられる新聞を読み、本も読んで身体だけでなく頭も鍛えている。
この部屋にはシャワーもトイレもある。1か月分の着替えやシーツ、簡易栄養食もあり、誰にも会う事はない。全く誰がこんな部屋を考えたんだ。
あぁここにヴィオとふたりでこもれたら幸せだろうなぁ。
あぁ、だめだ。ヴィオにはちゃんと食事をさせないとな。こんな簡易栄養食食べさせるわけにはいかない。
ここから出たら暴走しないように気をつけよう。
出たらすぐにデビュタントだな。デビュタントヤバいな。また瞬間移動してしまいそうだ。
まぁ、デビュタントまでの間、ヴィオと蜜月期間をもらおう。この1か月のヴィオ不足を解消しよう。
あぁ早く出たい。
ヴィオ愛してるよ~。
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