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行ってはみたけど *6/12ちょっと修正しました*
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*途中からユリウス視点になります*
「私用を思い出しましたのでこのまま参りますね。おふたりは屋敷でお寛ぎ下さい。リカルドご案内して」
私はおふたりをリカルドに託し、馬車を走らせた。
「公爵家までお願い」
公爵家に着いたが、お義父さまもお義母さまも、ユリウス様がも留守だった。仕方がないのでまた屋敷に戻る。
途中で明日のクリスさまとのお茶会の手土産を買おうと人気のあるスイーツ店に寄ってもらった。
「ヴィオ!」
後ろから声をかけられて振り向く。そこには屋敷に戻ったはずのフィルがいた。
「どうしたの?」
「うん、明日の第3王子との顔合わせに手土産を持っていきたいとライザが言い出してね。それでここが人気だと教えてもらったんだ」
「さっき、買い物の時に寄ればよかったわね」
「そうだね。ライザはヴィオとの買い物がうれしくて忘れていたらしい」
確かに私も楽しくてユリウス様のことをすっかり忘れていた。
「ヴィオは用はもう済んだの?」
フィルはにこやかに微笑んでいる。
「ええ、屋敷に伺ったのだけれど留守だったの。約束していたわけではないので仕方ないわ」
私はため息をついた。
「ヴィオ、せっかく会えたのだし、中でケーキを食べないか? 先程の店も美味しかったが、こちらも美味しそうだ」
「そうね」
私はフィルの誘いに頷いた。婚約はしてるけど、フィルは従兄弟だし、ナターシャも一緒だから大丈夫よね。
店の中は白を基調としている可愛いお店だった。
私たちはカヌレとお茶を頼んだ。
「隣国ではどのようなスイーツが流行っているの?」
「そうだな。だいたいここと同じかな」
我が国と隣国は基本言葉も同じだし、友好国なので、交流も盛んだ。
「お腹いっぱいになったな。ライザに怒られそうだからカヌレを買ってかえってやろう」
「そうね。リカルドにもあげましょう」
私たちはクスクス笑いながら店の外に出た。
それから、フィルがお土産を買いたいので付き合ってほしいと言われたのでアクセサリーのお店に行った。
私くらいの年齢の女の子のお土産らしい。
フィルはお花の髪飾りを選んでいた。きっと好きな人に渡すのだろう。選んでいる時のフィルはとても優しい顔をしていた。
「ヴィオは婚約者が好きなの?」
突然そんなことを言われてびっくりした。
「う~ん。好きか嫌いかと聞かられたら間違いなく好きなんだけど、まだ結婚ってことがピンとこないの」
「だよな。まだ15だもんな」
「うん。まだ15だよね。年も離れてるし、私のような子供でなんだか申し訳なくてね。私とユリウス様じゃ釣り合わないと思わない?」
「釣り合わないとは思わないよ。貴族の結婚なんて年が離れている夫婦もいっぱいいるよ。ヴィオが好きなら大丈夫だよ」
そうなんだろうか?
「でも、ほかの貴族みたいに愛妾を持ったりしないかな? それは絶対嫌なの」
「確かにそれは嫌だな。私も結婚するなら愛し愛された相手と結婚したい。愛妾なんてもってのほかだ」
フィルも結婚の事で悩んでいるのかな?
「私はこの国に留学しようかなと思っているんだ。昨夜叔父上に話したら、屋敷に居候させてくれるって言ってくれたんだ」
「そうなの。フィルが一緒ならリカルドも喜ぶわ」
留学か~。
フィルはなんだか暗い顔をしている。
本当に留学したいのかしら?
「さぁ、そろそろお屋敷に戻りましょう」
私はフィルに声をかけ、馬車に乗り込んだ。
ーユリウスー
ヴィオ、あれはヴィオじゃないか?
誰だあの男? ヴィオは楽しそうに笑っている。
アクセサリー店から出てきたということはふたりで何かを買ったのか。
俺は頭の中がごちゃごちゃになっていた。
クリスティーナ嬢が見たというのはあの男か?
あの男は誰なんだ? あんな奴見たこともない。
消すしかないか。
それともヴィオを拉致してどこかに閉じ込めるか。
まぁ、それは結婚してからだな。
俺からヴィオを奪おうとする奴は許さない。
とにかく今はあいつの事を調べよう。
「私用を思い出しましたのでこのまま参りますね。おふたりは屋敷でお寛ぎ下さい。リカルドご案内して」
私はおふたりをリカルドに託し、馬車を走らせた。
「公爵家までお願い」
公爵家に着いたが、お義父さまもお義母さまも、ユリウス様がも留守だった。仕方がないのでまた屋敷に戻る。
途中で明日のクリスさまとのお茶会の手土産を買おうと人気のあるスイーツ店に寄ってもらった。
「ヴィオ!」
後ろから声をかけられて振り向く。そこには屋敷に戻ったはずのフィルがいた。
「どうしたの?」
「うん、明日の第3王子との顔合わせに手土産を持っていきたいとライザが言い出してね。それでここが人気だと教えてもらったんだ」
「さっき、買い物の時に寄ればよかったわね」
「そうだね。ライザはヴィオとの買い物がうれしくて忘れていたらしい」
確かに私も楽しくてユリウス様のことをすっかり忘れていた。
「ヴィオは用はもう済んだの?」
フィルはにこやかに微笑んでいる。
「ええ、屋敷に伺ったのだけれど留守だったの。約束していたわけではないので仕方ないわ」
私はため息をついた。
「ヴィオ、せっかく会えたのだし、中でケーキを食べないか? 先程の店も美味しかったが、こちらも美味しそうだ」
「そうね」
私はフィルの誘いに頷いた。婚約はしてるけど、フィルは従兄弟だし、ナターシャも一緒だから大丈夫よね。
店の中は白を基調としている可愛いお店だった。
私たちはカヌレとお茶を頼んだ。
「隣国ではどのようなスイーツが流行っているの?」
「そうだな。だいたいここと同じかな」
我が国と隣国は基本言葉も同じだし、友好国なので、交流も盛んだ。
「お腹いっぱいになったな。ライザに怒られそうだからカヌレを買ってかえってやろう」
「そうね。リカルドにもあげましょう」
私たちはクスクス笑いながら店の外に出た。
それから、フィルがお土産を買いたいので付き合ってほしいと言われたのでアクセサリーのお店に行った。
私くらいの年齢の女の子のお土産らしい。
フィルはお花の髪飾りを選んでいた。きっと好きな人に渡すのだろう。選んでいる時のフィルはとても優しい顔をしていた。
「ヴィオは婚約者が好きなの?」
突然そんなことを言われてびっくりした。
「う~ん。好きか嫌いかと聞かられたら間違いなく好きなんだけど、まだ結婚ってことがピンとこないの」
「だよな。まだ15だもんな」
「うん。まだ15だよね。年も離れてるし、私のような子供でなんだか申し訳なくてね。私とユリウス様じゃ釣り合わないと思わない?」
「釣り合わないとは思わないよ。貴族の結婚なんて年が離れている夫婦もいっぱいいるよ。ヴィオが好きなら大丈夫だよ」
そうなんだろうか?
「でも、ほかの貴族みたいに愛妾を持ったりしないかな? それは絶対嫌なの」
「確かにそれは嫌だな。私も結婚するなら愛し愛された相手と結婚したい。愛妾なんてもってのほかだ」
フィルも結婚の事で悩んでいるのかな?
「私はこの国に留学しようかなと思っているんだ。昨夜叔父上に話したら、屋敷に居候させてくれるって言ってくれたんだ」
「そうなの。フィルが一緒ならリカルドも喜ぶわ」
留学か~。
フィルはなんだか暗い顔をしている。
本当に留学したいのかしら?
「さぁ、そろそろお屋敷に戻りましょう」
私はフィルに声をかけ、馬車に乗り込んだ。
ーユリウスー
ヴィオ、あれはヴィオじゃないか?
誰だあの男? ヴィオは楽しそうに笑っている。
アクセサリー店から出てきたということはふたりで何かを買ったのか。
俺は頭の中がごちゃごちゃになっていた。
クリスティーナ嬢が見たというのはあの男か?
あの男は誰なんだ? あんな奴見たこともない。
消すしかないか。
それともヴィオを拉致してどこかに閉じ込めるか。
まぁ、それは結婚してからだな。
俺からヴィオを奪おうとする奴は許さない。
とにかく今はあいつの事を調べよう。
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