上 下
5 / 50

はじめてお泊まりすることになりました

しおりを挟む

*途中からユリウス視点になります。
最後は俯瞰視点です*


 明日は久しぶりにユリウス様がお休みなので、今日からお泊まりすることになりました。

 お泊まりと言っても私は客間に泊まります。
 まだ結婚前なので閨の事は致しませんよ。

 それ以前に私はまだまだお子様なので、大人なユリウス様にはそういう対象として見られていないと思います。

 今夜はユリウス様はもちろん、お義父さまやお義母さまと一緒に一緒にディナーを食べて、お茶を飲んでお話したりする予定。明日はユリウス様とお出かけします。

 貴族街でお買い物をして美味しいものを食べようかと言われてます。

 本当にユリウス様はお忙しくてなかなかお休みがないので、お泊まりすることになったのですが、初めてのお泊まりでドキドキです。


「ただいま帰りました。ヴィオ来てる」

 ユリウス様の声が玄関ホールから聞こえてきます。
 
 ユリウス様は私の事を気にしてくださっているようで、帰るなり、存在確認をされます。嬉しい。

「お帰りなさいませ。お邪魔しております」

 私はカーテシーをしてみた。

 ユリウス様は手で顔を押さえている。どうしたのかしら?

「馬鹿ね~早く着替えていらっしゃい」

 お義母さまが扇子で口を隠し笑っている。




ーユリウス―

 やべー、ヴィオ可愛すぎる。
 まじ妖精だ。天使だ。女神だ。いやそれ以上だ。

 あんなに可愛いヴィオを外に出すなんて危険だ。
 明日の買い物はやめようか?

 ヴィオと屋敷でイチャイチャしたいな。でも、父上て母上に邪魔されそうだ。

 それに部屋で2人っきりになったら理性が持つかどうか自信がない。

 でも、ヴィオは私の事を男として見てくれているのだろうか?

 ヴィオから見たら私なんておっさんだ。しかも泣く子も黙る冷徹冷酷騎士と言われている。

 当たり前だろ。ヴィオ以外はクソだ。ヴィオ以外に優しくする必要なんかない。
 ヴィオ以外に笑いかけるつもりもない。やっとこの手に入ったのだ。もう何があっても離さない。

 結婚したら、騎士団なんて辞めてヴィオと領地に篭るんだ。
 騎士になんて何の未練もない。大体騎士になんかなるつもりもなかったしな。

 騎士になったのはヴィオに好かれたいからだ。
ヴィオ4歳の頃、読んでいた本を見せてくれて、「きしさまかっこいいからすき」と言ったから私は騎士になった。じゃなきゃ騎士なんかになる訳ないだろ。

 あの頃から私の世界はヴィオを中心に回ってる。
 私はヴィオだけいてくれればそれでいい。
 決してロリコンではない。ヴィオだけだ。

 領地の屋敷には必要最低限の使用人がいればいい。ヴィオの世話は私がする。

 我が領地は王都から離れているからなんだかんだ理由をつけて王都には行かない。

 社交界は父母に任せておけばいい。
 
 私はヴィオを領地に閉じ込めるつもりだ。ふたりで閉じこもる。
 ヴィオは私だけのものだから。

 子供もしばらくはいいな。

 ヴィオはまだ若い。3年くらいはふたりで蜜月を楽しみたい。結婚式のあとは1週間は引きこもりたいな。

 あ~早く結婚したい。ヴィオを抱き潰したい。

 やべ、鼻血出てきた。



 ユリウスがこんな事を考えているなんてヴィオレッタは知る由もなかった。

 怖い怖い。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】「冤罪で処刑された公爵令嬢はタイムリープする〜二度目の人生は殺(や)られる前に殺(や)ってやりますわ!」

まほりろ
恋愛
【完結しました】 アリシア・フォスターは第一王子の婚約者だった。 だが卒業パーティで第一王子とその仲間たちに冤罪をかけられ、弁解することも許されず、その場で斬り殺されてしまう。 気がつけば、アリシアは十歳の誕生日までタイムリープしていた。 「二度目の人生は|殺《や》られる前に|殺《や》ってやりますわ!」 アリシアはやり直す前の人生で、自分を殺した者たちへの復讐を誓う。 敵は第一王子のスタン、男爵令嬢のゲレ、義弟(いとこ)のルーウィー、騎士団長の息子のジェイ、宰相の息子のカスパーの五人。 アリシアは父親と信頼のおけるメイドを仲間につけ、一人づつ確実に報復していく。 前回の人生では出会うことのなかった隣国の第三皇子に好意を持たれ……。 ☆ ※ざまぁ有り(死ネタ有り) ※虫を潰すように、さくさく敵を抹殺していきます。 ※ヒロインのパパは味方です。 ※他サイトにも投稿しています。 「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」 表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。 ※本編1〜14話。タイムリープしたヒロインが、タイムリープする前の人生で自分を殺した相手を、ぷちぷちと潰していく話です。 ※番外編15〜26話。タイムリープする前の時間軸で、娘を殺された公爵が、娘を殺した相手を捻り潰していく話です。 2022年3月8日HOTランキング7位! ありがとうございます!

お飾り王妃の受難〜陛下からの溺愛?!ちょっと意味がわからないのですが〜

湊未来
恋愛
 王に見捨てられた王妃。それが、貴族社会の認識だった。  二脚並べられた玉座に座る王と王妃は、微笑み合う事も、会話を交わす事もなければ、目を合わす事すらしない。そんな二人の様子に王妃ティアナは、いつしか『お飾り王妃』と呼ばれるようになっていた。  そんな中、暗躍する貴族達。彼らの行動は徐々にエスカレートして行き、王妃が参加する夜会であろうとお構いなしに娘を王に、けしかける。  王の周りに沢山の美しい蝶が群がる様子を見つめ、ティアナは考えていた。 『よっしゃ‼︎ お飾り王妃なら、何したって良いわよね。だって、私の存在は空気みたいなものだから………』  1年後……  王宮で働く侍女達の間で囁かれるある噂。 『王妃の間には恋のキューピッドがいる』  王妃付き侍女の間に届けられる大量の手紙を前に侍女頭は頭を抱えていた。 「ティアナ様!この手紙の山どうするんですか⁈ 流石に、さばききれませんよ‼︎」 「まぁまぁ。そんなに怒らないの。皆様、色々とお悩みがあるようだし、昔も今も恋愛事は有益な情報を得る糧よ。あと、ここでは王妃ティアナではなく新人侍女ティナでしょ」 ……あら?   この筆跡、陛下のものではなくって?  まさかね……  一通の手紙から始まる恋物語。いや、違う……  お飾り王妃による無自覚プチざまぁが始まる。  愛しい王妃を前にすると無口になってしまう王と、お飾り王妃と勘違いしたティアナのすれ違いラブコメディ&ミステリー

旦那様、愛人を作ってもいいですか?

ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。 「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」 これ、旦那様から、初夜での言葉です。 んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと? ’18/10/21…おまけ小話追加

旦那様は大変忙しいお方なのです

あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。 しかし、その当人が結婚式に現れません。 侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」 呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。 相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。 我慢の限界が――来ました。 そちらがその気ならこちらにも考えがあります。 さあ。腕が鳴りますよ! ※視点がころころ変わります。 ※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。

婚約者と親友に裏切られたので、大声で叫んでみました

鈴宮(すずみや)
恋愛
 公爵令嬢ポラリスはある日、婚約者である王太子シリウスと、親友スピカの浮気現場を目撃してしまう。信じていた二人からの裏切りにショックを受け、その場から逃げ出すポラリス。思いの丈を叫んでいると、その現場をクラスメイトで留学生のバベルに目撃されてしまった。  その後、開き直ったように、人前でイチャイチャするようになったシリウスとスピカ。当然、婚約は破棄されるものと思っていたポラリスだったが、シリウスが口にしたのはあまりにも身勝手な要求だった――――。

【完結】優しくて大好きな夫が私に隠していたこと

恋愛
陽も沈み始めた森の中。 獲物を追っていた寡黙な猟師ローランドは、奥地で偶然見つけた泉で“とんでもない者”と遭遇してしまう。 それは、裸で水浴びをする綺麗な女性だった。 何とかしてその女性を“お嫁さんにしたい”と思い立った彼は、ある行動に出るのだが――。 ※ ・当方気を付けておりますが、誤字脱字を発見されましたらご遠慮なくご指摘願います。 ・★が付く話には性的表現がございます。ご了承下さい。

(完結)(R15)婚約者様。従姉妹がそんなにお好きならそちらでどうぞお幸せに!

青空一夏
恋愛
 私はオリーブ・ハーパー。大きな商会を経営するハーパー家の娘だ。私には初恋の相手がおり、それはシュナイダー伯爵令息だった。  彼は銀髪アメジストの瞳のとても美しい男の子だった。ハーパー家のパーティに来る彼に見とれるけれど挨拶しかできない私は、パーティが苦手で引っ込み事案の気が弱い性格。  私にはお兄様がいていつも守ってくれたのだけれど、バートランド国のノヴォトニー学園に留学してしまい、それからはパーティではいつも独りぼっちだ。私は積極的に友人を作るのが苦手なのだ。  招待客には貴族の子供達も来て、そのなかには意地悪な女の子達がいて・・・・・・守ってくれるお兄様がいなくなった途端その子達に囲まれて、私は酷い言葉を言われる。  悔しくて泣いてしまったけれど、あの男の子が助けに来てくれた。  彼はとても物知りで本が大好きだった。彼の美しさはもちろん好きだけれど、私はそれ以上に彼の穏やかな口調と優しい瞳、思いやりのある性格が大好きになった。彼に会えるのなら苦手なパーティだって楽しみ。  けれど、お父様がトリーフォノ国に新しく商会をつくるというので、私はこのアンバサ国を離れることになった。ちなみにアンバサ国はバートランド国とトリーフォノ国に挟まれている。  私はそれから5年後アンバサ国に戻り、初恋の彼の婚約者になることができた。でも彼は以前と違って・・・・・・ ※異世界のお話で、作者のご都合主義で展開します。 ※ざまぁはR15です。 ※あくまで予定でありタグの変更・追加や軌道修正がはいる場合があります。 ※表紙はフリー画像(pixabay)を使用しています。

【完結】皆様、答え合わせをいたしましょう

楽歩
恋愛
白磁のような肌にきらめく金髪、宝石のようなディープグリーンの瞳のシルヴィ・ウィレムス公爵令嬢。 きらびやかに彩られた学院の大広間で、別の女性をエスコートして現れたセドリック王太子殿下に婚約破棄を宣言された。 傍若無人なふるまい、大聖女だというのに仕事のほとんどを他の聖女に押し付け、王太子が心惹かれる男爵令嬢には嫌がらせをする。令嬢の有責で婚約破棄、国外追放、除籍…まさにその宣告が下されようとした瞬間。 「心当たりはありますが、本当にご理解いただけているか…答え合わせいたしません?」 令嬢との答え合わせに、青ざめ愕然としていく王太子、男爵令嬢、側近達など… 周りに搾取され続け、大事にされなかった令嬢の答え合わせにより、皆の終わりが始まる。

処理中です...