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39話 キースの告白
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「ザシャ、いや、キース、私達は返答次第で君を安全な場所に逃がそうと思っている。ベアトリスからも隣国からも追っ手が来ないところにだ。どうだろう? 知っていることを話してくれるかな?」
この国の王太子であるヘンリー兄様がキース・フェラーの顔を覗き込んだ。
キース・フェラーはブルブルと震えている。
「ほ、ほんとに逃してくれるのですか?」
「あぁ、本当だ。ただし、本当の事を話してくれたらだけどな」
「は、話します。なんでも話します。俺はザシャではなく、キース・フェラーです。身分はきっとまだ、隣国の宮廷魔導士団に所属している魔導士のはずです」
キースはヘンリー兄様に足に縋り付きながら本当の身分を名乗った。
キースの身分などは、アンネリーゼからステータスボードを見せてもらったので、皆承知している。
「お前はベアトリスの従者をしているより、どこかに籠り、魔道具の研究をしたり、制作をしたりしたのであろう?」
「はい! 訳もわからず王命でここに連れてこられ、15年も従者とは名ばかりの男娼のような生活をさせられています。こんな生活から逃げ出したい。でも、祖国には家族がいます。私が逃げたら家族が殺されてしまう……」
それも承知の上だ。
私達の調べでは、キースは元々は平民で両親は田舎で農業をしている。キースの言う通り、両親は王家に見張られている。
キースが逃げたり喋ったりしたら捕らえて消すつもりだろう。
ヘンリー兄様の命を受け、影達が隣国のキースの実家に飛び、両親をアイゼンシュタットの隠し里に保護した。キースの実家にはすでに亡くなっている死体を置き、それを魔法でキースの両親と認識させるようにした。なので、隣国はキースの両親はもう亡くなっていると思っている。それゆえ、キースがいくら喋ろうが寝返ろうが大丈夫。両親に危害を加えられることは無いのだ。
「お前の親は私達が保護している。すでに亡くなったことにして、秘密裏に隣国から出ているから、何の心配もなく話せる。私を信じて話してくれるか?」
ヘンリー兄様はキースの顔を覗き込んだ。キースは驚いた。そして安心したような顔になり、笑みを浮かべている。
「ありがとうございます。なんでも話します」
キースは髪色と瞳の色のせいで今まで自分の身に起きたことを話し出した。
みんな頷きながら聞いている。
「では、それを証言できるか?」
「はい。両親を保護してもらえるのであればなんでも話します。ただ、ベアトリス様とギルバート様を断罪すれば隣国と戦になるのではないですか? 隣国の国王はずっとこの国を狙っています。ギルバート様が次期王太子になったら、国王陛下とあなた様を暗殺しギルバート様を国王にするつもりで15年も待っているのです。ギルバート様が無理だとわかったら戦を仕掛けてくると思います」
キースも戦は嫌みたいだ。
ヘンリー兄様はふっと笑った。
「大丈夫だ。手は打ってある。問題ない。断罪したあとはベアトリスとギルバート、そして隣国からついてきた使用人達は隣国に帰すつもりだ。我が国に我が国を仇なそうと思っている者は要らんからな。新しい結界のおかげで悪意のある者は一度出たらもう我が国にはは入れない」
ヘンリー兄様の話にキースは不安げな表情になった。
「私はどうなるのでしょうか?」
「お前は両親とともに隠れ里で暮らしてもらうつもりだ。里で両親と畑仕事をしながら好きな魔道具の研究をしてくれればいい」
「私は罪に問われないのですか?」
「罪?」
ヘンリー兄様は首を捻った。
「罪か……そうだな、罪はこの告発でチャラにしよう」
「あ、ありがとうございます」
そう言うとキースは床にヘナヘナと座り込んでしまった。
「信用して大丈夫なのだろうか?」
大きな身体のアルトゥール様が身体を折り曲げ、小さな身体の私の耳元で囁く。
「大丈夫じゃないですか? これも魔道具で録画しているのですよね? 本人は小心者でビビりのようですから、断罪の場にいるとなるとちょっと心配ですが、これを流すのであれば発言に関しては問題ないでしょう」
「そうだな。でも隠し里に匿うのも心配だな」
アルトゥール様は本当に心配症だ。普段から慎重で、石橋を叩いて叩いて叩き倒して安心してから渡るタイプの人だから、この心配は仕方ない。
私の横にいたアンネリーゼがくすりと笑った。
「お父様は本当に筋金入りの心配症ですわね。キースは大丈夫です。基本善人で小心者。搾取するより、される側の人間です。親を人質に取られ、国王に命令されれば超小心者のキースには逆らえません。嘘はついていないし、魔道具師としての腕もいいので、私個人の魔道具サンプル作りの職人として囲いたいくらいです」
そうなのか。そんなに凄い魔道具師なのか。それにしても超小心者とか搾取される側だとか言いたい放題だな。アルトゥール様も筋金入りの心配症とか言われているし。アンネリーゼは面白すぎる。
キースの証言はしっかり録画した。もちろんキースとベアトリスの睦事もちゃんと録画済みだ。
キースからもらった髪の毛と入手したギルバートの髪の毛で親子鑑定も終わっている。
「じゃあ、里に行くか」
「もう、行っても大丈夫なのですか?」
「あぁ、お前は失踪したことにしておくよ。『すみません』とだけここに書いてくれるか? これを机の上にでも置いておけば、ベアトリスの目に入るだろう。母上に足止めを頼んでいるから、ベアトリスがそれを目にするのはお前が里でのんびりしている頃だろう」
ヘンリー兄様はふっと息をつき、キースの顔を見た。
「ギルバートに未練はないか?」
「未練ですか?」
「一応息子だろう?」
「息子と言われても……そう言う気持ちで見たことも接したこともないですし、あくまで俺は子種を提供しただけの他人だと思っています。俺ににているのは髪と瞳の色だけですし、未練はありません」
「ベアトリスには?」
「全く。嫌悪しかありません」
血の繋がりってなんだろう? キースとギルバート、アンネリーゼと産みの母親、どちらも血は繋がっているがただそれだけ。重きを置くことなどないのかもしれない。
ヘンリー兄様はキースを連れて移動魔法でアイゼンシュタットの隠し里に飛んだ。
キースが『すみません』とだけ書いた手紙のような走り書きは影の手によってキースの部屋の机の上に置かれた。
王妃様に解放されたベアトリスがこの走り書きを見つけたらどんな行動にですのだろう。
私達は移動魔法でグローズクロイツ領に戻った。
次に王都にくるのは誕生日のパーティーだ。
この国の王太子であるヘンリー兄様がキース・フェラーの顔を覗き込んだ。
キース・フェラーはブルブルと震えている。
「ほ、ほんとに逃してくれるのですか?」
「あぁ、本当だ。ただし、本当の事を話してくれたらだけどな」
「は、話します。なんでも話します。俺はザシャではなく、キース・フェラーです。身分はきっとまだ、隣国の宮廷魔導士団に所属している魔導士のはずです」
キースはヘンリー兄様に足に縋り付きながら本当の身分を名乗った。
キースの身分などは、アンネリーゼからステータスボードを見せてもらったので、皆承知している。
「お前はベアトリスの従者をしているより、どこかに籠り、魔道具の研究をしたり、制作をしたりしたのであろう?」
「はい! 訳もわからず王命でここに連れてこられ、15年も従者とは名ばかりの男娼のような生活をさせられています。こんな生活から逃げ出したい。でも、祖国には家族がいます。私が逃げたら家族が殺されてしまう……」
それも承知の上だ。
私達の調べでは、キースは元々は平民で両親は田舎で農業をしている。キースの言う通り、両親は王家に見張られている。
キースが逃げたり喋ったりしたら捕らえて消すつもりだろう。
ヘンリー兄様の命を受け、影達が隣国のキースの実家に飛び、両親をアイゼンシュタットの隠し里に保護した。キースの実家にはすでに亡くなっている死体を置き、それを魔法でキースの両親と認識させるようにした。なので、隣国はキースの両親はもう亡くなっていると思っている。それゆえ、キースがいくら喋ろうが寝返ろうが大丈夫。両親に危害を加えられることは無いのだ。
「お前の親は私達が保護している。すでに亡くなったことにして、秘密裏に隣国から出ているから、何の心配もなく話せる。私を信じて話してくれるか?」
ヘンリー兄様はキースの顔を覗き込んだ。キースは驚いた。そして安心したような顔になり、笑みを浮かべている。
「ありがとうございます。なんでも話します」
キースは髪色と瞳の色のせいで今まで自分の身に起きたことを話し出した。
みんな頷きながら聞いている。
「では、それを証言できるか?」
「はい。両親を保護してもらえるのであればなんでも話します。ただ、ベアトリス様とギルバート様を断罪すれば隣国と戦になるのではないですか? 隣国の国王はずっとこの国を狙っています。ギルバート様が次期王太子になったら、国王陛下とあなた様を暗殺しギルバート様を国王にするつもりで15年も待っているのです。ギルバート様が無理だとわかったら戦を仕掛けてくると思います」
キースも戦は嫌みたいだ。
ヘンリー兄様はふっと笑った。
「大丈夫だ。手は打ってある。問題ない。断罪したあとはベアトリスとギルバート、そして隣国からついてきた使用人達は隣国に帰すつもりだ。我が国に我が国を仇なそうと思っている者は要らんからな。新しい結界のおかげで悪意のある者は一度出たらもう我が国にはは入れない」
ヘンリー兄様の話にキースは不安げな表情になった。
「私はどうなるのでしょうか?」
「お前は両親とともに隠れ里で暮らしてもらうつもりだ。里で両親と畑仕事をしながら好きな魔道具の研究をしてくれればいい」
「私は罪に問われないのですか?」
「罪?」
ヘンリー兄様は首を捻った。
「罪か……そうだな、罪はこの告発でチャラにしよう」
「あ、ありがとうございます」
そう言うとキースは床にヘナヘナと座り込んでしまった。
「信用して大丈夫なのだろうか?」
大きな身体のアルトゥール様が身体を折り曲げ、小さな身体の私の耳元で囁く。
「大丈夫じゃないですか? これも魔道具で録画しているのですよね? 本人は小心者でビビりのようですから、断罪の場にいるとなるとちょっと心配ですが、これを流すのであれば発言に関しては問題ないでしょう」
「そうだな。でも隠し里に匿うのも心配だな」
アルトゥール様は本当に心配症だ。普段から慎重で、石橋を叩いて叩いて叩き倒して安心してから渡るタイプの人だから、この心配は仕方ない。
私の横にいたアンネリーゼがくすりと笑った。
「お父様は本当に筋金入りの心配症ですわね。キースは大丈夫です。基本善人で小心者。搾取するより、される側の人間です。親を人質に取られ、国王に命令されれば超小心者のキースには逆らえません。嘘はついていないし、魔道具師としての腕もいいので、私個人の魔道具サンプル作りの職人として囲いたいくらいです」
そうなのか。そんなに凄い魔道具師なのか。それにしても超小心者とか搾取される側だとか言いたい放題だな。アルトゥール様も筋金入りの心配症とか言われているし。アンネリーゼは面白すぎる。
キースの証言はしっかり録画した。もちろんキースとベアトリスの睦事もちゃんと録画済みだ。
キースからもらった髪の毛と入手したギルバートの髪の毛で親子鑑定も終わっている。
「じゃあ、里に行くか」
「もう、行っても大丈夫なのですか?」
「あぁ、お前は失踪したことにしておくよ。『すみません』とだけここに書いてくれるか? これを机の上にでも置いておけば、ベアトリスの目に入るだろう。母上に足止めを頼んでいるから、ベアトリスがそれを目にするのはお前が里でのんびりしている頃だろう」
ヘンリー兄様はふっと息をつき、キースの顔を見た。
「ギルバートに未練はないか?」
「未練ですか?」
「一応息子だろう?」
「息子と言われても……そう言う気持ちで見たことも接したこともないですし、あくまで俺は子種を提供しただけの他人だと思っています。俺ににているのは髪と瞳の色だけですし、未練はありません」
「ベアトリスには?」
「全く。嫌悪しかありません」
血の繋がりってなんだろう? キースとギルバート、アンネリーゼと産みの母親、どちらも血は繋がっているがただそれだけ。重きを置くことなどないのかもしれない。
ヘンリー兄様はキースを連れて移動魔法でアイゼンシュタットの隠し里に飛んだ。
キースが『すみません』とだけ書いた手紙のような走り書きは影の手によってキースの部屋の机の上に置かれた。
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