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34話 断罪の準備中です
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「こういう結果もあるのですよ」
アンネリーゼはクスリと笑いながら、私の血と自分の血を混ぜる。私達は血が繋がった親子ではないので融合するはずはない。
ないのだが……。
私達の血は他人のように完全に分離してしまうわけではなく、マーブル模様の様に融合しているような分離しているような不思議な結果が出た。
「確かに私と義母は血が繋がっていません。でも心が繋がると血が共鳴し合うので、このようなことになるのです。反対に私と私を産んだ人は心が離れているのでピッタリ融合することはきっとありません。血液も心と繋がっているのです」
アンネリーゼの言葉に皆息を飲んだ。
『血と心は繋がっている』
凄い表現だ。
アンネリーゼは私を実の母以上に母だと言ってくれたのか。涙が溢れてきた。
「ディーがリーゼの心を溶かしてくれたんだ。ディーはやっぱり女神様だな」
アルトゥール様がそう言って私を抱きしめた。
アンネリーゼは笑っている。
「ディーは幸せなようだな」
父は安心したように目を細めた。
◆◆◆
ヘンリー兄様は娘のアビゲイルを連れ、イゾルテ様がいるアイゼンシュタット家の隠し里に移動した。
イゾルテ様と母子の名乗りをするそうだ。そしてしばらくの間、アビゲイルは里に滞在させる事になった。
王太子妃とギルバートを断罪し、隣国の悪事を暴くことになると、戦になるかもしれない。安全の為と母子水入らずで過ごさせようとの思いからそうしたらしい。
私の兄で、アビゲイルの仮の婚約者のラウレンツ兄様はいらない人だが、勝手について行った。
兄様はアビゲイルが心配なのだろう。仮の婚約者というが、あの溺愛ぶりを見ると兄様がアビゲイルを手放すとは思えない。
アビゲイルが女王になるなら、兄様はアイゼンシュタットを捨て王配になりそうな気がする。
◇◇◇
アンネリーゼを王城に連れて行き、こっそりギルバートの姿を見せて、ステータスボードを出してもらった。
母の名はベアトリス。父の名はキースとあった。魔導士のようだ。そして念には念を入れるため、ギルバートの髪を手に入れ、髪からもヘンリー兄様と親子鑑定をした。
血の他に髪からも鑑定ができるのだな。もちろん赤の他人と結果が出た。
証拠は揃いつつある。
戦に備え、この国全体にグローズクロイツ領と同じような強固な結界を張ることになった。
国境全て、空までもコクーンのような結界で覆い尽くす。
王立魔導士団やアイゼンシュタット家の魔導士達、グローズクロイツ家の魔導士達が集まり、アンネリーゼと私が結界の張り方をレクチャーしていく。
作業は王太子妃やギルバート、隣国関係者に知られないように秘密裏に行う。
1日では無理なので、何日もかけ、結界を張る事になった。
アイゼンシュタット家の女は皆、増強魔法が使える。これはアイゼンシュタット家の女にのみ与えられたギフトらしい。久しぶりに勢揃いした一門の女も魔導士達と一緒に各地に散らばった。
「もっと早くこれをしていれば良かったな」
国王陛下がぽつりと呟く。
「しかし、あの頃は、こんな結界があるだなんて想像すらできませんでした」
ヘンリー兄様が言う。
「それもこれもディーがアルトゥールのところに嫁いだからできた産物だな。まさかアルトゥールの娘がこんなに凄いチカラを持っていたとはな」
「そうですね。鑑定魔法まで使えるとは。我が国では唯一の鑑定魔法士ですね」
陛下は私の顔を見た。
「ディー、アルトゥールと結婚して良かったであろう? 王命はすごいだろう?」
自慢げに笑う。
「はい、陛下。王命をありがとうございました。グローズクロイツ領は私にとってこれ以上ない素晴らしい地です。アルトゥール様やアンネリーゼ、リーンハルト、使用人達や領民、皆素晴らしいです。グローズクロイツ領を王都に負けないくらい発展させるつもりです」
私はふふふと笑った。
その前に断罪と戦だな。いよいよ誕生パーティーだ。
そういえば、私のドレスは出来上がっているのかしら?
ドレスのことなんてすっかり忘れていたわ。
私は慌ててドレスやアクセサリーの確認をするのだった。
アンネリーゼはクスリと笑いながら、私の血と自分の血を混ぜる。私達は血が繋がった親子ではないので融合するはずはない。
ないのだが……。
私達の血は他人のように完全に分離してしまうわけではなく、マーブル模様の様に融合しているような分離しているような不思議な結果が出た。
「確かに私と義母は血が繋がっていません。でも心が繋がると血が共鳴し合うので、このようなことになるのです。反対に私と私を産んだ人は心が離れているのでピッタリ融合することはきっとありません。血液も心と繋がっているのです」
アンネリーゼの言葉に皆息を飲んだ。
『血と心は繋がっている』
凄い表現だ。
アンネリーゼは私を実の母以上に母だと言ってくれたのか。涙が溢れてきた。
「ディーがリーゼの心を溶かしてくれたんだ。ディーはやっぱり女神様だな」
アルトゥール様がそう言って私を抱きしめた。
アンネリーゼは笑っている。
「ディーは幸せなようだな」
父は安心したように目を細めた。
◆◆◆
ヘンリー兄様は娘のアビゲイルを連れ、イゾルテ様がいるアイゼンシュタット家の隠し里に移動した。
イゾルテ様と母子の名乗りをするそうだ。そしてしばらくの間、アビゲイルは里に滞在させる事になった。
王太子妃とギルバートを断罪し、隣国の悪事を暴くことになると、戦になるかもしれない。安全の為と母子水入らずで過ごさせようとの思いからそうしたらしい。
私の兄で、アビゲイルの仮の婚約者のラウレンツ兄様はいらない人だが、勝手について行った。
兄様はアビゲイルが心配なのだろう。仮の婚約者というが、あの溺愛ぶりを見ると兄様がアビゲイルを手放すとは思えない。
アビゲイルが女王になるなら、兄様はアイゼンシュタットを捨て王配になりそうな気がする。
◇◇◇
アンネリーゼを王城に連れて行き、こっそりギルバートの姿を見せて、ステータスボードを出してもらった。
母の名はベアトリス。父の名はキースとあった。魔導士のようだ。そして念には念を入れるため、ギルバートの髪を手に入れ、髪からもヘンリー兄様と親子鑑定をした。
血の他に髪からも鑑定ができるのだな。もちろん赤の他人と結果が出た。
証拠は揃いつつある。
戦に備え、この国全体にグローズクロイツ領と同じような強固な結界を張ることになった。
国境全て、空までもコクーンのような結界で覆い尽くす。
王立魔導士団やアイゼンシュタット家の魔導士達、グローズクロイツ家の魔導士達が集まり、アンネリーゼと私が結界の張り方をレクチャーしていく。
作業は王太子妃やギルバート、隣国関係者に知られないように秘密裏に行う。
1日では無理なので、何日もかけ、結界を張る事になった。
アイゼンシュタット家の女は皆、増強魔法が使える。これはアイゼンシュタット家の女にのみ与えられたギフトらしい。久しぶりに勢揃いした一門の女も魔導士達と一緒に各地に散らばった。
「もっと早くこれをしていれば良かったな」
国王陛下がぽつりと呟く。
「しかし、あの頃は、こんな結界があるだなんて想像すらできませんでした」
ヘンリー兄様が言う。
「それもこれもディーがアルトゥールのところに嫁いだからできた産物だな。まさかアルトゥールの娘がこんなに凄いチカラを持っていたとはな」
「そうですね。鑑定魔法まで使えるとは。我が国では唯一の鑑定魔法士ですね」
陛下は私の顔を見た。
「ディー、アルトゥールと結婚して良かったであろう? 王命はすごいだろう?」
自慢げに笑う。
「はい、陛下。王命をありがとうございました。グローズクロイツ領は私にとってこれ以上ない素晴らしい地です。アルトゥール様やアンネリーゼ、リーンハルト、使用人達や領民、皆素晴らしいです。グローズクロイツ領を王都に負けないくらい発展させるつもりです」
私はふふふと笑った。
その前に断罪と戦だな。いよいよ誕生パーティーだ。
そういえば、私のドレスは出来上がっているのかしら?
ドレスのことなんてすっかり忘れていたわ。
私は慌ててドレスやアクセサリーの確認をするのだった。
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