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22話 のんびり
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領地全体に結界で包んでしまったせいか、空気が変わった気がする。
多分、グローズクロイツ領全体が浄化のエネルギーが強い土地なのだろう。グローズクロイツ家の人達は浄化の魔法を使える者が多いのはきっと、土地からのエネルギーを受けているのだと思う。
身体の中にあった毒素みたいなものが排出されたようにスッキリだ。
私は結界を張った日から3日3晩眠り続けていたらしい。
「ディーママは眠って回復するタイプだから、眠っていたのよ。ステータスボードが充電中になっていたから、心配はしていなかったのだけれど、お父様がクマみたいにウロウロして大変だったわ」
アンネリーゼがくすくす笑っている。
「おまけに自分の魔力を送るとか言い出して、リーゼ様に必要ないと止められたらシュンとなってしまい大変でした。領主様のイメージが変わってしまいました」
マグダレーナも呆れた顔をしている。
年齢が近いせいもあって、ふたりは私が眠っている間にすっかり仲良くなっているようだ。
「エマ、ディーママが目が覚めたとお父様に知らせてきてくれるかしら?」
「かしこまりました。お嬢様、今のうちにディー様に甘えておいてくださいませ。坊ちゃまが来たら取られてしまいますよ」
エマは楽しそうに笑って部屋を出ていった。
「もう、私は32歳なのよ」
「杏音は32だけど、リーゼは7歳でしょ? おいで~」
私はアンネリーゼをギューっと抱きしめた。
「も~、やめてよ~」
そんなこと言いながらまんざらでもないようだ。
「ほら、レーナもおいで」
ちょっと淋しそうな顔で見ていたマグダレーナもギューとした。
私はアンネリーゼみたいに前世の記憶はないが、きっと子沢山の肝っ玉母さんだったんじゃないかな?
だって、アンネリーゼもマグダレーナもリーンハルトも自分が産んだ子供じゃないけど、そんなこと関係なしに可愛いし、大事にしなくちゃいけないと思う。
自分で産んだ子供を捨てて男と逃げるなんて理解できない。
まぁ、人には色々な事情があるのだろう。でもどんな事情があっても虐待は許せないな。
「リーゼもレーナも私の可愛い子供だよ。愛してるわ」
ふたりまとめてギューだ。
「ディー! 目が覚めたのか。良かった」
ドタバタと足音がしたかと思ったら扉がバンと開いた。
あらあら、大きなクマさんが泣いているわ。
「アル様、ご心配をおかけしました。もう大丈夫です。領地の空気が変わりましたね。気持ち良くなりました」
「ああ、これが本来のグローズクロイツ領の空気だ。今までは瘴気を取りきれていなかったから、少しどんよりしていたが、色も変わったな」
アルトゥール様はそう言いながら、アンネリーゼとマグダレーナを押し退け私を抱きしめた。
「お父様! 大人げないです!」
「領主様、カッコ悪いです」
ふたりは文句を言う。
「お前達は充分ハグしてもらっただろう。次は私の番だ」
全く大人げない。
「ディー、ディーは時々、私に今みたいに敬語で話すだろう? それって嫌なんだ。討伐や結界張りの時みたいに話してほしい」
えっ? 討伐や結界の時も敬語のつもりだったんだけど?
「なんだか距離を感じるんだ。様もいらない。アルと呼んでほしい」
まぁ~、そりゃ~、まだ距離はある。結婚して1ヶ月も経ってないし、私達恋愛結婚じゃないし。結婚前も手紙のやりとりはしていたけど、実際には2回くらいしか会ってないもの。
「お父様、そんなにがっついては嫌われますよ。大人の余裕を持ってくださいませ」
アンネリーゼの呆れた視線に、アルトゥール様は我にかえったようだ。
「す、すまない。暴走してしまったようだ。まぁ、とにかく私とも仲良くしてほしい。では、仕事に戻るとするか」
アルトゥール様は私の頭をポンポンと撫で赤い顔をしながら部屋の外に出ていった。
「ぷっ」
メアリーが吹き出したと同時に部屋にいるアンネリーゼ、マグダレーナ、エマ、そして私は笑いが止まらなくなった。
「アルトゥール様ってあんな人だったのですね。イメージ違いすぎます」
「坊ちゃまは見た目が怖いだけで、中身はかなりヘタレですからね」
メアリーの言葉にエマが笑いながら答える。
「私もディーママが来てからお父様のイメージが良い意味で壊れたわ」
「私もずっと怖いと思ってました。なんか違いますね」
アンネリーゼとマグダレーナも笑う。
「アル様はカッコいい時はカッコいいのよ。討伐の時はめちゃくちゃ強いし、頼りになるし、結界の時も難しい魔法をサラッとやるしね」
「ディーママ、様はいらないわよ」
「え~~~~~~」
アンネリーゼはニヤリと笑う。全く時々32歳になるので困ったものだ。
◆◆ ◆
「ディー、迎えに来た」
アルトゥール様が部屋に入ってきた。
「どこに行くのですか?」
「食堂だよ。ランチを食べよう」
私を抱き上げる。
「アル様、歩けます」
「だめだめ。ディーはまだ疲れているんだ。無理は禁物。それから敬語はいらないよ」
笑顔なんだか変な圧がある。仕方がないので抱っこされて食堂に行く。
「ディー、アルがごめんなさいね」
義母が申し訳なさそうに私に謝る。
「きっと、ディーママとお父様は番なのですよ。だから仕方ないのです。ふふふ」
アンネリーゼが意味ありげに微笑む。
「番とは何だ?」
義父は不思議そうな顔をしてアンネリーゼを見る。
私も聞きたい。
「私が前世で読んでいた小説によく出てきていたのです。番とは真実の愛を超えた運命の相手とでもいいましょうか。生まれる前から決まっている唯一無二の相手のことで、番に出会ってしまうと全てを捨てても番と一緒にいたい。番のためなら死すら恐れない。番が死んだら生きていけないまぁ、番とは自分の命より大事な存在なのです」
アンネリーゼはふんと鼻を鳴らした。
番……重いな。
「番か……私は確かにディーが大事だが、リーゼやリーン、父や母、仕えてくれている使用人やグローズクロイツ領の領民達も大事だ。誰も捨てない」
そうだな。アルトゥール様はそういう人だ。だから安心できるし、信頼できる。
「お父様、ありがとうございます。まぁ、この世界には番制度はなかったような気がします。ただの愛が重い人なだけですね」
アンネリーゼはニヤリと笑った。
「明日からは農地改革ですね」
私は何気に話を変えてみた。
「そうだな。明日は農業をしている領民を集めて説明会をする予定だ。みんなよろしく頼む」
「農地改革も頑張りましょう」
食事を終え、私は明日の準備の為に部屋に戻った。
多分、グローズクロイツ領全体が浄化のエネルギーが強い土地なのだろう。グローズクロイツ家の人達は浄化の魔法を使える者が多いのはきっと、土地からのエネルギーを受けているのだと思う。
身体の中にあった毒素みたいなものが排出されたようにスッキリだ。
私は結界を張った日から3日3晩眠り続けていたらしい。
「ディーママは眠って回復するタイプだから、眠っていたのよ。ステータスボードが充電中になっていたから、心配はしていなかったのだけれど、お父様がクマみたいにウロウロして大変だったわ」
アンネリーゼがくすくす笑っている。
「おまけに自分の魔力を送るとか言い出して、リーゼ様に必要ないと止められたらシュンとなってしまい大変でした。領主様のイメージが変わってしまいました」
マグダレーナも呆れた顔をしている。
年齢が近いせいもあって、ふたりは私が眠っている間にすっかり仲良くなっているようだ。
「エマ、ディーママが目が覚めたとお父様に知らせてきてくれるかしら?」
「かしこまりました。お嬢様、今のうちにディー様に甘えておいてくださいませ。坊ちゃまが来たら取られてしまいますよ」
エマは楽しそうに笑って部屋を出ていった。
「もう、私は32歳なのよ」
「杏音は32だけど、リーゼは7歳でしょ? おいで~」
私はアンネリーゼをギューっと抱きしめた。
「も~、やめてよ~」
そんなこと言いながらまんざらでもないようだ。
「ほら、レーナもおいで」
ちょっと淋しそうな顔で見ていたマグダレーナもギューとした。
私はアンネリーゼみたいに前世の記憶はないが、きっと子沢山の肝っ玉母さんだったんじゃないかな?
だって、アンネリーゼもマグダレーナもリーンハルトも自分が産んだ子供じゃないけど、そんなこと関係なしに可愛いし、大事にしなくちゃいけないと思う。
自分で産んだ子供を捨てて男と逃げるなんて理解できない。
まぁ、人には色々な事情があるのだろう。でもどんな事情があっても虐待は許せないな。
「リーゼもレーナも私の可愛い子供だよ。愛してるわ」
ふたりまとめてギューだ。
「ディー! 目が覚めたのか。良かった」
ドタバタと足音がしたかと思ったら扉がバンと開いた。
あらあら、大きなクマさんが泣いているわ。
「アル様、ご心配をおかけしました。もう大丈夫です。領地の空気が変わりましたね。気持ち良くなりました」
「ああ、これが本来のグローズクロイツ領の空気だ。今までは瘴気を取りきれていなかったから、少しどんよりしていたが、色も変わったな」
アルトゥール様はそう言いながら、アンネリーゼとマグダレーナを押し退け私を抱きしめた。
「お父様! 大人げないです!」
「領主様、カッコ悪いです」
ふたりは文句を言う。
「お前達は充分ハグしてもらっただろう。次は私の番だ」
全く大人げない。
「ディー、ディーは時々、私に今みたいに敬語で話すだろう? それって嫌なんだ。討伐や結界張りの時みたいに話してほしい」
えっ? 討伐や結界の時も敬語のつもりだったんだけど?
「なんだか距離を感じるんだ。様もいらない。アルと呼んでほしい」
まぁ~、そりゃ~、まだ距離はある。結婚して1ヶ月も経ってないし、私達恋愛結婚じゃないし。結婚前も手紙のやりとりはしていたけど、実際には2回くらいしか会ってないもの。
「お父様、そんなにがっついては嫌われますよ。大人の余裕を持ってくださいませ」
アンネリーゼの呆れた視線に、アルトゥール様は我にかえったようだ。
「す、すまない。暴走してしまったようだ。まぁ、とにかく私とも仲良くしてほしい。では、仕事に戻るとするか」
アルトゥール様は私の頭をポンポンと撫で赤い顔をしながら部屋の外に出ていった。
「ぷっ」
メアリーが吹き出したと同時に部屋にいるアンネリーゼ、マグダレーナ、エマ、そして私は笑いが止まらなくなった。
「アルトゥール様ってあんな人だったのですね。イメージ違いすぎます」
「坊ちゃまは見た目が怖いだけで、中身はかなりヘタレですからね」
メアリーの言葉にエマが笑いながら答える。
「私もディーママが来てからお父様のイメージが良い意味で壊れたわ」
「私もずっと怖いと思ってました。なんか違いますね」
アンネリーゼとマグダレーナも笑う。
「アル様はカッコいい時はカッコいいのよ。討伐の時はめちゃくちゃ強いし、頼りになるし、結界の時も難しい魔法をサラッとやるしね」
「ディーママ、様はいらないわよ」
「え~~~~~~」
アンネリーゼはニヤリと笑う。全く時々32歳になるので困ったものだ。
◆◆ ◆
「ディー、迎えに来た」
アルトゥール様が部屋に入ってきた。
「どこに行くのですか?」
「食堂だよ。ランチを食べよう」
私を抱き上げる。
「アル様、歩けます」
「だめだめ。ディーはまだ疲れているんだ。無理は禁物。それから敬語はいらないよ」
笑顔なんだか変な圧がある。仕方がないので抱っこされて食堂に行く。
「ディー、アルがごめんなさいね」
義母が申し訳なさそうに私に謝る。
「きっと、ディーママとお父様は番なのですよ。だから仕方ないのです。ふふふ」
アンネリーゼが意味ありげに微笑む。
「番とは何だ?」
義父は不思議そうな顔をしてアンネリーゼを見る。
私も聞きたい。
「私が前世で読んでいた小説によく出てきていたのです。番とは真実の愛を超えた運命の相手とでもいいましょうか。生まれる前から決まっている唯一無二の相手のことで、番に出会ってしまうと全てを捨てても番と一緒にいたい。番のためなら死すら恐れない。番が死んだら生きていけないまぁ、番とは自分の命より大事な存在なのです」
アンネリーゼはふんと鼻を鳴らした。
番……重いな。
「番か……私は確かにディーが大事だが、リーゼやリーン、父や母、仕えてくれている使用人やグローズクロイツ領の領民達も大事だ。誰も捨てない」
そうだな。アルトゥール様はそういう人だ。だから安心できるし、信頼できる。
「お父様、ありがとうございます。まぁ、この世界には番制度はなかったような気がします。ただの愛が重い人なだけですね」
アンネリーゼはニヤリと笑った。
「明日からは農地改革ですね」
私は何気に話を変えてみた。
「そうだな。明日は農業をしている領民を集めて説明会をする予定だ。みんなよろしく頼む」
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