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【閑話】ふたりの世界
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神様……じゃなかったジェット様と侍女のメアリーが食事を持ってきてくれた。
大したものを食べてなかった私でも食べられるようにと柔らかいミルク粥だ。
「ほら、ミーナ食べさせてあげるよ」
リュカ様がスプーンで救って私の口に運ぶ。
リュカ様よりルカ様の方がしっくりくるな。リュカ様も私をミーナと呼んでるし。
「リュカ様、私もルカ様と呼んでもよろしいですか?」
「何でもいい」
「では、ルカ様と」
ルカ様はなんとなく顔が赤い。
「沢山食べろ」と言って私の口にスプーンを突っ込んだ。
「ルカ様、あれからジュリアンはどうなったのですか?」
ジュリアンとはルカ様と私の嫡男だ。私が亡くなった時は3歳だった。
「ジュリアンはちゃんと育って、結婚して子供も作ったよ。俺の後を継いで国王になった」
「そうですか。よかった」
ルカ様はきっと再婚したのだろうな。聞きたいけどちょっと怖い。
「なんだよその顔は。俺が再婚したかどうか聞きたいんだろ?」
もう、ルカ様は魔術者か? なんでわかるんだろう。
私は頷いた。
「再婚したのですか?」
「再婚なんてするわけないだろう。何度生まれ変わっても俺はお前だけだ。今世も神に仕事をやってやる代わりにお前を転生させろと条件を出した。お前がいない世界で生きるつもりなんかない」
相変わらず俺様だわ。神様にも偉そうに言ったのだろう。
「私もルカ様のいない世界なんて嫌ですわ」
ルカ様は私をぎゅっと抱きしめた。
あ~、ルカ様の匂いだ。
「ほら、子供は食べたら寝る。寝てる間に成長魔法をかけるからな。早く大きくなるんだぞ」
そう言って私の頭に手を乗せると急に眠気が襲ってきた。
「ミーナ愛してる」
ルカ様はそう言って私のほっぺにキスをした。
*15歳のリュカと8歳のヴィーナの会話なのですが、ふたりの中では30歳のルカと28歳のミーナなので、子供なのに大人のような会話が成り立っています。
リュカはまともな人間なので8歳のヴィーナに不埒なことは致しません。今のところ、ヴィーナは小さくて肉付きがよくないので、たくさん食べさせて、日に当てて、回復魔法と栄養魔法と成長魔法をかけて早く普通の8歳児にすることを目指しています。
大したものを食べてなかった私でも食べられるようにと柔らかいミルク粥だ。
「ほら、ミーナ食べさせてあげるよ」
リュカ様がスプーンで救って私の口に運ぶ。
リュカ様よりルカ様の方がしっくりくるな。リュカ様も私をミーナと呼んでるし。
「リュカ様、私もルカ様と呼んでもよろしいですか?」
「何でもいい」
「では、ルカ様と」
ルカ様はなんとなく顔が赤い。
「沢山食べろ」と言って私の口にスプーンを突っ込んだ。
「ルカ様、あれからジュリアンはどうなったのですか?」
ジュリアンとはルカ様と私の嫡男だ。私が亡くなった時は3歳だった。
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ルカ様はきっと再婚したのだろうな。聞きたいけどちょっと怖い。
「なんだよその顔は。俺が再婚したかどうか聞きたいんだろ?」
もう、ルカ様は魔術者か? なんでわかるんだろう。
私は頷いた。
「再婚したのですか?」
「再婚なんてするわけないだろう。何度生まれ変わっても俺はお前だけだ。今世も神に仕事をやってやる代わりにお前を転生させろと条件を出した。お前がいない世界で生きるつもりなんかない」
相変わらず俺様だわ。神様にも偉そうに言ったのだろう。
「私もルカ様のいない世界なんて嫌ですわ」
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あ~、ルカ様の匂いだ。
「ほら、子供は食べたら寝る。寝てる間に成長魔法をかけるからな。早く大きくなるんだぞ」
そう言って私の頭に手を乗せると急に眠気が襲ってきた。
「ミーナ愛してる」
ルカ様はそう言って私のほっぺにキスをした。
*15歳のリュカと8歳のヴィーナの会話なのですが、ふたりの中では30歳のルカと28歳のミーナなので、子供なのに大人のような会話が成り立っています。
リュカはまともな人間なので8歳のヴィーナに不埒なことは致しません。今のところ、ヴィーナは小さくて肉付きがよくないので、たくさん食べさせて、日に当てて、回復魔法と栄養魔法と成長魔法をかけて早く普通の8歳児にすることを目指しています。
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