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私は天国にいるのかしら?

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 目が覚めたら、私を助けてくれた神様の使いの人? 神様? マティ、天使? がいた。

 神様の使いの人と神様は私に魔力を流してくれているみたいだ。

 すごく身体が楽になっている。なんだか少し太ったような気もするなぁ。

 扉が開いて、綺麗な男女が入ってきた。神様と女神様か?

「気がついたのね。よかった。顔色も良くなったわ」

 女神様が私の頬に手を当て泣いている。

 とりあえず挨拶しなきゃね。これから天国でのんびりしたい。女神様には嫌われたくない。

 私は女神様の方に向き直して、ちゃんと目を見た。

「助けていただきありがとうございます。私はアルヴィーナと申します。長年囚われておりましたので、きちんとしたご挨拶ができず申し訳ございません」

「きちんとした挨拶なんてどうでもいいのよ。必要ならまた覚えればいいだけ。今は身体と心を癒すだけでいいの。あなたはまだ子供なんだから私やリカルド様に甘えてちょうだい。リュカやジェットや今ここにはいないけどシャルやリーゼにいっぱい甘えてわがまま言ってちょうだい」

 女神様は私をぎゅっと抱きしめた。こんな風に抱きしめられるのはお母様が亡くなってから初めてだ。

 リカルド? リュカ? ジェット? シャル? リーゼ? 神様の名前だろうか?

 それにしても女神様はチカラが強い。苦しくなってきた。

「ミディア、そんなに力いっぱい抱きしめたら、骨が折れちゃうよ」

 女神様の横にいたラスボスみたいなカッコいいおじ様の神様が女神様を私から引き剥がした。

 女神様はミディアと言うのかな?

「私はここ、フェノバール家の当主のリカルド・フェノバールです。あなたとマティを保護しました。ここはあなたの家です。私たちはあなたの家族です。うちの家族はみんなおせっかいなんで、煩わしいこともあるかもしれませんがそれは諦めてください」

リカルド・フェノバール? 神様じゃないの? マティと私を保護? ここは私の家? 私生きてるの?

 私は驚きで固まってしまった。

「アルヴィーナ嬢、ヴィーナと呼んでもよろしいですか?」

 リカルド様に言われて慌てて返事をした。

「は、はい」

 ヴィーナか、初めて呼ばれたのに、なんとなく懐かしい。

「父上、ヴィーナの世話は兄上にしてもらいましょう。神はそう望んでいるようです」

 私がぼんやりしていたら、神様だと思っていた黒髪の人がリカルド様に私の世話は兄上にしてもらうと言ってる。神さまもそう望んでる?

 やっぱりこの人、神様よね?

「そうだな。リュカに任せる」

 リカルド様もそう言った。

 リュカ? なんだか聞いたことがあるような? リュカ、リュカ、リュカ……。

「ちょっと待ってよ、私もヴィーナのお世話がしたいわ」
 
 女神様みたいなミディア様も私のお世話をしたいと言ってくれた。なんだか嬉しい。

 あんまりお世話をされた記憶がないから変な感じだわ。

「じゃあ、メインは兄上でママは兄上の補佐だな」

 補佐?

「ミディアがメインに見るのは私だろ」

 リカルド様がミディア様の頬を緩くつねっている。

 大人なのに変なの。私は可笑しくなって笑ってしまった。

「「ふっ」」

 マティも笑っている。マティの笑っている顔なんて初めて見たかもしれない。

「ほら、父上とママ、ふたりに笑われてるよ。あとは兄上に任そう」

 神様風の人はそう言うと、みんなを部屋の外に出した。

 部屋の中には私と私を助けてくれた神様の使いのリュカ様しかいなくなった。
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