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番外編
スタンレー(リュカ視点)
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俺はエスタゾラム王国の女王で、叔母上でもあるオクタヴィア陛下とエスタゾラム王国の東の辺境の地に向かった。
そこでジェットとジェニナック王国の第2王子のスタンレーと合流することになっている。
俺達が移動魔法で到着すると2人はすでに到着し、俺達を待っていた。
「様子はどうだ?」
俺はジェットに聞く。
「問題ないよ。あの結界は破れない。しかも攻めてきているのはスタンレー殿の手の者だ。初めから現王に向けてのポーズだからね」
ジェットは悪い顔をして笑う。
「スタンレー殿、そろそろか?」
叔母上がスタンレーに声をかける。
「はい。ジェット殿の魔法でこの攻めが上手くいったと国王と宰相を油断させます。祝杯をあげている2人を捕らえる手筈が整っています。国王の近衛騎士はジェット殿が魔法で眠らせてくれる予定です」
「クーデターがうまくいけば、お主が王となり、国を治めるといい。我がエスタゾラムが後ろ盾になる」
そうだな。それがいい。エスタゾラムは大国だ。後ろ盾になれば他国から干渉されることもない。
「いえ、ジェニナックはエスタゾラムに併合していただきとう存じます」
「併合? なぜ?」
「ジェニナックは非道なことをやりすぎました。ジェニナックの貴族達の常識は他国から見ると非常識です。あまりにも女性を蔑ろにしてきたのも私は許せません。ジェニナックの男はだめです。私達世代のフラットな考えを持つ者が古い考えで凝り固まった国そのものを無くした方がいいと考えています。ジェニナックはそれほどおおきな国ではないし、エスタゾラム王国の中のいくつかの領地にしてもらいたいです」
確かにジェニナックはひどい男尊女卑の国だ。スタンレーは腹違いの兄弟がたくさんいる。ジェニナックでは女は子供を産む道具。王も一般人も何人も妻を持つことができる。ただ子供を産み終えた者、産めなかった者はゴミクズのように捨てられる。
スタンレー世代の男達はみな隠れて、捨てられた母親を救助し保護しているという。
「国王派の貴族達は王と一緒に粛清か?」
「はい。そのつもりです」
俺はどっちでもいいけどな。ただ、女を蔑ろにするのはだめだ。男も女も関係ない。蔑ろにしていい人間などいない。
「リュカはどう思う」
叔母上に振られた。
「俺は部外者だからな。スタンレーがそれが最適だと思い、叔母上が受容れるならそれでいいと思う。ジェニナックの軍事力をエスタゾラムが持てばエスタゾラムに勝てる国は無くなる。次期国王のマクシミリアンをスタンレーが支えて、この世界のリーダーとして引っ張っていけばいいと思う」
「ノルスバンは?」
「ノルスバンはこれから独自の路線でいくと思う。もちろんエスタゾラムと袂を分つことはないし、これからも友好関係は続けていく。エスタゾラムに何かあればうちが手を貸すし、うちに何かあればエスタゾラムに手を貸して欲しい」
「もちろんだ。約束する」
叔母上は力強く頷く。
「では、そろそろジェニナック王国の国王や派閥の貴族達にこの東の辺境の地で兵士達が大勝利したニュースを流します。ちょっとした精神拘束魔法ですよ。スタンレー様、みんなが宴で盛り上がっている間にばっちり決めてくださいね」
ジェットが言う。
兵士達は結界の前にある屋敷でこのまましばらく休息してもらう予定だ。
「今回のクーデターは私ひとりの力では遂げることはできませんでした。エスタゾラム女王やエスタゾラム王国の皆さんやリュカ様、ジェット様、ノルスバン王国の皆さんのおかげです。これからも私達をよろしくお願いします」
スタンレーは頭を下げた。
「そういうことは成功し、全てが終わってから言うが良い。まだ早いぞ」
叔母上は笑う。
「まぁ、叔母上、もう成功したようなものですよ」
ジェットは今日はずっと悪い顔だ。
いよいよクーデターのはじまりだな。
そこでジェットとジェニナック王国の第2王子のスタンレーと合流することになっている。
俺達が移動魔法で到着すると2人はすでに到着し、俺達を待っていた。
「様子はどうだ?」
俺はジェットに聞く。
「問題ないよ。あの結界は破れない。しかも攻めてきているのはスタンレー殿の手の者だ。初めから現王に向けてのポーズだからね」
ジェットは悪い顔をして笑う。
「スタンレー殿、そろそろか?」
叔母上がスタンレーに声をかける。
「はい。ジェット殿の魔法でこの攻めが上手くいったと国王と宰相を油断させます。祝杯をあげている2人を捕らえる手筈が整っています。国王の近衛騎士はジェット殿が魔法で眠らせてくれる予定です」
「クーデターがうまくいけば、お主が王となり、国を治めるといい。我がエスタゾラムが後ろ盾になる」
そうだな。それがいい。エスタゾラムは大国だ。後ろ盾になれば他国から干渉されることもない。
「いえ、ジェニナックはエスタゾラムに併合していただきとう存じます」
「併合? なぜ?」
「ジェニナックは非道なことをやりすぎました。ジェニナックの貴族達の常識は他国から見ると非常識です。あまりにも女性を蔑ろにしてきたのも私は許せません。ジェニナックの男はだめです。私達世代のフラットな考えを持つ者が古い考えで凝り固まった国そのものを無くした方がいいと考えています。ジェニナックはそれほどおおきな国ではないし、エスタゾラム王国の中のいくつかの領地にしてもらいたいです」
確かにジェニナックはひどい男尊女卑の国だ。スタンレーは腹違いの兄弟がたくさんいる。ジェニナックでは女は子供を産む道具。王も一般人も何人も妻を持つことができる。ただ子供を産み終えた者、産めなかった者はゴミクズのように捨てられる。
スタンレー世代の男達はみな隠れて、捨てられた母親を救助し保護しているという。
「国王派の貴族達は王と一緒に粛清か?」
「はい。そのつもりです」
俺はどっちでもいいけどな。ただ、女を蔑ろにするのはだめだ。男も女も関係ない。蔑ろにしていい人間などいない。
「リュカはどう思う」
叔母上に振られた。
「俺は部外者だからな。スタンレーがそれが最適だと思い、叔母上が受容れるならそれでいいと思う。ジェニナックの軍事力をエスタゾラムが持てばエスタゾラムに勝てる国は無くなる。次期国王のマクシミリアンをスタンレーが支えて、この世界のリーダーとして引っ張っていけばいいと思う」
「ノルスバンは?」
「ノルスバンはこれから独自の路線でいくと思う。もちろんエスタゾラムと袂を分つことはないし、これからも友好関係は続けていく。エスタゾラムに何かあればうちが手を貸すし、うちに何かあればエスタゾラムに手を貸して欲しい」
「もちろんだ。約束する」
叔母上は力強く頷く。
「では、そろそろジェニナック王国の国王や派閥の貴族達にこの東の辺境の地で兵士達が大勝利したニュースを流します。ちょっとした精神拘束魔法ですよ。スタンレー様、みんなが宴で盛り上がっている間にばっちり決めてくださいね」
ジェットが言う。
兵士達は結界の前にある屋敷でこのまましばらく休息してもらう予定だ。
「今回のクーデターは私ひとりの力では遂げることはできませんでした。エスタゾラム女王やエスタゾラム王国の皆さんやリュカ様、ジェット様、ノルスバン王国の皆さんのおかげです。これからも私達をよろしくお願いします」
スタンレーは頭を下げた。
「そういうことは成功し、全てが終わってから言うが良い。まだ早いぞ」
叔母上は笑う。
「まぁ、叔母上、もう成功したようなものですよ」
ジェットは今日はずっと悪い顔だ。
いよいよクーデターのはじまりだな。
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