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決意

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「見つかったようです。連れて帰ってきますよ」

 ジェットの言葉に私たちは歓声を上げた。
メグ先生に来てもらっていた。
 子供とはいえ女の子だ。男の先生より女の先生の方が安心だろう。

 私はみんなみたいに念話ができないのでリカルド様から聞かせてもらっていた。

 驚いた。怒りで口が開かなかった。

 国王も王妃もぶん殴ってやりたい。殺したりなんかしたらダメだ。生きて死ぬより辛い目に合わせてやりたい。

 こんな小さな子供相手に何してるんだ。許さない。絶対許さない。

 リカルド様とジェットからは冷気が漏れ出して凍りつきそうだ。

 ふたりともかなり怒っている。

「しゃむいよ」

 フィオナの言葉に我に帰ったようだ。空気は少し暖かくなった。

「フィオナすまない」

 リカルド様はフィオナを抱き上げ頭を撫でている。

 マティーアス殿下も王女様もフィオナくらいの時にはもう迫害されていたのだ。
 こんな子供に鞭打つなんて人間じゃない。

 また怒りがぶり返してきた。

「ミディア、粒子が集まってきた。そろそろ戻ってくる」

 リカルド様が怒り心頭状態になっている私の肩を叩く。


 私の目の前にリュカと小さな女の子が姿をあらわした。

 えっ?

 マティーアス殿下が6歳ならそれ以上の年齢のはず、小さいし細い。私は涙が溢れてきた。

 気がついたらリュカからその子を取り上げて抱きしめていた。

 王女はリュカの魔法で眠らされているようだった。

 すぐにメグ先生に診てもらう。

 かなりの栄養失調身体にも鞭の傷や打ち身などがあった。

 すぐにジェットに回復魔法をかけてもらう。

 栄養が足りないため、成長が遅く、8歳なのに5歳児くらいの大きさしかないらしい。

 栄養士のリュープリンさんに王女専用のメニューを考えてもらおう。

「見た目の怪我やや内臓は治しましたが、心までは治し切れてません。父上、ママ、兄上、お願いします」

「わかった。マティーアス殿下と共に我が子同様に大事にするよ」

 リカルド様が言う。

「これからうっとおしがられるくらい愛するわ。みんなでそうしましょう」

 私はこの子たちをいっぱい愛することにした。

 子供は無条件にみんなから愛される存在なんだ。

 フェノバール領はみんなで子供を愛して育てる。

 この子たちも幸せになる権利があるんだ。

 親に子供の幸せになる権利を奪われてはならない。

 私は拳を握りしめた。


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