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【閑話】ジェットの独り言(ジェット視点)
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*ジェットの独り言&プチ解説です♪
どうやらそろそろ兄上は過去世の記憶を少しづつ取り戻しそうだな。
兄上に転生した初代国王は壮絶な一生だったんだ。血で血を洗うような日々を送り、初代国王はこの国を造ったんだよ。
この国はそんな大変な思いをして造られたのに、今の貴族たちの堕落ぶりを見て、初代国王や神様はこんなつもりでこの国を作ったのではないと怒り、ボク達をここに遣わしたのさ。
兄上はチカラは与えられていたが記憶は封印されていた。
まぁ、神様も全てを思い出させるつもりはないだろう。辛いもんね。
あとでこっそり回復魔法で癒しておこう。
初代国王が国を造る時にたくさんの血が流れた。
あの頃は兄弟、家族、一族での後継者争い。強いものが生き残るそんな時代だった。
初代国王はそれを嫌悪し、その枠から外れ、新しい国を造ろうとした。
しかし、それに脅威を感じた者たちは初代国王を亡き者にしようと企てたんだ。
初代国王はただ愛する妻や子供、愛する民と静かに幸せに暮らしたかっただけなのに、まわりは放っておいてはくれなかった。
そして送り込まれた暗殺者から初代国王を庇って妻が代わりに刺されて殺された。
怒りが頂点に達し、我を忘れた初代国王は全ての王族や貴族の存在を消してしまった。
残ったのは民とこの国だけだった。
国王の号令のもと、今までの重い税や貴族の弾圧から解放された民たちは皆で力を合わせて国を一緒に造った。
それなのに、その者たちの子孫は自分たちの先祖を苦しめた貴族となんら変わらないことをしているんだよね。
このままではこの国はダメになる。
有能な大ばぁばは身体を壊して一線を退いた。
そしてその後を継いだ無能なじぃじは隙だらけだ。
悪意を持つ者につけいられ、まともだった父上は失脚した。
なんとか大ばぁばとばぁば、宰相率いる暗部の者たちが犯人を突き止め、斬罪したけれどもう、この国に明るい未来はなかった。
神様は動きだした。
それでボクたちが送り込まれてきた訳。
ママは神様にボクたちの母親になるようにスカウトされた。ママの持つ暖かいエネルギーが神様の目に止まった。
その頃のママは父上と結婚し、領地の為に動いていたんだ。
神様の作りたい国とママのやりたいことが合致したのだろう。
父上は初代国王の直系でボクたちと念話をするチカラがあるし、真面目で真っ直ぐな人だったのも幸いした。
ボクら4人はフェノバール領に集まった。
まずはフェノバール領を小さな国に見立て、父上を中心に試行錯誤した。フェノバール領は見事に息を吹き返した。
そろそろ国を改革する時が来たのだろう。
今の国は大ばぉばを中心に動いている。高齢の大ばぁばが病気を克服して復活し、先頭で走らせてるのはこんな国にした罰のようだ。神様もなかなかキツいことをするな。
兄上の妻が誰に転生したのかボクもまだ知らない。
今度は年を取るまで一緒にいさせてあげたいな。
ボクたちも守るし、リーゼもいるからきっと大丈夫だ。
ボクの結婚? ボクは今世は結婚しない。
次の国王を支える為に遣わされているからね。
ボクとシャルはただ働くのみなんだ。
兄上は前世で思い残してるから成就させてあげたいと神様も思っているようだよ。
リーゼ? リーゼはボクたちがフォローしなくても自分でガンガン行くだろう。だからボクたちは見てるだけさ。
フィオナ? フィオナはね……。
フィオナのことはまた今度話すよ。フィオナはボクたちの輝ける星なのさ。
じゃあ、そろそろ行くね。こう見えてボクは結構忙しいんだよ。
今我が家で暇なのはフィオナくらいじゃないかな。
フェノバール家は平和なんだけど、みんな忙しいんだ。みんなが暇になる世の中になるといいなぁ。
じゃあまたね。
どうやらそろそろ兄上は過去世の記憶を少しづつ取り戻しそうだな。
兄上に転生した初代国王は壮絶な一生だったんだ。血で血を洗うような日々を送り、初代国王はこの国を造ったんだよ。
この国はそんな大変な思いをして造られたのに、今の貴族たちの堕落ぶりを見て、初代国王や神様はこんなつもりでこの国を作ったのではないと怒り、ボク達をここに遣わしたのさ。
兄上はチカラは与えられていたが記憶は封印されていた。
まぁ、神様も全てを思い出させるつもりはないだろう。辛いもんね。
あとでこっそり回復魔法で癒しておこう。
初代国王が国を造る時にたくさんの血が流れた。
あの頃は兄弟、家族、一族での後継者争い。強いものが生き残るそんな時代だった。
初代国王はそれを嫌悪し、その枠から外れ、新しい国を造ろうとした。
しかし、それに脅威を感じた者たちは初代国王を亡き者にしようと企てたんだ。
初代国王はただ愛する妻や子供、愛する民と静かに幸せに暮らしたかっただけなのに、まわりは放っておいてはくれなかった。
そして送り込まれた暗殺者から初代国王を庇って妻が代わりに刺されて殺された。
怒りが頂点に達し、我を忘れた初代国王は全ての王族や貴族の存在を消してしまった。
残ったのは民とこの国だけだった。
国王の号令のもと、今までの重い税や貴族の弾圧から解放された民たちは皆で力を合わせて国を一緒に造った。
それなのに、その者たちの子孫は自分たちの先祖を苦しめた貴族となんら変わらないことをしているんだよね。
このままではこの国はダメになる。
有能な大ばぁばは身体を壊して一線を退いた。
そしてその後を継いだ無能なじぃじは隙だらけだ。
悪意を持つ者につけいられ、まともだった父上は失脚した。
なんとか大ばぁばとばぁば、宰相率いる暗部の者たちが犯人を突き止め、斬罪したけれどもう、この国に明るい未来はなかった。
神様は動きだした。
それでボクたちが送り込まれてきた訳。
ママは神様にボクたちの母親になるようにスカウトされた。ママの持つ暖かいエネルギーが神様の目に止まった。
その頃のママは父上と結婚し、領地の為に動いていたんだ。
神様の作りたい国とママのやりたいことが合致したのだろう。
父上は初代国王の直系でボクたちと念話をするチカラがあるし、真面目で真っ直ぐな人だったのも幸いした。
ボクら4人はフェノバール領に集まった。
まずはフェノバール領を小さな国に見立て、父上を中心に試行錯誤した。フェノバール領は見事に息を吹き返した。
そろそろ国を改革する時が来たのだろう。
今の国は大ばぉばを中心に動いている。高齢の大ばぁばが病気を克服して復活し、先頭で走らせてるのはこんな国にした罰のようだ。神様もなかなかキツいことをするな。
兄上の妻が誰に転生したのかボクもまだ知らない。
今度は年を取るまで一緒にいさせてあげたいな。
ボクたちも守るし、リーゼもいるからきっと大丈夫だ。
ボクの結婚? ボクは今世は結婚しない。
次の国王を支える為に遣わされているからね。
ボクとシャルはただ働くのみなんだ。
兄上は前世で思い残してるから成就させてあげたいと神様も思っているようだよ。
リーゼ? リーゼはボクたちがフォローしなくても自分でガンガン行くだろう。だからボクたちは見てるだけさ。
フィオナ? フィオナはね……。
フィオナのことはまた今度話すよ。フィオナはボクたちの輝ける星なのさ。
じゃあ、そろそろ行くね。こう見えてボクは結構忙しいんだよ。
今我が家で暇なのはフィオナくらいじゃないかな。
フェノバール家は平和なんだけど、みんな忙しいんだ。みんなが暇になる世の中になるといいなぁ。
じゃあまたね。
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