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誘拐
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安定期に入ると悪阻は嘘のように消えて体調も良くなった。
リュカの時と比べると今回の悪阻は楽だった。やはり子供ひとりひとり違うんだなぁと思う。
さすがに鍛錬は無理だけど、東国で流行っているヨガというのを取り入れてやってみたり、スクワットをやったりしている。でもいちばんはやっぱり散歩かな。
今日はリュカとメアリーと一緒に領地内を歩く、領地の人たちはみんな顔見知りなので何かあっても安心だ。まぁ、何もないけどね。
「あの~、道に迷ったので教えてほしいのですが」
地図を手に持った男女が私たちに聞いてきた。
「いいですよ。どこですか?」
地図を覗き込んだ私は背中に熱い痛みを感じ、その場に倒れた。
「あなたが悪いのよ。あなたのせいで……」
遠くでそんな言葉が聞こえたような気がした。
ーメアリー視点―
ミディア様とリュカ様と3人で領地を散歩していた。
領地では会う人たちが声をかけてくれる。ランドセン領も楽しかったが、ミディア様についてフェノバール領にきてよかった。
リュカ様が生まれてからは、子供ができなくて離縁された私に子供ができたようで毎日が本当に楽しい。そのうち温泉にも入れるようでそれも楽しみだ。
あれ? あんな人たち見たことない。
「ミディア様、あの人たちなんでしょうね?」
「領民じゃないわね。旅の人が寄るような領地じゃないし。何だろうね?」
ミディア様も首をかしげている。
「あの~、道に迷ったので教えてほしいのですが」
地図を手に持った男女が私たちに聞いてきた。
「いいですよ。どこですか?」
ミディア様がそう言ったのと同時に私は後ろから口に布のようなものを当てられ目の前が真っ白になった。
ーリュカ視点―
こいつらなんだ。
この二人はママを刺し、ボクとメアリーを攫った。メアリーは薬物のようなものを嗅がされ意識を失っている。
とりあえず身体にダメージが残らないように保護回復魔法をかけておこう。
連れ去られる時に周りによく聞こえるように大きな声で泣き喚き、近くにいた領民が走ってくる姿が見えたので念話で領民に「ママを助けて。チャーリー先生に知らせて」と言っておいた。
領民にママは人気があるからちゃんと知らせてくれるだろう。
念のためにチャーリー先生にも念話をとばしておこう。
パパにも念話で今起きたことを映像を見せながら話した。
パパはものすごくショックを受けていた。
「ママを守れなくてごめん」と言ったら、「お前は悪くない。あとは任せておけ」と言っていた。
普段の優しいパパとは全く違う怖い感じだったな。
ママのお腹の中にいるボクの弟にはお腹の中から回復魔法をかけてママの出血を止めて傷が化膿しないようにしておけと言った。弟は強い聖属性魔法を使える。男だけど聖女みたいなもんだ。
そのまま回復魔法で何もなかったようにしてもよかったが、ママが傷つけられたと言う証拠が必要だ。
きっと先生があとから回復魔法をかけ、傷は残らないだろう。もちろんお腹の中の弟にはなんのダメージもない。
ママに精神的なトラウマが残らないかが心配だけど、ママなら大丈夫だろう。お腹の中から弟にもフォローさせよう。
ボクがもう少し大きければあんな奴らにママを傷つけさせなかったのに、まだ1歳にもなっていない、歩くこともままならないボクにはママを守れなかった。
察知できなかった。まだまだ未熟だな。
とにかく応急処置は弟にさせたし、パパに知らせたので、ママは大丈夫だろう。
また、パパの過保護具合がひどくなるだろうけど、無防備なママにはそれくらいでいい。
さて、こいつらをどうしようかな?
何の目的でママを傷つけ、ボクとメアリーを誘拐したのだろう?
しかし、パパは怒り狂っていたなぁ。こいつらがどんな目にあうかちょっと楽しみだな。
まぁ、パパが来る前にボクも楽しませてもらおう。
リュカの時と比べると今回の悪阻は楽だった。やはり子供ひとりひとり違うんだなぁと思う。
さすがに鍛錬は無理だけど、東国で流行っているヨガというのを取り入れてやってみたり、スクワットをやったりしている。でもいちばんはやっぱり散歩かな。
今日はリュカとメアリーと一緒に領地内を歩く、領地の人たちはみんな顔見知りなので何かあっても安心だ。まぁ、何もないけどね。
「あの~、道に迷ったので教えてほしいのですが」
地図を手に持った男女が私たちに聞いてきた。
「いいですよ。どこですか?」
地図を覗き込んだ私は背中に熱い痛みを感じ、その場に倒れた。
「あなたが悪いのよ。あなたのせいで……」
遠くでそんな言葉が聞こえたような気がした。
ーメアリー視点―
ミディア様とリュカ様と3人で領地を散歩していた。
領地では会う人たちが声をかけてくれる。ランドセン領も楽しかったが、ミディア様についてフェノバール領にきてよかった。
リュカ様が生まれてからは、子供ができなくて離縁された私に子供ができたようで毎日が本当に楽しい。そのうち温泉にも入れるようでそれも楽しみだ。
あれ? あんな人たち見たことない。
「ミディア様、あの人たちなんでしょうね?」
「領民じゃないわね。旅の人が寄るような領地じゃないし。何だろうね?」
ミディア様も首をかしげている。
「あの~、道に迷ったので教えてほしいのですが」
地図を手に持った男女が私たちに聞いてきた。
「いいですよ。どこですか?」
ミディア様がそう言ったのと同時に私は後ろから口に布のようなものを当てられ目の前が真っ白になった。
ーリュカ視点―
こいつらなんだ。
この二人はママを刺し、ボクとメアリーを攫った。メアリーは薬物のようなものを嗅がされ意識を失っている。
とりあえず身体にダメージが残らないように保護回復魔法をかけておこう。
連れ去られる時に周りによく聞こえるように大きな声で泣き喚き、近くにいた領民が走ってくる姿が見えたので念話で領民に「ママを助けて。チャーリー先生に知らせて」と言っておいた。
領民にママは人気があるからちゃんと知らせてくれるだろう。
念のためにチャーリー先生にも念話をとばしておこう。
パパにも念話で今起きたことを映像を見せながら話した。
パパはものすごくショックを受けていた。
「ママを守れなくてごめん」と言ったら、「お前は悪くない。あとは任せておけ」と言っていた。
普段の優しいパパとは全く違う怖い感じだったな。
ママのお腹の中にいるボクの弟にはお腹の中から回復魔法をかけてママの出血を止めて傷が化膿しないようにしておけと言った。弟は強い聖属性魔法を使える。男だけど聖女みたいなもんだ。
そのまま回復魔法で何もなかったようにしてもよかったが、ママが傷つけられたと言う証拠が必要だ。
きっと先生があとから回復魔法をかけ、傷は残らないだろう。もちろんお腹の中の弟にはなんのダメージもない。
ママに精神的なトラウマが残らないかが心配だけど、ママなら大丈夫だろう。お腹の中から弟にもフォローさせよう。
ボクがもう少し大きければあんな奴らにママを傷つけさせなかったのに、まだ1歳にもなっていない、歩くこともままならないボクにはママを守れなかった。
察知できなかった。まだまだ未熟だな。
とにかく応急処置は弟にさせたし、パパに知らせたので、ママは大丈夫だろう。
また、パパの過保護具合がひどくなるだろうけど、無防備なママにはそれくらいでいい。
さて、こいつらをどうしようかな?
何の目的でママを傷つけ、ボクとメアリーを誘拐したのだろう?
しかし、パパは怒り狂っていたなぁ。こいつらがどんな目にあうかちょっと楽しみだな。
まぁ、パパが来る前にボクも楽しませてもらおう。
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