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妹というもの
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「お帰りなさい、お兄ちゃん!グラニはミク山先生のとこいって!」
きゃうん!きゃうん!
俺の背中から引き剥がされて、ポーイ!と勢いよく放られた。
きゃいーーーん!
悲しそうなグラニの声が聞こえて来たけど、まあ大丈夫だろう。
「はーただいま」
「お帰り、お兄ちゃん……これで旅はお終いです。魂もだいぶ綺麗になったし、もう大丈夫。人として転生しても普通の人生を送れるよ」
「あー良いね、普通の人生。……時の精霊と送る普通の人生ってどんなんだ?てか、ジェリフって人生なの?精霊生?」
妹は一瞬きょとんとしてから、寂しそうに笑った。
「もう良いの。お兄ちゃんの魂は浄化されて罪は償われたから、ゲームみたいなあんな生き方はもうしなくて良いのよ。自分の人生を生きて欲しいの」
「はあ?何言ってんだ?俺、知ってんだぞ!クリア後にあるんだろ!?トゥルーエンドの2周目があるってことくらい!」
「だ、だからもう良いんだって」
焦って隠してるだろ?!ハーレムエンドとか!グロいのとか!もう口では言えないすんごいのとか!!
「いや、しかしグロいのはやだな?ハーレムってなると俺が一人で……え?!辛くねぇ?毎日取っ替え引っ替えやられるの?!」
「もうBLしなくて良いんだってば!いや確かにハーレムエンドは見たいけど。大丈夫、その時は絶倫つけて……違う違う!!」
本音がでやがったな!このR18神様め!
「うーん。しかしやっぱり複数とは……」
「馬鹿兄っ!それが良いんじゃないのよっ!アルトゥスのお尻は完全無欠のやおいファンタジック穴!結腸責めも気持ち良くてぶっ飛び特別仕様!」
「あ、あれ……凄かったな……」
あ、やばい。思い出してもきゅんってなるぜ……うおおお?!俺、やばいやばい!しっかりしろ俺!グラニとやりたいとか思ってんじゃねーし?!
「でしょう!でしょう!化け物グラニとミラクルマジカル大結合もあるよ!……じゃないし?!」
「ミラクルマジカル大結合って何?!死ぬじゃねーか!」
「アルトゥスなら!大 丈 夫!」
「いや、無理!普通に無理!!」
「そして王子様は血塗れの尻のお姫様を見て正気に戻るのです……」
「お前の頭が正気じゃ無いね?!」
ふ、妹よ。調子取り戻したな?
「血塗れの尻は勘弁してくれ。ジェリフと冒険者したいから、なんかそんな感じの所にしてくれ」
俺から注文つけるの初めてかもな。
「だ、だから!だからもう良いんだって!お兄ちゃんは普通の輪廻の輪に戻って良いの!もう、私達と関わらない普通の、普通の人間として生きて!」
「馬鹿だな、俺は死んでもお前の兄貴だぞ?泣いてる妹を一人で置いていけるかよ」
泣いてんじゃねーよ、妹め。
「だって……」
「寂しいんだろ?俺が居なくなったら。仕方がねぇ妹だな?鼻水はどうした?グラニ並みに垂らして良いんだぞ?」
乙女に向かって何言ってんのよ!!ふはは!その方がお前らしいぞ、妹よ。
「泣くな、俺がいてやるから。お前の趣味に付き合ってやる。どうだ?素晴らしい兄ちゃんだろう?」
兄なんて生き物は結局妹ってやつに甘いんだよ。
「に、兄ちゃーん!アルトゥス兄ちゃーん!」
「俺はアルトゥスじゃねぇ!有人だ!」
知ってた。俺の本名もじったろ。呼ばれる度に馴染みが良いなってずっと思ってたんだよな。
「良いか?!化け物グラニと大結合だけはやめろよ!?」
「分かったよぉ……ジェリフとセックス依存症に……」
「やめぇい!!普通に旅させて?!」
「男の汁を体に取り込まないと……ああ!アルトゥスはどうなってしまうんでしょう?!」
「どうも!どうもならないからーーあーーーっ?!?!」
ドン!また妹が突き落とした!こら!涙はどこ行った?!もう少し兄に感謝してしんみりしやがれ!!
「ありがとう、お兄ちゃん。ずっと一緒にいてね。私が立派な神様になる時まで」
「今言うーーーーー?!」
風を切って落ちながら、涙で笑顔の妹を見送った。しょうがない妹だな!全く。
兄の尻を描くわ、男と絡ませるわ。だけど優しくて家族思い。仕方がない、今回も頑張るか!
そして俺は地上につき、またアルトゥスとして目覚める。今度のアルトゥスはどこで何をしてどんな男と愛し合うのかはまだ分からない。
確実にわかっているのは愛し合う相手が男って事だけだ。
今後長きに渡って、神の御使アルトゥスは地上に降り続けるのだった。
おしまい!
きゃうん!きゃうん!
俺の背中から引き剥がされて、ポーイ!と勢いよく放られた。
きゃいーーーん!
悲しそうなグラニの声が聞こえて来たけど、まあ大丈夫だろう。
「はーただいま」
「お帰り、お兄ちゃん……これで旅はお終いです。魂もだいぶ綺麗になったし、もう大丈夫。人として転生しても普通の人生を送れるよ」
「あー良いね、普通の人生。……時の精霊と送る普通の人生ってどんなんだ?てか、ジェリフって人生なの?精霊生?」
妹は一瞬きょとんとしてから、寂しそうに笑った。
「もう良いの。お兄ちゃんの魂は浄化されて罪は償われたから、ゲームみたいなあんな生き方はもうしなくて良いのよ。自分の人生を生きて欲しいの」
「はあ?何言ってんだ?俺、知ってんだぞ!クリア後にあるんだろ!?トゥルーエンドの2周目があるってことくらい!」
「だ、だからもう良いんだって」
焦って隠してるだろ?!ハーレムエンドとか!グロいのとか!もう口では言えないすんごいのとか!!
「いや、しかしグロいのはやだな?ハーレムってなると俺が一人で……え?!辛くねぇ?毎日取っ替え引っ替えやられるの?!」
「もうBLしなくて良いんだってば!いや確かにハーレムエンドは見たいけど。大丈夫、その時は絶倫つけて……違う違う!!」
本音がでやがったな!このR18神様め!
「うーん。しかしやっぱり複数とは……」
「馬鹿兄っ!それが良いんじゃないのよっ!アルトゥスのお尻は完全無欠のやおいファンタジック穴!結腸責めも気持ち良くてぶっ飛び特別仕様!」
「あ、あれ……凄かったな……」
あ、やばい。思い出してもきゅんってなるぜ……うおおお?!俺、やばいやばい!しっかりしろ俺!グラニとやりたいとか思ってんじゃねーし?!
「でしょう!でしょう!化け物グラニとミラクルマジカル大結合もあるよ!……じゃないし?!」
「ミラクルマジカル大結合って何?!死ぬじゃねーか!」
「アルトゥスなら!大 丈 夫!」
「いや、無理!普通に無理!!」
「そして王子様は血塗れの尻のお姫様を見て正気に戻るのです……」
「お前の頭が正気じゃ無いね?!」
ふ、妹よ。調子取り戻したな?
「血塗れの尻は勘弁してくれ。ジェリフと冒険者したいから、なんかそんな感じの所にしてくれ」
俺から注文つけるの初めてかもな。
「だ、だから!だからもう良いんだって!お兄ちゃんは普通の輪廻の輪に戻って良いの!もう、私達と関わらない普通の、普通の人間として生きて!」
「馬鹿だな、俺は死んでもお前の兄貴だぞ?泣いてる妹を一人で置いていけるかよ」
泣いてんじゃねーよ、妹め。
「だって……」
「寂しいんだろ?俺が居なくなったら。仕方がねぇ妹だな?鼻水はどうした?グラニ並みに垂らして良いんだぞ?」
乙女に向かって何言ってんのよ!!ふはは!その方がお前らしいぞ、妹よ。
「泣くな、俺がいてやるから。お前の趣味に付き合ってやる。どうだ?素晴らしい兄ちゃんだろう?」
兄なんて生き物は結局妹ってやつに甘いんだよ。
「に、兄ちゃーん!アルトゥス兄ちゃーん!」
「俺はアルトゥスじゃねぇ!有人だ!」
知ってた。俺の本名もじったろ。呼ばれる度に馴染みが良いなってずっと思ってたんだよな。
「良いか?!化け物グラニと大結合だけはやめろよ!?」
「分かったよぉ……ジェリフとセックス依存症に……」
「やめぇい!!普通に旅させて?!」
「男の汁を体に取り込まないと……ああ!アルトゥスはどうなってしまうんでしょう?!」
「どうも!どうもならないからーーあーーーっ?!?!」
ドン!また妹が突き落とした!こら!涙はどこ行った?!もう少し兄に感謝してしんみりしやがれ!!
「ありがとう、お兄ちゃん。ずっと一緒にいてね。私が立派な神様になる時まで」
「今言うーーーーー?!」
風を切って落ちながら、涙で笑顔の妹を見送った。しょうがない妹だな!全く。
兄の尻を描くわ、男と絡ませるわ。だけど優しくて家族思い。仕方がない、今回も頑張るか!
そして俺は地上につき、またアルトゥスとして目覚める。今度のアルトゥスはどこで何をしてどんな男と愛し合うのかはまだ分からない。
確実にわかっているのは愛し合う相手が男って事だけだ。
今後長きに渡って、神の御使アルトゥスは地上に降り続けるのだった。
おしまい!
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