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あっ! バッドエンドだ!
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目を開けると、同じ場所だった!知っている。これは……
「せ、戦争が始まってる!」
ドーンドーンと魔法が炸裂し、建物が壊れる音、あちこちから立ち昇る煙。泣き叫ぶ人の声……。怖い、2回目だろうと怖い!なんてところに落としてくれたんだ!
「ティセルの治療院に、注意してゆっくりと!」
ゆっくり、隠れながら移動していたのに失敗した。
「町の奴がいるぞ!捕まえろ!」
「えっ!うわあああっ」
俺は武装した兵士に囲まれてしまった!またかよ!
「小僧か」「いや、そうでもないな」「どうする……?」「へへ、こいつ一人で逃げ遅れたんだ」
「ヤっちまうか」
「ひ!」
やばい逃げなくちゃ!周りをキョロキョロ見回しても誰もいない。レオナルドが近くにいるはずなのに、見当たらないんだ!
「大人しくしてりゃ殺しはしねえぜ……」「へっへっへ、可愛がってやるからな……」
「や、やめて……やめてください……」
服を切り裂かれ、のしかかられる寸前、俺は一瞬悩んでしまった。今、ここで助けを呼べばレオナルドが助けてくれるだろう。でもそうすると、あの斬られたり殴られたりするルートにまた入ってしまうのでないか?そ、それは嫌だな……と。
《お兄ちゃん!何やってるの!!早く助けを呼ばないと!あっ!!》
「え?や、痛ぁーっむぐっ!」
「大声上げんなよぉ?良い子だからなぁ?」
「ううーーっ!!」
口に何か丸めた布のような物を押し込まれ、俺の上げる声はくぐもって何も聞こえなくなってしまう。
「おらぁ!いい声で啼けよぉ!」
「んんーーーっーー!!」
無理矢理、突っ込まれた。痛い、痛い!痛いなんてもんじゃない!
「んぐぅ!ぐぁっ」
すると、俺に突っ込んだ兵士が……
「な、なんだぁ?レ、レベルが?!」
「どうなってるんだ?!」
「うー、うー……」
俺の尻はとんでもない者を生み出してしまった。
「あ……」
俺は飼われている。首には鎖がついていてどこにも行けない。足がおかしな方向に曲がったまま、動かなくなっていた。
「さあ!俺たちの女神様アルトゥスちゃんよぉ!今日はこいつにお恵みを授けてやってくれよぉ?」
「い、嫌だ……」
俺はベッドの上で緩く首を振ることしかできないんだ。
「本当にあのガキを犯せば強くなるのか?」
「それは保証してやる。さ、ヤってこい。ブチ込んでやれば調教された穴だ。悦んで咥えるしなかなか具合が良いんだぜ。俺たちも毎日使ってるからな、みろよもうレベルなんぞ700越えてるぞ」
「ほう?それは試させて貰うか!」
「ああ、良いぜ。金は貰ってるからなぁ」
気持ちの悪い男達の会話。逃げ出したくてもじゃらりと重苦しい音を立てる鎖。
「嫌だ、嫌だ!来るなぁ!」
「まあ、よく見りゃ可愛い顔をしてるじゃねぇか。おら!大人しくしろ!」
「殴ったりすんなよ?大事な女神様なんだからよぉー」
脂ぎった男にのし掛かられ、俺はそれきり正気を手放した。
今日も俺の体は誰かに抱かれている。そして俺を抱いた男はレベルが上がり、満足して去って行く。
世話係の少年が、焦点を失った俺の顔を拭いている。
あの時の6人組のリーダーがこの辺一帯の王らしい。王と言っても威張る事と、略奪する事しか出来ない野盗となんら変わらない。
しかし、レベルの高さで全てを圧倒してしまうんだ。
あいつらは毎晩俺の体を使う。だから毎晩レベルがあがり、誰もあいつらに勝てない。俺のせいなのか?この世界がぐちゃぐちゃになったのは。
俺の世話係の少年が、ナイフを握っている。良いぞ、そうだ。
「すみません、あなたがいる限りこの世は正されない」
一思いに俺の心臓を突き刺した。ああ良かった、殺してくれた。これでもう馬鹿みたいに強い連中は増えないだろう。あとは仲間割れでもして消えて欲しい。
バッドエンド 1回目
「……しばらくそっとしておいてくれ」
「うん……」
背中を丸めて蹲っていたけれど、ある程度したら、また落とされた!
妹!容赦ねーんだけど?!
「せ、戦争が始まってる!」
ドーンドーンと魔法が炸裂し、建物が壊れる音、あちこちから立ち昇る煙。泣き叫ぶ人の声……。怖い、2回目だろうと怖い!なんてところに落としてくれたんだ!
「ティセルの治療院に、注意してゆっくりと!」
ゆっくり、隠れながら移動していたのに失敗した。
「町の奴がいるぞ!捕まえろ!」
「えっ!うわあああっ」
俺は武装した兵士に囲まれてしまった!またかよ!
「小僧か」「いや、そうでもないな」「どうする……?」「へへ、こいつ一人で逃げ遅れたんだ」
「ヤっちまうか」
「ひ!」
やばい逃げなくちゃ!周りをキョロキョロ見回しても誰もいない。レオナルドが近くにいるはずなのに、見当たらないんだ!
「大人しくしてりゃ殺しはしねえぜ……」「へっへっへ、可愛がってやるからな……」
「や、やめて……やめてください……」
服を切り裂かれ、のしかかられる寸前、俺は一瞬悩んでしまった。今、ここで助けを呼べばレオナルドが助けてくれるだろう。でもそうすると、あの斬られたり殴られたりするルートにまた入ってしまうのでないか?そ、それは嫌だな……と。
《お兄ちゃん!何やってるの!!早く助けを呼ばないと!あっ!!》
「え?や、痛ぁーっむぐっ!」
「大声上げんなよぉ?良い子だからなぁ?」
「ううーーっ!!」
口に何か丸めた布のような物を押し込まれ、俺の上げる声はくぐもって何も聞こえなくなってしまう。
「おらぁ!いい声で啼けよぉ!」
「んんーーーっーー!!」
無理矢理、突っ込まれた。痛い、痛い!痛いなんてもんじゃない!
「んぐぅ!ぐぁっ」
すると、俺に突っ込んだ兵士が……
「な、なんだぁ?レ、レベルが?!」
「どうなってるんだ?!」
「うー、うー……」
俺の尻はとんでもない者を生み出してしまった。
「あ……」
俺は飼われている。首には鎖がついていてどこにも行けない。足がおかしな方向に曲がったまま、動かなくなっていた。
「さあ!俺たちの女神様アルトゥスちゃんよぉ!今日はこいつにお恵みを授けてやってくれよぉ?」
「い、嫌だ……」
俺はベッドの上で緩く首を振ることしかできないんだ。
「本当にあのガキを犯せば強くなるのか?」
「それは保証してやる。さ、ヤってこい。ブチ込んでやれば調教された穴だ。悦んで咥えるしなかなか具合が良いんだぜ。俺たちも毎日使ってるからな、みろよもうレベルなんぞ700越えてるぞ」
「ほう?それは試させて貰うか!」
「ああ、良いぜ。金は貰ってるからなぁ」
気持ちの悪い男達の会話。逃げ出したくてもじゃらりと重苦しい音を立てる鎖。
「嫌だ、嫌だ!来るなぁ!」
「まあ、よく見りゃ可愛い顔をしてるじゃねぇか。おら!大人しくしろ!」
「殴ったりすんなよ?大事な女神様なんだからよぉー」
脂ぎった男にのし掛かられ、俺はそれきり正気を手放した。
今日も俺の体は誰かに抱かれている。そして俺を抱いた男はレベルが上がり、満足して去って行く。
世話係の少年が、焦点を失った俺の顔を拭いている。
あの時の6人組のリーダーがこの辺一帯の王らしい。王と言っても威張る事と、略奪する事しか出来ない野盗となんら変わらない。
しかし、レベルの高さで全てを圧倒してしまうんだ。
あいつらは毎晩俺の体を使う。だから毎晩レベルがあがり、誰もあいつらに勝てない。俺のせいなのか?この世界がぐちゃぐちゃになったのは。
俺の世話係の少年が、ナイフを握っている。良いぞ、そうだ。
「すみません、あなたがいる限りこの世は正されない」
一思いに俺の心臓を突き刺した。ああ良かった、殺してくれた。これでもう馬鹿みたいに強い連中は増えないだろう。あとは仲間割れでもして消えて欲しい。
バッドエンド 1回目
「……しばらくそっとしておいてくれ」
「うん……」
背中を丸めて蹲っていたけれど、ある程度したら、また落とされた!
妹!容赦ねーんだけど?!
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