上 下
75 / 75
猫になった

75 今夜も

しおりを挟む
 リック達を見送って王宮に戻ってくると、形だけスマホそっくりのスマホが着信音を鳴らした。画面にはソフィア君と名前が表示される。

「はい?どうしたの?」

「あー!本当に繋がったー!凄い凄い!」

 ソフィア君はおもちゃの電話からかけてくる。繋がるようにしたのはもちろん俺だけど。

「お母さんがユーリに聞きたい事あるんだって。はーいどうぞ?」

 ダリアさん?

「おい、ユーリ。早く新しいものを持ってこい。便利なのだからな?」

「え?」

 それだけで、ソフィア君に代わってしまった。

「お母さんねー最近お料理楽しいし、アイロン?も楽しいんだってーユーリのおかげ!でね?何か新しいの欲しいんだって?凄いよねー!あんまり物を欲しがらないお母さんが何かほしいっていうの!だから、ユーリ何か持って来てーお願いっ」

 可愛いソフィア君のお願いなら聞いてあげたくなっちゃう!何が良いかなぁ?最近流行りのトースターとか良いかなぁ?
 あ、やっぱりコードレスクリーナーかな?絶対好きそう!そのうち持っていかなきゃ。そのついでにキラルとミュニィの様子も見てこよう。
 文句は言われなかったから、きちんと生活できているんだろう。
 電話を終わらせて、俺は色々ダリアさんに渡すものを考えていた。ほんとあの人のお母さんぶりはびっくりする。

「で、悠里。この法律本当にグランベルンでやるのか?」

「あーお願い」

「出来るものなのか?」

 オーグさんは首を捻っていたが、そんなのやってみなきゃ分からないでしょうに!

 しばらくして

「神獣働くべからず!」

 の法律を広めて貰う。もちろんオーグさんみたいにすぐに辞められない人もいるけれど

「猫に仕事させようとする方が間違っているんだ」

 と、言う俺の主張は間違っていないはず。

「それもそうだな」

 と、大体受け入れて貰った。この考えはどんどん広がっていくだろう。国内に神獣が居るから、とか神獣で代理戦争をみたいなのもやめてくれりゃ良いんだけど。

 そしてこの「神獣働くべからず」はどんどん広がって、俺の名前は「もっとも偉大な猫の魔術師マジシャン」として後世まで伝わる事になる……なんて事は勿論知る由もない。



「や、やめ、やめてぇ……っあうぅ」

 うなじを噛まれた。何度されても怖くて怖くて身がすくむ。

「うぅぅ……許してぇ……」

 体の力が抜けて、耳も尻尾も垂れ下がり、抵抗出来なくなる。

「ふふ、本当に悠里は可愛いね」

「ひぃん……」

 ゴロリと仰向けにひっくり返され、まだ強ばる足を開かれる。

「や、やだぁ……」

 慌てて足を閉じようとするが、もうオーグさんの体が邪魔で閉じられない。

「悠里のココは嫌がってないよ?」

「やっ……」

 つん、と突かれただけなのに

「ひゃんっ!」

 ちゅるりと美味そうに飲み込んでしまった。あああ!やだ、どうなってるの?!俺の穴ぁっ!

「本当に可愛くていやらしい」

「あっ、あっ、あっ!やっ!」

 ずぬり、ずぬりと押し込まれる度に、おかしくなる。挿れられている感覚が凄くて、これからどうされるのか、どう気持ちよくなるのか知っている俺の体は歓喜に震えている。
 悦びに震える体が嫌で頭を振るが、もう緩くしか動かさない。

「あっ!」

 こつん、と奥までたどり着いて深く咥え込んだのが伝わる。

「ココ、好きでしょう?」

 ゆっくり、小さく何度も突かれ、体の温度が上がっていく気がする。

「やっ!やっ!だめぇ!駄目ぇ!」

 それ以上されるとおかしくなる!シーツを掴んで逃げ出すと、少し緩んでいた腕から抜け出せた。
 挿入っていたモノが一気に抜け出て、ビクッと震えた。

「いけない子だ」

 一瞬で足を掴まれ、引き戻される。そして狙い違わず、一気にずんっ!と突き入れられた。

「ひぃんっ!!」

 ああっ!目の前がパチパチして、星が飛ぶ。ナカの気持ちよくなる所に強い刺激を受けて、もう正気が飛びそうだ。

「いけない子にはお仕置きしないと?」

「やぁ……やめてぇ……」

 もう一度身を捻るが今度はしっかり足を掴まれていたし、前より深く咥え込まされているから、抜ける事はなかった。

「兄貴ぃまだぁ?」

「アウグストー後ろつかえてんだから、早く代わってー」

「そうだそうだー」

 ひ、嫌な順番待ちが出来ている。

「一応順位順になってんだからなー早くしろよー」

 ぴたーん!ぴたーんと睦月君が太い尻尾で床を叩く。う、嘘だろ?!なんで四人いっぺんなんだ?!

「や、無理ぃ!無理ぃ!!」

「だって、悠里さん最近やらしてくんないんだもん。しょうがないだろ?」

「そうだそうだ!いっぺんがヤなら毎日誰かと寝てよ!」

「そうだぞー悠里ぃー。わがままいうと怒っちゃうんだからねぇ?」 

 意味が!意味がわからない!!

「悠里、私とやりながら、ほかの男の事を考えるとは、悪い子だね?たくさんお仕置きしないとね?」

「ひぃ!」

 俺の上で肉食獣がにこりと剣呑な笑みを浮かべた。

「ゆ、許してぇ……」

 ああ、俺は今夜もきっと眠れない。





 猫魔術師殿は今夜も眠れない 終

しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(52件)

DiaboloXxX
2021.11.04 DiaboloXxX

最初は無理やりかーって可哀想に思いましたが、どんどんいちゃついてる雰囲気になってきておもしろかったです

最強なのは宰相さんやでぇヾ(゚д゚)ノ

解除
がねさん
2021.04.19 がねさん

終わっちゃった…。・゜・(ノД`)・゜・。


続編欲しいよぉ〜

ユーリー❤️
可愛がってもらってる所を見たいよぉ〜‼️

自由気ままな猫様達のあんな事こんな事がとても楽しくて(*≧∀≦*)

忘れた頃に気まぐれに更新が有れば嬉しいです❤️(猫だけに?)( ^ω^ )


お疲れ様でした‼️

鏑木 うりこ
2021.04.20 鏑木 うりこ

こんにちは!

 なんとか完結まで来ました~(*´ω`*)途中でエタりそうになるとこ数度、なんとか乗り越えました!
そうですね~気まぐれに更新できればやっていきたいですね!最後までお読みいただきありがとうございました!

解除
ユニバ
2021.04.18 ユニバ
ネタバレ含む
解除

あなたにおすすめの小説

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!

たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった! せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。 失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。 「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」 アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。 でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。 ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!? 完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ! ※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※ pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。 https://www.pixiv.net/artworks/105819552

新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。 そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。 その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。 あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。 あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 本編完結しました。 おまけのお話を更新したりします。

眠れぬ夜の召喚先は王子のベッドの中でした……抱き枕の俺は、今日も彼に愛されてます。

櫻坂 真紀
BL
眠れぬ夜、突然眩しい光に吸い込まれた俺。 次に目を開けたら、そこは誰かのベッドの上で……っていうか、男の腕の中!? 俺を抱き締めていた彼は、この国の王子だと名乗る。 そんな彼の願いは……俺に、夜の相手をして欲しい、というもので──? 【全10話で完結です。R18のお話には※を付けてます。】

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。