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49 再びでかい肉球と俺
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「わ!」
神の力、神聖な力の高まりを感じる。窓からこっそり外をみると、たくさんの神官が円になり、この屋敷を取り囲んで、何か唱えている。
「大規模浄化が始まったんだ!ノワール達も逃げた方が良くないか?!彷徨える魂に分類されると、強制的に上に行かされちまう。それなら自分で上がって行った方が幸せだろ?」
俺は問題ない。しかしマークやライラが心配だな。
……うん……でも、俺はまだセリカ様の所に行けない。だったら一人でも多くの魂を引っこ抜く!
もふもふした羊がずるり、と抜けて来た。
すまない!説明してる時間がないんだ。光で焼かれるより早く駆け上がるんだ!
メー!ジュードちゃん、ありがとう!お手伝いアライグマちゃん達も乗せるわ!
ありがとう!助かるよ!
沢山手伝ってくれたアライグマ達は俺が寝ている間も引っこ抜いた魂達を慰めたり、送るのを手伝ってくれていたらしい。
俺が起きた時、ほとんどの魂が上に送られていたのはこの子達のおかげだ。
ジュード!僕も行く。僕がいたらジュードが心配するもんな!僕はおこじょの赤ちゃんを持っていく!またな!
フェレットはモゾモゾと動き回っていた目も開いていない小さな魂を咥えて走り出す。ああ!次に会う時にはいっぱい遊ぼうな!
「ギリギリまで行くぞ!」
キィィィィーーー低いが高い金属音のような音が辺りを包み出す。力が満ち溢れて光のかべのような物が浮かび上がり始めた。
凄い力の奔流が辺りに渦を巻き始める。
「わわっ」
くそっ!
ノワールの顔が歪んでいるので有無を言わさず首根っこを捕まえて、服の中に押し込んだ。
やめろ!
俺にくっ付いてれば少しはマシかもしれないだろ!
そしてジュウジュウと溶け始める黒い泥の中から引っ張り出したのはでかいミツバチだった。
こ、昆虫!?だが襟巻きがもふもふだ!承認!早く飛んでけ!
ミツバチはこくんと頷いて真っ直ぐ上に飛んだ。
へび?!カエル?!トカゲ?!魚?!もう何でもいいや!!
手当たり次第掴み出しては投げ飛ばす。
そしてにゅるっと一際大きな肉球が目の前に現れたのだ!
「で、でかい!この前のライオンよりでかい!」
ノワールの声が聞こえる。
駄目だ!ジュード!駄目だ!ビャクは駄目だ!そいつは取り込まれている!
「え?」
俺が肉球に触るとしっとりぷにぷにの極上の肉球であると同時に声が聞こえて来た。
人の子、ジュード。私は無理だ、私は随分昔にこいつらに取り込まれてしまっている。魂の大半を食い尽くされているんだ。分離は不可能だろう。
私は捨てて他のもの達を助けて欲しい。
「はあ?!この肉球を捨てろって?!ふっざけんなよ!」
俺は力一杯ぷにぷにを引き寄せる。大きな虎の白いもふもふの手が引き出され、青い目の白い大虎が顔を出したが……両手と顔を以外は真っ黒の中に組み込まれていた。
「うわ……なに、あれ」
……この闇の大元だよ。
ノワールは苦々しくうめいた。
神の力、神聖な力の高まりを感じる。窓からこっそり外をみると、たくさんの神官が円になり、この屋敷を取り囲んで、何か唱えている。
「大規模浄化が始まったんだ!ノワール達も逃げた方が良くないか?!彷徨える魂に分類されると、強制的に上に行かされちまう。それなら自分で上がって行った方が幸せだろ?」
俺は問題ない。しかしマークやライラが心配だな。
……うん……でも、俺はまだセリカ様の所に行けない。だったら一人でも多くの魂を引っこ抜く!
もふもふした羊がずるり、と抜けて来た。
すまない!説明してる時間がないんだ。光で焼かれるより早く駆け上がるんだ!
メー!ジュードちゃん、ありがとう!お手伝いアライグマちゃん達も乗せるわ!
ありがとう!助かるよ!
沢山手伝ってくれたアライグマ達は俺が寝ている間も引っこ抜いた魂達を慰めたり、送るのを手伝ってくれていたらしい。
俺が起きた時、ほとんどの魂が上に送られていたのはこの子達のおかげだ。
ジュード!僕も行く。僕がいたらジュードが心配するもんな!僕はおこじょの赤ちゃんを持っていく!またな!
フェレットはモゾモゾと動き回っていた目も開いていない小さな魂を咥えて走り出す。ああ!次に会う時にはいっぱい遊ぼうな!
「ギリギリまで行くぞ!」
キィィィィーーー低いが高い金属音のような音が辺りを包み出す。力が満ち溢れて光のかべのような物が浮かび上がり始めた。
凄い力の奔流が辺りに渦を巻き始める。
「わわっ」
くそっ!
ノワールの顔が歪んでいるので有無を言わさず首根っこを捕まえて、服の中に押し込んだ。
やめろ!
俺にくっ付いてれば少しはマシかもしれないだろ!
そしてジュウジュウと溶け始める黒い泥の中から引っ張り出したのはでかいミツバチだった。
こ、昆虫!?だが襟巻きがもふもふだ!承認!早く飛んでけ!
ミツバチはこくんと頷いて真っ直ぐ上に飛んだ。
へび?!カエル?!トカゲ?!魚?!もう何でもいいや!!
手当たり次第掴み出しては投げ飛ばす。
そしてにゅるっと一際大きな肉球が目の前に現れたのだ!
「で、でかい!この前のライオンよりでかい!」
ノワールの声が聞こえる。
駄目だ!ジュード!駄目だ!ビャクは駄目だ!そいつは取り込まれている!
「え?」
俺が肉球に触るとしっとりぷにぷにの極上の肉球であると同時に声が聞こえて来た。
人の子、ジュード。私は無理だ、私は随分昔にこいつらに取り込まれてしまっている。魂の大半を食い尽くされているんだ。分離は不可能だろう。
私は捨てて他のもの達を助けて欲しい。
「はあ?!この肉球を捨てろって?!ふっざけんなよ!」
俺は力一杯ぷにぷにを引き寄せる。大きな虎の白いもふもふの手が引き出され、青い目の白い大虎が顔を出したが……両手と顔を以外は真っ黒の中に組み込まれていた。
「うわ……なに、あれ」
……この闇の大元だよ。
ノワールは苦々しくうめいた。
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