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47 どんどん引っこ抜き無双する俺
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「ふいー!」
ありがとう!ジュードちゃん!
真っ白い狐が飛んで行く。ほとんどの小さな魂は拾い上げた。今度は手を出せるくらいの中型の魂を引き出し始めた。
おい、ジュード。お前そろそろ寝ろ。
ノワール、まだやれるよ。まだ拾い残した子がいるかもしれないじゃないか。
お前が倒れたらどうすんだよ!
ノワールは変な事を言う。俺は首をかしげた。
ノワール。俺が倒れたらところで死ぬ訳じゃない。それにもし俺が死んだとしても、その前に魂を2個でも3個でも助けてやれば、大儲けじゃないか!
馬鹿か!ジュードが死んだらみんな悲しむ!
魂が消えちゃったら、悲しむ所の話じゃないぞ!
しばらく言い合いをしていたが
お前が今倒れたら誰が闇から仲間を引き出すんだ?
あ、そうか!確かにな!
ノワールの言い分はもっともだ。小さな子は救ったがまだまだ大きい子達が助けを求めているんだった!
「寝るから、少し経ったら起こしてくれよな!」
ああ、わかった。
ノワールと約束をしてベッドに入るとすぐに眠ってしまった。やっぱり若いとは言え、徹夜は良くないな。
馬鹿なジュード。こんな闇に手を突っ込んで、魂を掬い上げるなんて、お前もかなり消耗すんのに一晩中やるなんて。本当に死んでしまうぞ……。
少し悲しそうな黒猫の呟きはすっかり寝入ってしまった俺には全く届かない。俺は眠り続けたようだった。
「坊っちゃま、坊っちゃま。流石に起きられてはいかがでしょうか?」
「……え?あれ?」
「お腹が空いたのではありませんか?もう昼も過ぎております」
あー!ノワールの奴起こさなかったな!なんて事だ。でも確かに腹は減っていた。メイドは着替えとサンドイッチを持って来てくれていた。
「神殿の方々がお見えになっています。坊っちゃまは部屋から絶対に出ぬようにと、旦那様からきつく申しつけられております」
「……わかった。大人しくしてるね」
メイドは着替えを手伝った後、部屋を出て行く。今日はご丁寧に鍵までかけられたので、よっぽどなんだろう。
「さて、どんな神官が来たのか気になるが、少しでも引っこ抜いておくか!」
手早くサンドイッチを口に詰め、腕捲りをした。少し黒が薄くなった闇から鹿、猪、豚、牛……いろんな子達がこっちをみて順番待ちしている。
おっ!お前達!やる気があるな!きっとすぐ抜けて来るだろう。
「任せておけ!」
気合を入れると、みんなの目が喜びで細まった気がした。
ありがとう!ジュードちゃん!
真っ白い狐が飛んで行く。ほとんどの小さな魂は拾い上げた。今度は手を出せるくらいの中型の魂を引き出し始めた。
おい、ジュード。お前そろそろ寝ろ。
ノワール、まだやれるよ。まだ拾い残した子がいるかもしれないじゃないか。
お前が倒れたらどうすんだよ!
ノワールは変な事を言う。俺は首をかしげた。
ノワール。俺が倒れたらところで死ぬ訳じゃない。それにもし俺が死んだとしても、その前に魂を2個でも3個でも助けてやれば、大儲けじゃないか!
馬鹿か!ジュードが死んだらみんな悲しむ!
魂が消えちゃったら、悲しむ所の話じゃないぞ!
しばらく言い合いをしていたが
お前が今倒れたら誰が闇から仲間を引き出すんだ?
あ、そうか!確かにな!
ノワールの言い分はもっともだ。小さな子は救ったがまだまだ大きい子達が助けを求めているんだった!
「寝るから、少し経ったら起こしてくれよな!」
ああ、わかった。
ノワールと約束をしてベッドに入るとすぐに眠ってしまった。やっぱり若いとは言え、徹夜は良くないな。
馬鹿なジュード。こんな闇に手を突っ込んで、魂を掬い上げるなんて、お前もかなり消耗すんのに一晩中やるなんて。本当に死んでしまうぞ……。
少し悲しそうな黒猫の呟きはすっかり寝入ってしまった俺には全く届かない。俺は眠り続けたようだった。
「坊っちゃま、坊っちゃま。流石に起きられてはいかがでしょうか?」
「……え?あれ?」
「お腹が空いたのではありませんか?もう昼も過ぎております」
あー!ノワールの奴起こさなかったな!なんて事だ。でも確かに腹は減っていた。メイドは着替えとサンドイッチを持って来てくれていた。
「神殿の方々がお見えになっています。坊っちゃまは部屋から絶対に出ぬようにと、旦那様からきつく申しつけられております」
「……わかった。大人しくしてるね」
メイドは着替えを手伝った後、部屋を出て行く。今日はご丁寧に鍵までかけられたので、よっぽどなんだろう。
「さて、どんな神官が来たのか気になるが、少しでも引っこ抜いておくか!」
手早くサンドイッチを口に詰め、腕捲りをした。少し黒が薄くなった闇から鹿、猪、豚、牛……いろんな子達がこっちをみて順番待ちしている。
おっ!お前達!やる気があるな!きっとすぐ抜けて来るだろう。
「任せておけ!」
気合を入れると、みんなの目が喜びで細まった気がした。
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