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12 水色のリボン
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2年生の特待生のアンナが学園に来なくなっても、あまり騒ぎにはならなかった。そしてマークス第一王子とムジール公爵令息、ジェルウッド侯爵令息の婚約者達は戻ってきて平謝りする彼らを許して一時の平穏を得た。
「学園って一体……」
2年生の事件は良く伝わってこなかったが、ジュリエッタは兄リカルドの姿を見て驚いた。なんです?あれ?と。今度はリカルドに水色のリボンが巻き付いていたのだ。
「水色……でもリボンだわ。少し可愛い。でもこれも魅了の類にみえるわ……」
そして気が付いたのだ。同じクラスの男子からそのリボンが伸びていることに……。
「そーい!!」
慌て気味にそのリボンを引きちぎる。お、お兄様にはしっかり家を継いでもらわねばならないので、BLはちょっと困るのである。それにしてもここ数日、マリーンさんからの攻撃が激しい。
「リカルドさまぁ~!」
「すまん!フローラ!一緒に逃げてくれ!」
「え、あ、はい!」
休み時間や放課後になるとマリーンさんは1年生なのに、2年のお兄様達に突撃してくる。
「もぉ!リカルド様ったら私のことがぁ、好きなのに!」
お兄様はそんな態度を一欠片も取っていないし、マリーンさんのタコ足も私が華麗にブロックしたり切ったりしているから、届いてはいないのだけれども。
「うざいでございますっ!!」
「ジュリエッタ、いつも通りお口が悪いわね」
と、リースに言われながら苛立ちが溜まっていたのよね。それもあって同じクラスの平民の特待生ショーンからリボンが伸びていたのを見つけてしまい。私は盛大にキレた訳です。
「ごめんね、ショーンさん。少しだけお時間をくださる?」
「ジュリエッタさん……あ!リカルド様の妹の!」
ショーンさんは何かを勘違いしたのか、私の後にホイホイついてきたわ。そのまま人気のない空き教室に入ってお話をさせて貰う。
学園とは言え、男性と二人っきりは外聞が良くないので手早く終わらせる事にした。
「ショーンさん。私の兄に魅了かけるのやめてくれる?ここはBLゲームの世界じゃないのよ!私達は生きてるの!お兄様にはしっかり子供を持ってもらって家を継いで貰わないといけないし、可愛いフローラ様という婚約者がいてラブラブなの!」
ショーンさんは心底驚いた顔をした。うっ!この子可愛いわ!流石主人公ってくらいな可愛い顔よ!
「えっ!ここは「虹星!明日へのパラダイム」略して「虹のアスパラ」じゃないの?!」
「違うわよ……何よ、アスパラって……」
そこにつっこんた私を許して欲しい。
「ちょっと名前が違うなって思ってけど……違うんだ、アスパラじゃないんだ……」
ショーンさんはがっくりと肩を落とした。ちょっと可哀想ね。
「でもゲームとは違うと思うけど、あなた魅了が使えるみたいね。恋愛、有利に出来るんじゃない?人の迷惑にならなきゃ自己責任で楽しんだら良いじゃない?」
「ジュリエッタさん、良いのかな?僕、男の人と恋愛しても」
「良いんじゃない?応援するわ」
好きになるのは自由だからね
「学園って一体……」
2年生の事件は良く伝わってこなかったが、ジュリエッタは兄リカルドの姿を見て驚いた。なんです?あれ?と。今度はリカルドに水色のリボンが巻き付いていたのだ。
「水色……でもリボンだわ。少し可愛い。でもこれも魅了の類にみえるわ……」
そして気が付いたのだ。同じクラスの男子からそのリボンが伸びていることに……。
「そーい!!」
慌て気味にそのリボンを引きちぎる。お、お兄様にはしっかり家を継いでもらわねばならないので、BLはちょっと困るのである。それにしてもここ数日、マリーンさんからの攻撃が激しい。
「リカルドさまぁ~!」
「すまん!フローラ!一緒に逃げてくれ!」
「え、あ、はい!」
休み時間や放課後になるとマリーンさんは1年生なのに、2年のお兄様達に突撃してくる。
「もぉ!リカルド様ったら私のことがぁ、好きなのに!」
お兄様はそんな態度を一欠片も取っていないし、マリーンさんのタコ足も私が華麗にブロックしたり切ったりしているから、届いてはいないのだけれども。
「うざいでございますっ!!」
「ジュリエッタ、いつも通りお口が悪いわね」
と、リースに言われながら苛立ちが溜まっていたのよね。それもあって同じクラスの平民の特待生ショーンからリボンが伸びていたのを見つけてしまい。私は盛大にキレた訳です。
「ごめんね、ショーンさん。少しだけお時間をくださる?」
「ジュリエッタさん……あ!リカルド様の妹の!」
ショーンさんは何かを勘違いしたのか、私の後にホイホイついてきたわ。そのまま人気のない空き教室に入ってお話をさせて貰う。
学園とは言え、男性と二人っきりは外聞が良くないので手早く終わらせる事にした。
「ショーンさん。私の兄に魅了かけるのやめてくれる?ここはBLゲームの世界じゃないのよ!私達は生きてるの!お兄様にはしっかり子供を持ってもらって家を継いで貰わないといけないし、可愛いフローラ様という婚約者がいてラブラブなの!」
ショーンさんは心底驚いた顔をした。うっ!この子可愛いわ!流石主人公ってくらいな可愛い顔よ!
「えっ!ここは「虹星!明日へのパラダイム」略して「虹のアスパラ」じゃないの?!」
「違うわよ……何よ、アスパラって……」
そこにつっこんた私を許して欲しい。
「ちょっと名前が違うなって思ってけど……違うんだ、アスパラじゃないんだ……」
ショーンさんはがっくりと肩を落とした。ちょっと可哀想ね。
「でもゲームとは違うと思うけど、あなた魅了が使えるみたいね。恋愛、有利に出来るんじゃない?人の迷惑にならなきゃ自己責任で楽しんだら良いじゃない?」
「ジュリエッタさん、良いのかな?僕、男の人と恋愛しても」
「良いんじゃない?応援するわ」
好きになるのは自由だからね
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