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キノコ神の使徒達

37 キノコは大切に

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「うわ……マジ引く」

「ここまでヤるか?普通」

「おじちゃま、生きてる?」

「おじさま丈夫だからなぁ」 

「お褒めにあずかり光栄です」 

 ほうしがいっこ……ほうしがにこ……ああ、いっぱいとんでるぅ……。

「私は気が済むまで抱かせていただきましたから、今日の所は仕事に戻ります」

 ああ、そうなんだ……しごと、がんばって…ぶらう……。きがすんでよかったね……。

「お後使う方はお風呂にでも入れてあげて下さいね」

「この打ち捨てられた娼婦みたいなおじさまっていうのも良くないか?」

「リィム兄様は奥が深いですね!」

 え、途切れ途切れに聞こえてくる会話がこわいんだけど?使うって何を?まかかこの打ち捨てられた娼婦のようなキノコを?

「ブラウの部屋でか?……燃えるな!」

「構いませんよ」

 かまいませんじゃない……!もえないで……!

「おじさま、お疲れの所大変申し訳ないのですが、我々もおさまりがつかないので、ぜひ協力してくださいね?」

え、いやです……声は枯れて出なかった。

「大丈夫だよ!おじちゃま!明日はおじちゃまの自由日でしょう?もう全員と自由にえっちしようね!」

 あれ……自由日ってそういう日だったっけ……?

「俺からなー!ブラウ、脱がさないてヤってのか、あいつもいい趣味してんなぁ!じゃあ俺も!」

 がばりと、許可なく両足を開かされて赤い髪の男の子がウキウキと声を上げる。
 ファロかフォイアか。霞んで良く見えない。首をあげようにも力が入らないよ。

「いくよー!」

「あぅんっ!」

 子供の癖に熱くて太いアレを打ち込まれて、身悶えする。力も入らないし、声も出せなかったのに、入れられる時だけ反応してしまうのはなぜだろう。

「っん……ファロ……?」

「うん、俺だよ。おじさま」

「……だめ……もっと、やさしく、して…?」

「うん!」

 こども、こわい。




 いわく、ゼードラウンの王宮には隠された至宝があると。

「ないし」

 いわく教会には大聖女様がいて、様々な癒しと奇跡の技を使うと。

「いねーし」
 

 いわく高貴な姫君が傅かれているのだとか
 
「キノコですし」


 ゼードラウン王宮の奥の奥。1番守りが厳重な宮が1つ。常人なら首を傾げる、暗くてジメジメした通称「キノコ宮」が俺の家だ。
 緑の手のロイズとその子供が全力をもって、キノコに最適な空間を作り上げてくれた、最高傑作の離宮だ。
 ……俺にとってはな。

 俺の事をよく知らない大臣や貴族は首を傾げるし、ここに王から何から足しげく通うのに顔をしかめている。
 そう思うならセアンをしっかり止めてほしい。負担が減るんだから!

 ちなみにロブ爺さんは亡くなっていた。老衰だって。惜しい人を亡くしたが、ロイズの子供2人が緑の手を引き継いでいて、小躍りしたのは内緒にしておいてほしい。

 そこで今日は無駄にひらっとした、女性物なのか男性物なのか分からない服を着て住んでいるのが俺だ。
 服くらい好きなの着てやるよ…な、気分である。

「おじさま」

「あん?」

「もっと色っぽく返事してくださいよ。また鳴かせますよ?」

「やめろ」

 くすっと笑うセアンには困ったものだ。今日は土の日という事で、キノコ宮にはセアンとリィムが来て居座っている。
 
「王は疲れるものですね、おじさま」

「国をまとめるのは、とても大変な仕事ですね」

 国を預かっていたからその苦労はわかる。それをまだ17歳という若さに、押しつけているという後ろめたさもある。
 だから

「慰めてください」

 と、言われたらうなづかざるを得ないと言うか……なんと言うか。

「ちょろい」

「何か言ったか?」

「いえ、何も」

 しかしこの子達は飽きずに毎日毎日、俺に愛をささやく。ここまで来るとからかわれているんだろうな。俺でも気づくぞ。
 何せ子供達は8人、キノコは1本。どうすんの?キノコ8個に切り分けるんだろうか?出来ればやめて欲しいな。

「おじさま」

 リィムが呼ぶ。側まで行くと

「座って」

 子供の発想じゃないよな?しぶしぶと裾をたくし上げてどっかりと座り込む。

「どうした?」

「近くにいて欲しくて」

 そんな風に甘えられると弱い。例えその結果

「柔らかい……」

「あんっっ、さっきまで……シてたからぁ」
 
 またもやキノコ孔を弄られることになってもだ。本当に慰めになってるのか??

「リィム……お前、これで良いの…?」

「おじさま、愛しています」

 急だな!しかし、面と向かって言われると少し照れる。

「り、リィム……っ」

「おじさま、ごめんなさい。私は上手く気持ちを伝えられなくて」

 ごろりとひっくり返される。力も強くて困るな。

「おじさま……」

「……良いよ……」

 からかいでもいい、少しでも君達の慰めになるなら。

「あんっ……!」




「王!王!!!」

 外から声がする。それに答えるセアンの声も聞こえた。

「用が無ければここには来るなと……」

「王よ!我が国は宣戦布告されました!」

「なんだって?!どこが!何処が攻めてくるんだ?!」

「北の神龍帝国です!」

 外の世界へ声はリィムにも聞こえたようだ。

「リィム、また今度な?」

「そ、そうですね、おじさま」

 押し進めていた腰をずるりと引き抜かせる。

「……んっ」

 名残惜しそうに、糸をひいたが、それどころではないことは分かっている。
 ゼードラウンが宣戦布告されたって?どう言うことだ?服を整えてセアンに声をかける。

「セアン、こんな所にいちゃ駄目だ。行こう」

 トンと背中を押す。王は王座へ行かねばならない。どんな時でも。

「おじさま……」

「行こう、リィムも皆んなもいる」

 お前はたった1人の王様じゃない。

 
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