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キノコ転生
2 アルト
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「アルトさんこれでいい?」
「ありがとう、アーニャ!はい小遣い」
「ありがとう!」
俺は何種類かの仲間たちと街まで運ばれて、アーニャの小遣いと交換された。
まあ良いや。アーニャ喜んでたし。俺のキノコ人生も終わりかー。次はシメジ以上で頼むぜ!
俺たちを買い取った人は小さな瓶に俺を閉じ込めた。環境悪いわ。すぐ萎びそう。
「さて」
仲間はそれぞれ瓶に入れられて……何かの実験のようだ。痛くない奴で頼むよ!
「これで最後か」
俺が最後か。へっぽこ研究者め!銀色の髪がサラッと揺れている。よくわからんが成功すると良いですねー。
「生まれよ!クリエイトホムンクルス!ドライアド!」
《どうする?生まれる?》
誰かが聞いてきた。
んーー、良いよ。
《あいつ、悪い奴じゃないから可愛いがってくれると思う。好きに生きな!》
へーい。誰だろ?まあ俺は生まれるらしい。
一瞬目の前が暗くなって、目を開けると銀髪の美形がこっちをみていた。美形だが美女ではないな?
「男か」
「喋ったーーーー!成功だ!」
「うるせーなー。お?俺、とうとう喋れるようになったか」
しかも
「手がある!む、足もあるじゃねーか!自由か!?」
「……お前……、ホムンクルスだよな?」
銀髪が恐る恐る尋ねてきた。
「いや?俺はキノコだよ。三年もキノコやってると色々自由なんだな!知らなかったぜ」
おいおい、シメジ以上じゃねーか。
俺は頭にウスベニ裏毒茸を乗っけた7歳くらいの子供の格好だった。ちなみに性別はない。つるっつるだ。
「つまりだ、俺はアルトが錬金術で生み出したキノコを基にしたホムンクルスと言う人造生命体で、お前に忠実だっていうんだな?」
「そのはずなんだが、なんでお前はそんなに偉そうなんだ?」
「三年もキノコやってたからかなー?」
「変なの造っちまったーー!」
アルトは頭を抱えている。知らんがな。
「まあ、でもなんだ。お前の事嫌いじゃねーから、その辺はちゃんとしてんじゃね?」
なんだか心の奥から湧き上がる物がある。これが忠誠心か?いや、ただほっとけないだけのオカン心のが合ってる気がする。
「俺、洋介!よろしく頼むわ!アルト」
「偉そうなホムンクルスだな!おい」
俺はアルトのホムンクルスになった。シメジ以上じゃん?呪いの預言者亜実ちゃんの力もここまでだな!ふははは!
アルトの家は汚い。掃除しよ。
「ヨースケお前働き者だな」
「三年間暇だったんだよ。自由に動けるって楽しいな!」
俺は積んである本を持って、あっちにパタパタ、こっちにとたとた。
「窓あけんぞー」
はたきをパタパタ。
「オッス!世界!俺キノコ!」
窓から独り言を言ったら通行人にドン引きされた。アルトが。
「アルトさん……全裸の男の子に掃除させるっておかしいです……!」
アーニャママにこってり叱られておったわ!すまんな!アルト!!それから俺は服を着た。大体男の子の服だが、女の子の服もあった。つまり何でも良いのだ。
アルトは美形な割にただの研究大好き引きこもり人間だった。ほっとくと、めし食わずに机に向かってるタイプのヤツな。
だから御近所付き合いは、俺が担当してる。
「ヨースケ、今日も偉いな」
「おう!キノコだけど、最近日光浴も悪くないって気がついたんだ!」
外庭や道路を掃除する。ホムンクルスになって暑さや日光浴は平気になったけど、やっぱりキノコだから、湿気とか好きなんだが、まあアルトにカビが生えたら困るからなぁ。
今日もアルトは一日中研究してる。新しいホムンクルスを作ろうとして失敗してる。
どうやら俺が最初の成功で、これだけ意思を持って歩き回るのは快挙らしいぞ。
「しかし、なぁアルト。材料に自分の精液使うのはどうかと思うぞー。俺、なんか笑っちまう」
「?!お前!見てたな?!」
「そりゃなーー!」
ホムンクルスを作るのに、素体と核となる物、俺の場合はキノコだったが、それと生命の元……アルトの場合、手っ取り早く自分の精液をぶっかけた訳で。
しかも新鮮さが大事とか言うんで、実験中に……ぷぷっ!
「……と、いうことは俺を造った時にお前はウスベニ裏毒茸にドピュッと……?」
「そうだよ!悪いか!!」
「俺、まみれちゃったのか……責任取って!」
などとからかって遊ぶのも楽しかったりする。
しかし、それも呆気なく終わった。
「ありがとう、アーニャ!はい小遣い」
「ありがとう!」
俺は何種類かの仲間たちと街まで運ばれて、アーニャの小遣いと交換された。
まあ良いや。アーニャ喜んでたし。俺のキノコ人生も終わりかー。次はシメジ以上で頼むぜ!
俺たちを買い取った人は小さな瓶に俺を閉じ込めた。環境悪いわ。すぐ萎びそう。
「さて」
仲間はそれぞれ瓶に入れられて……何かの実験のようだ。痛くない奴で頼むよ!
「これで最後か」
俺が最後か。へっぽこ研究者め!銀色の髪がサラッと揺れている。よくわからんが成功すると良いですねー。
「生まれよ!クリエイトホムンクルス!ドライアド!」
《どうする?生まれる?》
誰かが聞いてきた。
んーー、良いよ。
《あいつ、悪い奴じゃないから可愛いがってくれると思う。好きに生きな!》
へーい。誰だろ?まあ俺は生まれるらしい。
一瞬目の前が暗くなって、目を開けると銀髪の美形がこっちをみていた。美形だが美女ではないな?
「男か」
「喋ったーーーー!成功だ!」
「うるせーなー。お?俺、とうとう喋れるようになったか」
しかも
「手がある!む、足もあるじゃねーか!自由か!?」
「……お前……、ホムンクルスだよな?」
銀髪が恐る恐る尋ねてきた。
「いや?俺はキノコだよ。三年もキノコやってると色々自由なんだな!知らなかったぜ」
おいおい、シメジ以上じゃねーか。
俺は頭にウスベニ裏毒茸を乗っけた7歳くらいの子供の格好だった。ちなみに性別はない。つるっつるだ。
「つまりだ、俺はアルトが錬金術で生み出したキノコを基にしたホムンクルスと言う人造生命体で、お前に忠実だっていうんだな?」
「そのはずなんだが、なんでお前はそんなに偉そうなんだ?」
「三年もキノコやってたからかなー?」
「変なの造っちまったーー!」
アルトは頭を抱えている。知らんがな。
「まあ、でもなんだ。お前の事嫌いじゃねーから、その辺はちゃんとしてんじゃね?」
なんだか心の奥から湧き上がる物がある。これが忠誠心か?いや、ただほっとけないだけのオカン心のが合ってる気がする。
「俺、洋介!よろしく頼むわ!アルト」
「偉そうなホムンクルスだな!おい」
俺はアルトのホムンクルスになった。シメジ以上じゃん?呪いの預言者亜実ちゃんの力もここまでだな!ふははは!
アルトの家は汚い。掃除しよ。
「ヨースケお前働き者だな」
「三年間暇だったんだよ。自由に動けるって楽しいな!」
俺は積んである本を持って、あっちにパタパタ、こっちにとたとた。
「窓あけんぞー」
はたきをパタパタ。
「オッス!世界!俺キノコ!」
窓から独り言を言ったら通行人にドン引きされた。アルトが。
「アルトさん……全裸の男の子に掃除させるっておかしいです……!」
アーニャママにこってり叱られておったわ!すまんな!アルト!!それから俺は服を着た。大体男の子の服だが、女の子の服もあった。つまり何でも良いのだ。
アルトは美形な割にただの研究大好き引きこもり人間だった。ほっとくと、めし食わずに机に向かってるタイプのヤツな。
だから御近所付き合いは、俺が担当してる。
「ヨースケ、今日も偉いな」
「おう!キノコだけど、最近日光浴も悪くないって気がついたんだ!」
外庭や道路を掃除する。ホムンクルスになって暑さや日光浴は平気になったけど、やっぱりキノコだから、湿気とか好きなんだが、まあアルトにカビが生えたら困るからなぁ。
今日もアルトは一日中研究してる。新しいホムンクルスを作ろうとして失敗してる。
どうやら俺が最初の成功で、これだけ意思を持って歩き回るのは快挙らしいぞ。
「しかし、なぁアルト。材料に自分の精液使うのはどうかと思うぞー。俺、なんか笑っちまう」
「?!お前!見てたな?!」
「そりゃなーー!」
ホムンクルスを作るのに、素体と核となる物、俺の場合はキノコだったが、それと生命の元……アルトの場合、手っ取り早く自分の精液をぶっかけた訳で。
しかも新鮮さが大事とか言うんで、実験中に……ぷぷっ!
「……と、いうことは俺を造った時にお前はウスベニ裏毒茸にドピュッと……?」
「そうだよ!悪いか!!」
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