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「魔王陛下におかれましてはご機嫌麗しく……」
「……」
「ティン、挨拶されてる」
「……」
「ティン?」
僕の長い髪の毛をいじっている。聞こえて無いはずは無いんだけどなぁ?僕はティンの膝の上に乗せられたままだ。むしろ最近は膝の上以外はベッドの上にしか座った事がない。酷い話だ。
「ティンが返事しないと、報告が始まらないんだけど?」
「……」
「ティン、何か気に入らない事あったの?」
ティンは性格が悪い。何かあるとだんまりしたり、聞こえているのに聞こえないフリしたり。その度に皆はハラハラしながら、何が問題なのか必死で考える。
「ティン?」
僕を引き寄せて、耳を噛む。
「やぁっ……やめ!」
何か、ティンの気に入らない事があったんだ。早くなんとかしないと、このままおっぱじめられる!今はどこかの地方で人間が蜂起、鎮圧したとかの報告の為に、何十人もの魔族の将軍達が報告に来ているんだ。
そのまん前で、突っ込まれたく無い!あんあん喘ぎたくもないし、ティンが満足するまで、将軍達は立ちっぱなしで待たされるんだぞ!
なかなかの地獄絵図なんだぞ!
「な、何か!なにかぁ!」
僕は周りに助けを求める。同席している侍従達も赤くなったり青くなったりで原因を探している。この人達も立ったまま待たされるんだからな!
なんだ!原因は!挨拶しかしてないじゃないか!挨拶?挨拶!
「ぼ、僕にも、あ、挨拶して!お願い!」
もう服はほとんど脱がされていて、露出した乳首を噛まれている、痛い!
「ま!魔王陛下と、妃殿下におかれましてはご機嫌麗しゅう!!」
「……うむ」
僕を無視したご挨拶が気に入らなかったようだ。乳首一つで被害が済んだ……痛い。
その後の報告は聞こえて来なかった。興の乗ったティンに弄り倒されて、それどころじゃなかったからだ。
僕の意思を考慮してはくれないけれど、ティンは僕の事を気に入っているようだ。どこへ行くにも僕を携帯していく。現代のスマホ並みに手放さない。
「ぼ、僕は待っていたいなーって……」
「窓から飛ばれると厄介だからな」
「はひ……」
ついでにいつまでもぶつくさ言われる。トイレだけは見張り付きで扉の外で待っているけれど、それ以外はずーっと抱っこだ。お陰で少し体力もついた。
夜も毎晩啼かされる訳で、まあそう言う意味でも体力が少しついた。ヒョロいはヒョロいんだけどね。
僕が反省?して何も文句を言わないのに油断したのか、その日朝起きるとティンはいなかった。
「……」
「ティン、挨拶されてる」
「……」
「ティン?」
僕の長い髪の毛をいじっている。聞こえて無いはずは無いんだけどなぁ?僕はティンの膝の上に乗せられたままだ。むしろ最近は膝の上以外はベッドの上にしか座った事がない。酷い話だ。
「ティンが返事しないと、報告が始まらないんだけど?」
「……」
「ティン、何か気に入らない事あったの?」
ティンは性格が悪い。何かあるとだんまりしたり、聞こえているのに聞こえないフリしたり。その度に皆はハラハラしながら、何が問題なのか必死で考える。
「ティン?」
僕を引き寄せて、耳を噛む。
「やぁっ……やめ!」
何か、ティンの気に入らない事があったんだ。早くなんとかしないと、このままおっぱじめられる!今はどこかの地方で人間が蜂起、鎮圧したとかの報告の為に、何十人もの魔族の将軍達が報告に来ているんだ。
そのまん前で、突っ込まれたく無い!あんあん喘ぎたくもないし、ティンが満足するまで、将軍達は立ちっぱなしで待たされるんだぞ!
なかなかの地獄絵図なんだぞ!
「な、何か!なにかぁ!」
僕は周りに助けを求める。同席している侍従達も赤くなったり青くなったりで原因を探している。この人達も立ったまま待たされるんだからな!
なんだ!原因は!挨拶しかしてないじゃないか!挨拶?挨拶!
「ぼ、僕にも、あ、挨拶して!お願い!」
もう服はほとんど脱がされていて、露出した乳首を噛まれている、痛い!
「ま!魔王陛下と、妃殿下におかれましてはご機嫌麗しゅう!!」
「……うむ」
僕を無視したご挨拶が気に入らなかったようだ。乳首一つで被害が済んだ……痛い。
その後の報告は聞こえて来なかった。興の乗ったティンに弄り倒されて、それどころじゃなかったからだ。
僕の意思を考慮してはくれないけれど、ティンは僕の事を気に入っているようだ。どこへ行くにも僕を携帯していく。現代のスマホ並みに手放さない。
「ぼ、僕は待っていたいなーって……」
「窓から飛ばれると厄介だからな」
「はひ……」
ついでにいつまでもぶつくさ言われる。トイレだけは見張り付きで扉の外で待っているけれど、それ以外はずーっと抱っこだ。お陰で少し体力もついた。
夜も毎晩啼かされる訳で、まあそう言う意味でも体力が少しついた。ヒョロいはヒョロいんだけどね。
僕が反省?して何も文句を言わないのに油断したのか、その日朝起きるとティンはいなかった。
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