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「ねえ、木崎君。君が国を救えば良いじゃない?君だって魔王なんでしょ?」

 黒髪黒目が魔王の証なら、木崎君だって日本人だ。

「い、いや、俺はそんな黒くねぇし」

「そう?十分黒いよね?」

 木崎君は髪の毛の色は抜いているのか、茶色だが、目は黒い。大丈夫、魔王としてやってけるよ?

「僕だって魔王としている訳だし、自分の国なら自分で救えば良いじゃない。それに僕は契約を破棄するつもりはないよ。今はメリが、メリアードが大好きなんだもん」

 ね?とメリを見れば、メリの緑の目が優しく細まる。

「ええ、大好きですよ、かなと。絶対どこにもやりませんから」

 えへへ、嬉しいなぁ!

「い、嫌に決まってんだろ!魔王が国を潤すってあれだろ!契約で無理矢理従わされて、男にやられまくるんだろ!!」

「え?そんな事、ないけど……やられまくってなんかないし……魔力を放出すれば良いんでしょう?婚約者としたら良いんじゃ??」

「ヤッも足りねえんだよ!」

 はて??

「何回くらいしてるの??」

「1日2回くらい」

 僕とメリは顔を見合わせる。

「メリ、僕たち最初何回くらいしてたっけ?」

「数えてないですね。一日中ヤりっぱなしでしたから」

 だよねー。

「木崎君、少ないよ?もっと10回以上しないと……」

「そんなにできるか!!出ねぇよ!」

「あー……だから、挿れられる方じゃないと駄目なのかぁ」

 うんうん、確かに出すのには限界があるもんね。ってメリ凄いなあ!

「メリ、絶倫?」

「ふふ、お褒めいただき光栄ですよ。なんなら今からでも」

 あ、やだ。メリ、当たってる当たってる……僕の体の奥が思い出してくにゅくにゅし始めちゃったでしょ!

「うん……えへへ」

 木崎君が帰ったら、メリとイチャイチャしよっと!

「ですから、言ったでしょう?マコト。契約をしていない魔王などいないと。気が済んだら国へ帰りますよ。メリアード様、機会を設けていただきありがとうございました」

 廊下につながる扉から綺麗な女の人が入って来た。

「クリス!なんで来てるんだ!」

「何でも何ものですよ」

「な、なんだそりゃ!しらねぇよ」

 知らない?って多分国から出られないのは契約だからだ。知らないって事はもしかして。小さな声でメリに聞いてみる。

「ね、もしかして木崎君って内緒で契約しちゃってるの?」

「そうらしいです。マコト・キザキはそれを知らないとクリス様はこっそり教えてくれました」

 なるほど、木崎君はあんな不利な契約嫌だって断ったんだろうな。僕だって正気だったら絶対頷かなかった。でもあのクリスさんはどうやってか、木崎君と契約してしまったんだ。
 契約した国を出るときは契約者と一緒じゃないと出られないからね。

 で、木崎君は僕の噂を聞きつけてここまで来たんだ。木崎君のお願いは聞けないけど。

「さあ、帰りますよ、マコト」

「い、嫌だ!お、俺は男となんか寝たくない!」

 あー……そうなんだ。やっぱり木崎君はなんだね。僕と付き合ってたのは、何だったのかな?
 まあお試しとか言ってたし、今はメリがいるから、良いや!

 
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