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61 ヤベェが分かってしまった

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「も、もしかして見届け人とか」
「居るよ、沢山。医者も待機してるから、大丈夫」
「な、何で医者、なんです……?」
「私が暴走し過ぎてシャトを傷つけたら困るでしょう?」
「ひ……」
「大丈夫、騎士団も配置してあるから。有事の際には私を殴ってでも止めるように言ってあるからね」

 お、俺ぇ……俺ぇ、何されるんだぁーー!

 結果から言うと俺は生きてた、良かった。何度か金髪の神様に「早く戻って!ホラン君を何とか出来るのはシャトだけなんだから。まだこっち来ちゃ駄目だよ!」って追い返された気がするけれど、気のせいだろう。気のせいだと思いたい。

「あ、ああ……、う、あ」
「ああ!シャト、私のシャト!可愛い、可愛い!ああ!想像以上だ!」

 何も、何も分からない。いや、分かったことこの人、綺麗な顔してやることがえぐい。あと想像よりヤバかった……俺、これから宰相さんにもっと優しくしてあげようと思う。

「ホラン、おなか……すいた」
「ああ、休憩しようか」

 俺が母音以外を発音出来るようになったのは3日後辺りからだったらしい。後から聞けばすぐにドクターストップがかかった。

「うるさいっ!消えろ、邪魔をするなっ!」

 大暴れしたし、さらに止めに来た騎士達をぶちのめしてしまったそうな……どんだけだよ。その時の騎士達は大変なトラウマを植え付けられちゃって全員口を揃えて俯いた。

「キれた殿下には逆らってはならない……」

 だって!こわー!俺が意識を取り戻した時はかなり落ち着いていたらしくて、普通にエッチしてた。なんかもう痛いとか変な感じとか無く慣らされた後って感じで普通に気持ち良くて逆に困ってしまった。

「ヘンドリクセン兄弟もヤベェですが、ホルランド殿下も相当ヤベェです」

 そう宰相さんに言わしめるほどだったらしいけれど、怖いからホランのヤベェ所は見なくても良いと思う……。

「シャト、スープだよ。はい口をあけて?」

 物凄い勢いで侍女ちゃんが軽いお食事を運んで来て、物凄い勢いで出ていった。その絶妙なぬるさのスープをスプーンに掬って食べさせてくれる。

「あ、あのね。ホラン……自分で食べられるから」
「やだ」

 にこにこと笑いながら片時も俺を離さない。

「シャトの前ではカッコつけてたんだよ。大好きなシャトに嫌われたくないから。でももう我慢しなくて良いんだ。これからは好きなだけシャトを抱きしめてキスをして触って舐めて匂いを嗅いで……」
「……」

 もう良い、分かった。もう良い……この人はヤバい、よく分かった。一週間で嫌という程分からされた。
 シャトルリアは運動神経が死滅してるから、外で何かすることは少ない。だから日焼けしてない肌は白いんだけど、皮膚の病気か?ってくらい変色してるし、噛まれた歯形があちこちに付いている。
 内股と首筋がお気に入りらしくてなんかどす黒くなってる所もあるし、乳首なんて吸われ過ぎて腫れてヒリヒリする。

「い、いっかい……休憩、ね」
「少しだけだよ?」
「あうぅ……」

 抱かれ続けていたけど体は切れたり裂けたりしていないみたいだ。なんか笑顔で大丈夫、を繰り返していた神様の顔が浮かんだから、もしかしてそういう大丈夫だったのか?と腹立たしくなる。

「シャト、何考えてるの?」
「あぅ……ぅ」

 そして勘がいいのも考えものだ。ついでにいうと結婚後の蜜月ハネムーン期間は1ヶ月もあるんだって。俺は色々諦めた。

 余談だが第二妃を取っては?と言う俺の命を心配した声があったそうだがもちろん一言で却下されたらしい。

「シャト以外抱く気もないから必要ない。それにそうだな……いざとなったらシャトの足でも借りるさ」

 と、何だか性癖刺さりそうなことを宣ったらしいけど、それを聞いていた有識者達はしばらく考えてから

「なるほど、了解しました」

 と、いったらしいけど、何を想像したのか聞きたくもないな!

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