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38 速し、速しィ!

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 セイルはキラキラと目を輝かせて快諾してくれた。

「あ、あの有名なシャルトリア様の施術が受けられるなんて夢みたいだ!実は少し魔力不足を感じていまして、なんとかならないかなって思っていたんです」
「なるほど……微力ですがお力添えさせてくださいね」

 俺は頼んでちょっと豪華なベッドがある部屋をセイル(とミュゼル)のために用意して貰った。もちろんこっそりベッドサイドの引き出しの中にはちょっとえっちな香油とかをいっぱい用意して貰ったぜ!俺、アフターケアにも気を使える素晴らしい男。

「宰相さん、あっちのミュゼル君に魔力だまりを開けたらどうなるか、軽く説明しといてくれる?」
「……分かりました。そうじゃないとシャトルリア様を威嚇するのをやめそうにありませんしね」
「はは、アツアツなんだなあ!」

 とりあえず部屋のベッドにセイル君は寝て貰う。その横に俺。ちょっと離れた後方に宰相さんとミュゼル君がこしょこしょ内緒話中。

「えっ」

 とか

「ほ、本当ですかっ」

 とか聞こえてくるから、包み隠さず全部お伝えしたんだろうね。

「さて、セイル。特に痛いことはないと思うんだけど、一応説明するよ。セイルは今このおへその下あたりにいっぱい魔力が溜まってしまっている。たまにおへその辺りがぐるぐるすることなかった?」
「ありました。熱いような、苦しいような……」
「うん。そこにたまっている魔力を全身に流れるように出口を揉んで少し広くするよ。リラックスして……寝ててもいいよ~?」

「わかり、ました……」

 繊細な場所だし、外から糸を伸ばすんじゃなくて、中に入ろう。俺がにょろりとセイルのへそあたりに飛び込むとシャトルリアの体はゆっくりと力が抜けてベッドの方へ倒れていく。

「おっと」

 説明を終えた宰相さんが体が転がらないように支えてくれたようだ。ありがてえ!中に入って行くと……まあよく鍛えたり良い物を食べさせて貰ったりしてたんだろう。きれいでとても立派な体の中だった。ちょっと前にホルランド殿下の荒野みたいな体を見た後だと、セイルの健康すぎる体にほれぼれしそう。でも健康的過ぎて居心地が最低だよ!

 へその下あたりにどでかい魔力だまりが出来てた。でかい、ホントでかい、マジででかい。マチェット君の3倍……いや5倍ありそうな巨大な魔力だまりで流石の俺も引いた。
 まあ、約束だ。魔力だまりの出口をもみもみ……ツンツン。でも少し刺激すると良く反応してすぐに出口が緩くなって魔力が流れ始めた。
 なんだろう?そんなに硬くなかったな?何かマッサージでも受けてたんだろうか?こんな体の内部にぃ?一体何でマッサージをするっての??
 ともかくセイルの魔力だまりはすごくってザーーっていうよりどっぱーん!ってあれだ、ダムの放水みたいな感じ!ぎゃー!な、流されるぅーーーー!うわー!
 俺はセイルの魔力に押し流されてセイルの魔力回路を何周も何周もぐるぐるぐるぐる回された。
 早い!早すぎる!まるで五月雨を集めたモガミュ川ぁーー!速し!速しィ!助けてー!

「あ、あ……!」

 あ!まずい早く出ないと!このままセイルの体に残ってたらくんずほぐれず夜のプロレス祭りに巻き込まれてしまう!俺に覗きの趣味はない!やっと浅瀬的な所に打ち上げられた俺は命辛々セイルから飛び出して避難した。


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