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オマケ リサイクル再び

12 アレが作れるのなら。

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「くそっ助けに来いよ!」

 助けに来るっていったじゃねえか。あれは嘘か?

「嘘つきは嫌いだ……!」

 俺は頬が腫れたティリーを抱きしめる。ティリーがこんな痛い目のあってんだぞ!普通助けに来るだろ!旦那ならよ!

「助けろって言ってんだろ!フラン!レント!!」

 誰に助けを求めてんだ?誰も来ねえよ、と言いかけた目の前の男が消えた。遅れて人が壁にめり込む変な音が聞こえる。

「ミリー?フランとレントって誰です?まさか男の名前じゃないですよね?」

「あ……」

 銀色の月の光とまとったフィスが立っていた。

「おい!ティリーの血の匂いがすんぞ!怪我してるのか!?」

 フィスのすぐ後ろからレオスが飛び出してくる。フィスの背中を守っていたんだろう。

「なんでも、ねぇよ」

「ティリー!?顔がっ……!あいつだな……?フィス、一人くらい殺しても構わんだろ?」

「レオス、別に構わないが、そんな雑魚なんて頬っておけ。やることがあるだろう?ミリー、ティリーはレオスに任せて大丈夫だ。レオス、ミリーから受け取って」

 受け取れってティリーはモノじゃねえよ……なんで渡さなきゃならねえんだよ……!レオスがかがんで手を伸ばす。それでも俺はティリーをレオスに渡してしまった。

「ミリー。ティリーの手当てをしてくる。少し姿が見えなくなっても大丈夫だ。俺が絶対守るから。行くぞ、ティリー」

「……うん」

 大人しくティリーはレオスの腕の中で小さくなっている。殴られた直後よりずいぶん腫れてしまったティリーの頬は痛々しかった。

「ミリー、遅れてごめんね。怖かっただろう?もう大丈夫、ミリーには私がいるからね?」

「べ、別に……そんなことねえし……」

 大丈夫だよ、と引き寄せられた時、俺は自分がガタガタ震えていた事にやっと気が付いた。

「無事で、良かった」

「……こわ……かった……俺、なんもできねえ……死んじゃうかと」

 目の前にある俺を絶対に守ってくれる腕にぎゅっと抱き着いた。知っている、俺が直してやった腕より太い腕がそこにしっかり生えていて、少し違和感を覚えるけれど。知っているような知らないような匂い、でも知っているこの暖かさ。

「良かった」

「俺……、う、うえぇえええん……!」

 ……恥ずかしながら、俺はフィスに抱きついたまま泣いてしまった。怖かったんだ、何も告げずに死んでしまう事が。俺は、お前が……。

「ねえ、ミリー。やっぱり私と一緒に来て?ここに置いておきたくない」

「なあ、フィス。お前、料理作れる?」

 フランは色々作ってくれたんだよね。

「……一つだけ作れるものがありますよ」

「それってカレェっていう奴?それなら結婚しても良い」

 フィスはびっくりした顔をしてから、力いっぱい俺を抱きしめた。

「今、結婚の話を持ち出すと卑怯かと思って自重していましたが、カレェいっぱい作れますよ!」

 フランのカレェ美味しかったんだからな。それにしてもこいつ力が強いな、痛い痛い……。

 俺達は暫くくっ付いていたけれど、ちょっと素に戻った。

「なあ、ティリーとレオス、遅くねぇ?」

「……まさかとは思いますが……探しに行きましょう」

 まだ足が震えて立てなかった俺はフィスに抱っこされたまま、ティリー達を捜した。この家は広くないからすぐに……。

「れ、れおしゅ……あん!だめぇ!やああっ!」

「ティリー!ティリー!可愛い!俺のティリー!」

 ベッドの上で致す寸前のアホを見つけてしまった……。


「あのアホを処刑してくれ」

「任せて欲しい。ミリー」






 



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