110 / 113
オマケ リサイクル再び
11 嫌だ!
しおりを挟む
俺とティリーは小さな離宮中を逃げ回って、俺の部屋の小さなクローゼットに逃げ込んだ。
「ミリィ……」
「静かにっ」
メイド達は全員逃げただろうか、乱暴されていなきゃいいけれど……。
フィスとレオスがいつも通り押しかけて来て、帰り。夜になり寝ようか?と言うところで見た事もない男たちが窓を壊して侵入してきたんだ。
「ミリーシャ様っ!タリーシャ様!」
「リリー!」
俺達を庇って最初にメイドのリリーが殴られた。逃げて!と言われ、俺達は手を取って走り出す。使用人たちは全員俺達を逃がすために立ちはだかってくれたけれど、相手は5.6人はいただろう。武器も持っていた。なんとか無事でいて欲しいけれど、それは難しい願いなのかもしれない。
最近フィスとレオスが毎日来ているから、目をつけられたんだろう。正妃か、側妃の仕業か。俺達を攫って亡き者に……ってところか。この屋敷は狭い。家探しされればすぐに見つかってしまう。異変に気付いて誰かが来てくれればいいんだけれど、この離れた場所に王宮の兵士はなかなか駆けつけては来られないはずだ。
「ミリー、俺が行く。ミリーはここに隠れてろ」
「ティリー!?何言ってんだ!」
「良いか、ミリー。お前は多分フィスと結婚する。フィスは王族だ、妻が傷物じゃ不味いんだ。その点俺は間違いなく騎士の嫁だ、多少汚れてもまあ我慢してもらうしかない」
ティリーのいう事は分かるし、それが最善だって俺も気が付いていた。でも俺の半身を危険な目に合わせるなんて俺にはできない。しかも怪我ですむならいいけれど、もし……殺されてしまったら!?俺は半身を失って生きていける自信がない。
「やっぱり駄目だ、ティリー!ギリギリまで隠れよう」
「それじゃダメだって!」
「こっちに逃げたぞ!」
男たちの靴音が廊下に響く。まずい、もう逃げ場がない!俺とティリーは情けないが小さくうずくまるしかなかった。
「いたぜ……どっちだ?」
「ひっ……!」
クロゼットのドアは無常に開かれ、俺達は身を寄せ合う。ならず者、そう顔に書いてありそうな男が汚い笑顔でこっちを見ている。
「金髪に、青緑の目の方だ!」
「おいおい、どっちもそうだぜ?」
「ぎゃん!」
男の汚い手が、ティリーの髪の毛を引っ張って外に引きずり出す。やめろ!俺のティリーに触るんじゃないっ!
「やめろっ!」
飛び掛かろうとしても、あっさり腕を掴まれた。何も……できない!
「おい、見ろよ、そっくりじゃねえか?リーシャ姫は二人いんのか??」
「へえ、どういう事か分からんが、まあどっちも連れて行けば問題ねえだろ」
「そうだな」
「痛い!離せっ!」
「くそっ!」
ああ、なんて非力なんだ。もっと一生懸命鍛えておくべきだった!俺達が二人がかりで暴れてもこの男はビクともしなかった。
「活きのいい姫さんだ!殴られたくなきゃ大人しくしてろ!」
「うるさいっ!ぎゃん!」
「ティリー!!」
歯向かったティリーが殴られた。気を失ってはいないが、口のどこかが切れたんだろ、ぽたりと赤い血が流れた。
「大人しくしろっつってんだろ?この場で殺されたいのか?ん?」
悔しい、凄く悔しいけれど、俺達じゃこいつらに勝てない……!こんな奴らの好き勝手にされるなんて嫌だ!
「ミリィ……」
「静かにっ」
メイド達は全員逃げただろうか、乱暴されていなきゃいいけれど……。
フィスとレオスがいつも通り押しかけて来て、帰り。夜になり寝ようか?と言うところで見た事もない男たちが窓を壊して侵入してきたんだ。
「ミリーシャ様っ!タリーシャ様!」
「リリー!」
俺達を庇って最初にメイドのリリーが殴られた。逃げて!と言われ、俺達は手を取って走り出す。使用人たちは全員俺達を逃がすために立ちはだかってくれたけれど、相手は5.6人はいただろう。武器も持っていた。なんとか無事でいて欲しいけれど、それは難しい願いなのかもしれない。
最近フィスとレオスが毎日来ているから、目をつけられたんだろう。正妃か、側妃の仕業か。俺達を攫って亡き者に……ってところか。この屋敷は狭い。家探しされればすぐに見つかってしまう。異変に気付いて誰かが来てくれればいいんだけれど、この離れた場所に王宮の兵士はなかなか駆けつけては来られないはずだ。
「ミリー、俺が行く。ミリーはここに隠れてろ」
「ティリー!?何言ってんだ!」
「良いか、ミリー。お前は多分フィスと結婚する。フィスは王族だ、妻が傷物じゃ不味いんだ。その点俺は間違いなく騎士の嫁だ、多少汚れてもまあ我慢してもらうしかない」
ティリーのいう事は分かるし、それが最善だって俺も気が付いていた。でも俺の半身を危険な目に合わせるなんて俺にはできない。しかも怪我ですむならいいけれど、もし……殺されてしまったら!?俺は半身を失って生きていける自信がない。
「やっぱり駄目だ、ティリー!ギリギリまで隠れよう」
「それじゃダメだって!」
「こっちに逃げたぞ!」
男たちの靴音が廊下に響く。まずい、もう逃げ場がない!俺とティリーは情けないが小さくうずくまるしかなかった。
「いたぜ……どっちだ?」
「ひっ……!」
クロゼットのドアは無常に開かれ、俺達は身を寄せ合う。ならず者、そう顔に書いてありそうな男が汚い笑顔でこっちを見ている。
「金髪に、青緑の目の方だ!」
「おいおい、どっちもそうだぜ?」
「ぎゃん!」
男の汚い手が、ティリーの髪の毛を引っ張って外に引きずり出す。やめろ!俺のティリーに触るんじゃないっ!
「やめろっ!」
飛び掛かろうとしても、あっさり腕を掴まれた。何も……できない!
「おい、見ろよ、そっくりじゃねえか?リーシャ姫は二人いんのか??」
「へえ、どういう事か分からんが、まあどっちも連れて行けば問題ねえだろ」
「そうだな」
「痛い!離せっ!」
「くそっ!」
ああ、なんて非力なんだ。もっと一生懸命鍛えておくべきだった!俺達が二人がかりで暴れてもこの男はビクともしなかった。
「活きのいい姫さんだ!殴られたくなきゃ大人しくしてろ!」
「うるさいっ!ぎゃん!」
「ティリー!!」
歯向かったティリーが殴られた。気を失ってはいないが、口のどこかが切れたんだろ、ぽたりと赤い血が流れた。
「大人しくしろっつってんだろ?この場で殺されたいのか?ん?」
悔しい、凄く悔しいけれど、俺達じゃこいつらに勝てない……!こんな奴らの好き勝手にされるなんて嫌だ!
11
お気に入りに追加
3,396
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
本編完結しました。
おまけのお話を更新したりします。
やめて抱っこしないで!過保護なメンズに囲まれる!?〜異世界転生した俺は死にそうな最弱プリンスだけど最強冒険者〜
ゆきぶた
BL
異世界転生したからハーレムだ!と、思ったら男のハーレムが出来上がるBLです。主人公総受ですがエロなしのギャグ寄りです。
短編用に登場人物紹介を追加します。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
あらすじ
前世を思い出した第5王子のイルレイン(通称イル)はある日、謎の呪いで倒れてしまう。
20歳までに死ぬと言われたイルは禁呪に手を出し、呪いを解く素材を集めるため、セイと名乗り冒険者になる。
そして気がつけば、最強の冒険者の一人になっていた。
普段は病弱ながらも執事(スライム)に甘やかされ、冒険者として仲間達に甘やかされ、たまに兄達にも甘やかされる。
そして思ったハーレムとは違うハーレムを作りつつも、最強冒険者なのにいつも抱っこされてしまうイルは、自分の呪いを解くことが出来るのか??
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
お相手は人外(人型スライム)、冒険者(鍛冶屋)、錬金術師、兄王子達など。なにより皆、過保護です。
前半はギャグ多め、後半は恋愛思考が始まりラストはシリアスになります。
文章能力が低いので読みにくかったらすみません。
※一瞬でもhotランキング10位まで行けたのは皆様のおかげでございます。お気に入り1000嬉しいです。ありがとうございました!
本編は完結しましたが、暫く不定期ですがオマケを更新します!
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
【完結】白い塔の、小さな世界。〜監禁から自由になったら、溺愛されるなんて聞いてません〜
N2O
BL
溺愛が止まらない騎士団長(虎獣人)×浄化ができる黒髪少年(人間)
ハーレム要素あります。
苦手な方はご注意ください。
※タイトルの ◎ は視点が変わります
※ヒト→獣人、人→人間、で表記してます
※ご都合主義です、あしからず
もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
ちっちゃなもふもふ獣人と、騎士見習の少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。
巻き込まれ異世界転移者(俺)は、村人Aなので探さないで下さい。
はちのす
BL
異世界転移に巻き込まれた憐れな俺。
騎士団や勇者に見つからないよう、村人Aとしてスローライフを謳歌してやるんだからな!!
***********
異世界からの転移者を血眼になって探す人達と、ヒラリヒラリと躱す村人A(俺)の日常。
イケメン(複数)×平凡?
全年齢対象、すごく健全
BLが蔓延る異世界に転生したので大人しく僕もボーイズラブを楽しみます~愛されチートボーイは冒険者に溺愛される~
はるはう
BL
『童貞のまま死ぬかも』
気が付くと異世界へと転生してしまった大学生、奏人(かなと)。
目を開けるとそこは、男だらけのBL世界だった。
巨根の友人から夜這い未遂の年上医師まで、僕は今日もみんなと元気にS〇Xでこの世の窮地を救います!
果たして奏人は、この世界でなりたかったヒーローになれるのか?
※エロありの話には★マークがついています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる