13 / 30
13 そしたらこうなっちゃった☆
しおりを挟む
「レベルが上がりました……」
「あ、はい……」
そうだ、このお茶っぱ、裏の家庭菜園の生け垣の茶葉だった。
「はぁ~タトのお茶は美味い。甘みもあって、この摘み立ての上品な香りが鼻に抜ける感じ~~」
「いや、今それ良いから。で、どうしてこんな事に……」
当事者がいるので話は早かった。
「いやあ……能力を限定したら効果が上がっちゃってさ……タトの野菜が滅茶苦茶美味しくなってしまったんだあ」
「はぁ?」
よくわからない。
「大体だよ?スローライフってなんなのさ!ただの田舎暮らしってわけでもないんでしょう?農民でもないし。農民ならそれこそ一生懸命野菜や作物を育てないとならないから、それってスローライフって言わないんでしょう?」
え?そう言われてみればそうだね。
「だから、スローライフって言われたら……自分で作ったものを自分で食べてって……じゃあ家庭菜園でいいじゃん。ってなったわけ。で、勇者と同等の力があって……更にせっかくなら美味しい野菜がいいでしょう?」
「あ、うん。勿論。家庭菜園には失敗もつきものだけど、出来るなら成功したいね」
「そしたらこうなっちゃった☆」
「そこ、端折りすぎ」
多少は分かった。でも分からない事もいっぱいあるぞ!
「で、俺達の能力値がぶっ壊れてるのはなんで?」
レベルキャップいつから突破してたんだよう……おかしいだろ、俺。
「……たまーに、たまーにさ、七色に光る滅茶苦茶美味しい野菜がとれるでしょう」
「あーうん。アレ美味いよねえ~こないだはトマンだったねえ~なんかよく分からないけど美味いよねえ」
「アレのせいだね」
「……アレかあ……」
そっか、アレかあ……虹色のふわっとした何かがまとわりついている収穫物。本当にたまにとれてとても美味しい。
「あれ、収穫してすぐ食べないとふわっとしたきれいなやつが消えちゃうんだよねえ」
「そうなのよ~」
「それぇ~~~!俺も食べたいいいいいい!凄く美味いってマジかあああ!?」
美味しい所に食いついたよ。勇者なんだから強さでも求めなさいよ、コーディ。
「ま、そんなとこ。タトお腹空いたなんか食べたいからとってきてー」
「うわっ!態度でかっ、勝手に住み着いた癖に態度でかっ!」
「タト!俺達にもなんかー!」
なんかって言ってもそのまま食える野菜なんてそんなにねえよ!それでもしょうがないから庭に出て、赤くなったトマンにマルハッカ大根を数個、キューカンパを5本にあと味噌の実を取ってきた。味噌の実は神ちゃんが食に対する情熱でこの世界の常識をまげて作り出した謎の実のうちの一つだ。
ピーマの木みたいなのに、でっかいヤシの実みたいのが成る不思議な実で、割と簡単に二つに割れて、中には合わせみそがみっちり詰まっている。これで作る味噌汁は出汁も利いててうまい、狡い。
「はい、これつけてどうぞ?」
「キューリと味噌ーーー笑うーー異世界で笑う~~~~!いただきます!」
「キューカンパとミッソンの実だぞ!」
ポリポリポリポリポリ。滅茶苦茶いい音で二人は生野菜をかじり
「きたきたきたーーーレベルアップだあああ!」
まあ、とても元気だ。
「あ、はい……」
そうだ、このお茶っぱ、裏の家庭菜園の生け垣の茶葉だった。
「はぁ~タトのお茶は美味い。甘みもあって、この摘み立ての上品な香りが鼻に抜ける感じ~~」
「いや、今それ良いから。で、どうしてこんな事に……」
当事者がいるので話は早かった。
「いやあ……能力を限定したら効果が上がっちゃってさ……タトの野菜が滅茶苦茶美味しくなってしまったんだあ」
「はぁ?」
よくわからない。
「大体だよ?スローライフってなんなのさ!ただの田舎暮らしってわけでもないんでしょう?農民でもないし。農民ならそれこそ一生懸命野菜や作物を育てないとならないから、それってスローライフって言わないんでしょう?」
え?そう言われてみればそうだね。
「だから、スローライフって言われたら……自分で作ったものを自分で食べてって……じゃあ家庭菜園でいいじゃん。ってなったわけ。で、勇者と同等の力があって……更にせっかくなら美味しい野菜がいいでしょう?」
「あ、うん。勿論。家庭菜園には失敗もつきものだけど、出来るなら成功したいね」
「そしたらこうなっちゃった☆」
「そこ、端折りすぎ」
多少は分かった。でも分からない事もいっぱいあるぞ!
「で、俺達の能力値がぶっ壊れてるのはなんで?」
レベルキャップいつから突破してたんだよう……おかしいだろ、俺。
「……たまーに、たまーにさ、七色に光る滅茶苦茶美味しい野菜がとれるでしょう」
「あーうん。アレ美味いよねえ~こないだはトマンだったねえ~なんかよく分からないけど美味いよねえ」
「アレのせいだね」
「……アレかあ……」
そっか、アレかあ……虹色のふわっとした何かがまとわりついている収穫物。本当にたまにとれてとても美味しい。
「あれ、収穫してすぐ食べないとふわっとしたきれいなやつが消えちゃうんだよねえ」
「そうなのよ~」
「それぇ~~~!俺も食べたいいいいいい!凄く美味いってマジかあああ!?」
美味しい所に食いついたよ。勇者なんだから強さでも求めなさいよ、コーディ。
「ま、そんなとこ。タトお腹空いたなんか食べたいからとってきてー」
「うわっ!態度でかっ、勝手に住み着いた癖に態度でかっ!」
「タト!俺達にもなんかー!」
なんかって言ってもそのまま食える野菜なんてそんなにねえよ!それでもしょうがないから庭に出て、赤くなったトマンにマルハッカ大根を数個、キューカンパを5本にあと味噌の実を取ってきた。味噌の実は神ちゃんが食に対する情熱でこの世界の常識をまげて作り出した謎の実のうちの一つだ。
ピーマの木みたいなのに、でっかいヤシの実みたいのが成る不思議な実で、割と簡単に二つに割れて、中には合わせみそがみっちり詰まっている。これで作る味噌汁は出汁も利いててうまい、狡い。
「はい、これつけてどうぞ?」
「キューリと味噌ーーー笑うーー異世界で笑う~~~~!いただきます!」
「キューカンパとミッソンの実だぞ!」
ポリポリポリポリポリ。滅茶苦茶いい音で二人は生野菜をかじり
「きたきたきたーーーレベルアップだあああ!」
まあ、とても元気だ。
31
お気に入りに追加
467
あなたにおすすめの小説
生活魔法しか使えない少年、浄化(クリーン)を極めて無双します(仮)(習作3)
田中寿郎
ファンタジー
壁しか見えない街(城郭都市)の中は嫌いだ。孤児院でイジメに遭い、無実の罪を着せられた幼い少年は、街を抜け出し、一人森の中で生きる事を選んだ。武器は生活魔法の浄化(クリーン)と乾燥(ドライ)。浄化と乾燥だけでも極めれば結構役に立ちますよ?
コメントはたまに気まぐれに返す事がありますが、全レスは致しません。悪しからずご了承願います。
(あと、敬語が使えない呪いに掛かっているので言葉遣いに粗いところがあってもご容赦をw)
台本風(セリフの前に名前が入る)です、これに関しては助言は無用です、そういうスタイルだと思ってあきらめてください。
読みにくい、面白くないという方は、フォローを外してそっ閉じをお願いします。
(カクヨムにも投稿しております)
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~
松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。
なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。
生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。
しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。
二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。
婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。
【完結】転生したら登場人物全員がバッドエンドを迎える鬱小説の悪役だった件
2626
ファンタジー
家族を殺した犯人に報復を遂げた後で死んだはずの俺が、ある鬱小説の中の悪役(2歳児)に転生していた。
どうしてだ、何でなんだ!?
いや、そんな悠長な台詞を言っている暇はない!
――このままじゃ俺の取り憑いている悪役が闇堕ちする最大最悪の事件が、すぐに起きちまう!
弟のイチ推し小説で、熱心に俺にも布教していたから内容はかなり知っているんだ。
もう二度と家族を失わないために、バッドエンドを回避してやる!
転生×異世界×バッドエンド回避のために悪戦苦闘する「悪役」の物語。
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
水の中でも何処でももふもふ!! あたらしい世界はもふもふで溢れていました
ありぽん
ファンタジー
転生先は海の中? まさか!? 水の中でももふもふを堪能できるなんて!!
高橋碧(たかはしあおい)は、小説の設定で時々みる、ある状況に自分が直面することに。
何と神様の手違いで死んでしまったのだった。
神様のお詫びとして新しい世界へ送られ、新しい生活を送ることになった碧。しかし新しい世界へと転生すれば、またもや神様のせいでまずい状況に?
でも最悪な始まりをむかえた碧を、たくさんのもふもふ達がいやしてくれ。
もふもふパラダイスのこの世界で碧は、まったり? ゆっくり? もふもふを堪能できるのか。
僕は弟を救うため、無自覚最強の幼馴染み達と旅に出た。奇跡の実を求めて。そして……
久遠 れんり
ファンタジー
五歳を過ぎたあたりから、体調を壊し始めた弟。
お医者さんに診断を受けると、自家性魔力中毒症と診断される。
「大体、二十までは生きられないでしょう」
「ふざけるな。何か治療をする方法はないのか?」
その日は、なにも言わず。
ただ首を振って帰った医者だが、数日後にやって来る。
『精霊種の住まう森にフォビドゥンフルーツなるものが存在する。これすなわち万病を癒やす霊薬なり』
こんな事を書いた書物があったようだ。
だが、親を含めて、大人達はそれを信じない。
「あての無い旅など無謀だ」
そう言って。
「でも僕は、フィラデルを救ってみせる」
そして僕は、それを求めて旅に出る。
村を出るときに付いてきた幼馴染み達。
アシュアスと、友人達。
今五人の冒険が始まった。
全くシリアスではありません。
五人は全員、村の外に出るとチートです。ご注意ください。
この物語は、演出として、飲酒や喫煙、禁止薬物の使用、暴力行為等書かれていますが、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。またこの物語はフィクションです。実在の人物や団体、事件などとは関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる