1 / 30
1 俺達異世界転生した
しおりを挟む
人が死に、異世界へ転生されるとしたら望むことは大まかに2つだろう。
目立って偉業を成し、人々に褒め称えられることを望むか。
隠れ暮らし、ゆっくりとした生活を堪能するか。
望み通りになるかどうかは分からないが大体はどちらかに分類されると思う。
「俺、勇者になりたい!そしてチヤホヤされてお姫様と結婚したい!チート欲しい!!」
俺を巻き込んで死んだ幸田保は目の前の綺麗な女神様に熱っぽく訴えた。
「幸田さんには勇者になって貰いたかったので、ぜひお願いします!ちーと、うん、何のことか分かりました。ご都合おつけしましょう」
「やった!」
神々しい女神様はタブレットみたいな物を操作しながら幸田に微笑みかける。はぁ、良かったな幸田。お前チート物のラノベ好きだもんな。
「女神様、向田は……」
「えっと、連れてくるつもりはなかったのですが……」
俺の名前は向田佑幸田と何となく語感が似ていて、それが縁で緩い友達関係にあった。
たまたまその日、幸田の飲みの誘いに俺がたまたま応じ、良い気分になって二人で肩を組みながら駅に向かっている途中に暴走トラックにドン!だ。
「向田、巻き込まれって奴だな……」
「そうみたいだな。何か譲歩してくれるんですよね?女神様」
俺もラノベは嗜んでいる方だ。もっぱらスローライフ系が好きで幸田と好みは被らない。
「えーと、ま、巻き込み、巻き込まれ、召喚……あ、あった…この場合、神側の全面敗訴により、神はドゲザ後に、巻き込まれた側に対して最大限の敬意と利便をはからねばならない……ドゲザ?ってなんでしょう?」
「女神様、これっす」
幸田はその場に膝をついてへへーっと頭を下げたが、俺は別に女神様にそんな事して欲しいとは思わないぞ。
「ではドゲザを……」
「しなくて良いけど、良い感じにはしてくれ!」
「ではひと睨みで全てを焼き尽くす火の巨人の瞳を授け……」
「女神様ぁーー?!そんなのあるなら勇者要らないんじゃないっすか?!」
「む?そうね?」
この女神様、見た目は素晴らしいが中身は意外と残念だぞ。俺がしっかりしなきゃ……。
「女神様、俺は幸田と違って戦闘とかしたくない。スローライフがしたい。家庭菜園とかそう言うのつけてくれ」
「む?そうなの、分かったわ」
俺はしっかり交渉して、納得してから、幸田と一緒に女神様の直轄世界に降りて行った。
幸田とは双子の兄弟になってしまうそうだが、まあ仕方がない。どうせ幸田は勇者として出ていくし、俺は小さな町でのんびり暮らすんだからな。
幸田はコーディ、俺はタトと名付けられ、赤ん坊として小さな農村の長男と次男になった。
「ばぶ(何だかなー)」
「ばぶ(楽しんでこーぜ!)」
目立って偉業を成し、人々に褒め称えられることを望むか。
隠れ暮らし、ゆっくりとした生活を堪能するか。
望み通りになるかどうかは分からないが大体はどちらかに分類されると思う。
「俺、勇者になりたい!そしてチヤホヤされてお姫様と結婚したい!チート欲しい!!」
俺を巻き込んで死んだ幸田保は目の前の綺麗な女神様に熱っぽく訴えた。
「幸田さんには勇者になって貰いたかったので、ぜひお願いします!ちーと、うん、何のことか分かりました。ご都合おつけしましょう」
「やった!」
神々しい女神様はタブレットみたいな物を操作しながら幸田に微笑みかける。はぁ、良かったな幸田。お前チート物のラノベ好きだもんな。
「女神様、向田は……」
「えっと、連れてくるつもりはなかったのですが……」
俺の名前は向田佑幸田と何となく語感が似ていて、それが縁で緩い友達関係にあった。
たまたまその日、幸田の飲みの誘いに俺がたまたま応じ、良い気分になって二人で肩を組みながら駅に向かっている途中に暴走トラックにドン!だ。
「向田、巻き込まれって奴だな……」
「そうみたいだな。何か譲歩してくれるんですよね?女神様」
俺もラノベは嗜んでいる方だ。もっぱらスローライフ系が好きで幸田と好みは被らない。
「えーと、ま、巻き込み、巻き込まれ、召喚……あ、あった…この場合、神側の全面敗訴により、神はドゲザ後に、巻き込まれた側に対して最大限の敬意と利便をはからねばならない……ドゲザ?ってなんでしょう?」
「女神様、これっす」
幸田はその場に膝をついてへへーっと頭を下げたが、俺は別に女神様にそんな事して欲しいとは思わないぞ。
「ではドゲザを……」
「しなくて良いけど、良い感じにはしてくれ!」
「ではひと睨みで全てを焼き尽くす火の巨人の瞳を授け……」
「女神様ぁーー?!そんなのあるなら勇者要らないんじゃないっすか?!」
「む?そうね?」
この女神様、見た目は素晴らしいが中身は意外と残念だぞ。俺がしっかりしなきゃ……。
「女神様、俺は幸田と違って戦闘とかしたくない。スローライフがしたい。家庭菜園とかそう言うのつけてくれ」
「む?そうなの、分かったわ」
俺はしっかり交渉して、納得してから、幸田と一緒に女神様の直轄世界に降りて行った。
幸田とは双子の兄弟になってしまうそうだが、まあ仕方がない。どうせ幸田は勇者として出ていくし、俺は小さな町でのんびり暮らすんだからな。
幸田はコーディ、俺はタトと名付けられ、赤ん坊として小さな農村の長男と次男になった。
「ばぶ(何だかなー)」
「ばぶ(楽しんでこーぜ!)」
22
お気に入りに追加
467
あなたにおすすめの小説
生活魔法しか使えない少年、浄化(クリーン)を極めて無双します(仮)(習作3)
田中寿郎
ファンタジー
壁しか見えない街(城郭都市)の中は嫌いだ。孤児院でイジメに遭い、無実の罪を着せられた幼い少年は、街を抜け出し、一人森の中で生きる事を選んだ。武器は生活魔法の浄化(クリーン)と乾燥(ドライ)。浄化と乾燥だけでも極めれば結構役に立ちますよ?
コメントはたまに気まぐれに返す事がありますが、全レスは致しません。悪しからずご了承願います。
(あと、敬語が使えない呪いに掛かっているので言葉遣いに粗いところがあってもご容赦をw)
台本風(セリフの前に名前が入る)です、これに関しては助言は無用です、そういうスタイルだと思ってあきらめてください。
読みにくい、面白くないという方は、フォローを外してそっ閉じをお願いします。
(カクヨムにも投稿しております)
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】転生したら登場人物全員がバッドエンドを迎える鬱小説の悪役だった件
2626
ファンタジー
家族を殺した犯人に報復を遂げた後で死んだはずの俺が、ある鬱小説の中の悪役(2歳児)に転生していた。
どうしてだ、何でなんだ!?
いや、そんな悠長な台詞を言っている暇はない!
――このままじゃ俺の取り憑いている悪役が闇堕ちする最大最悪の事件が、すぐに起きちまう!
弟のイチ推し小説で、熱心に俺にも布教していたから内容はかなり知っているんだ。
もう二度と家族を失わないために、バッドエンドを回避してやる!
転生×異世界×バッドエンド回避のために悪戦苦闘する「悪役」の物語。
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
ドラゴンなのに飛べません!〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜
藤*鳳
ファンタジー
人間としての寿命を終えて、生まれ変わった先が...。
なんと異世界で、しかもドラゴンの子供だった。
しかしドラゴンの中でも小柄で、翼も小さいため空を飛ぶことができない。
しかも断片的にだが、前世の記憶もあったのだ。
人としての人生を終えて、次はドラゴンの子供として生まれた主人公。
色んなハンデを持ちつつも、今度はどんな人生を送る事ができるのでしょうか?
水の中でも何処でももふもふ!! あたらしい世界はもふもふで溢れていました
ありぽん
ファンタジー
転生先は海の中? まさか!? 水の中でももふもふを堪能できるなんて!!
高橋碧(たかはしあおい)は、小説の設定で時々みる、ある状況に自分が直面することに。
何と神様の手違いで死んでしまったのだった。
神様のお詫びとして新しい世界へ送られ、新しい生活を送ることになった碧。しかし新しい世界へと転生すれば、またもや神様のせいでまずい状況に?
でも最悪な始まりをむかえた碧を、たくさんのもふもふ達がいやしてくれ。
もふもふパラダイスのこの世界で碧は、まったり? ゆっくり? もふもふを堪能できるのか。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる