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いいえ、メイドです
12 無駄飯食いの海軍
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ノルド達がユーシスとユーノと遊んでいる間も、ナイトレイは国の立て直しに忙しく働いていた。
「わざわざ足を運んでもらって申し訳ないがノイマン提督。色々聞きたいことがあります」
「な、なんですかな……王太子殿下」
王太子の執務室、隣にアルカンジェルが立っていて、その後ろの陰に隠れるようにレラもいる。そこに呼び出されたのはこの国の海軍を取り仕切る提督ノイマンと、その息子だ。
「海の魔物が倒されたのは知っていますね?何故、海兵の訓練を始めないのか。今までは荒れ狂う海のせいで、何の活躍もできなかったのは皆、知っている。今こそ、無駄飯ぐらい、税金の無駄遣いという不名誉を払拭するために、軍の強化にいそしむべきではないのですか?」
ノイマン提督の顔色は良くないが、ナイトレイとアルカンジェルは理由も知っている。ただ、提督本人の口から聞きたい、ナイトレイと言う人物を信じて欲しい、その気持ちでここに呼んだのだ。
「そ、それはそうなのですが……王太子殿下。あの、その……我が海軍は長い間、機能をしておらず……」
「故に一日も早く訓練を開始し、海軍の名に相応しいあるべき姿を取り戻すべきではないのですか?それに海が落ち着けば海賊なども出入りを始めます。奴らがのさばる前に、芽を摘んでおくべきでしょう?」
「そ、その通りでございますが……」
ノイマンはのらりくらり、言葉を濁し続ける。それではナイトレイは困るのだ。
「海を挟んだ隣国、シュゲイルに抗議文を届けねばならないのです。早急に海を渡る方法が必要なのです、ノイマン提督。さあ、何故、訓練を始めないのか?答えを聞きたい」
「しかし……あの……」
「どうした?何か理由があるのですか?リカルド・ノイマン提督」
口を動かさない提督に代わり、後ろから彼の息子である所のジョルジュ・ノイマン副提督が声を上げる。
「ナイトレイ様!親父殿は……父は……泳げないのであります!」
「ジョルジュ!!」
「ですから、船で海に出るのは恐ろしく感じると、軍を動かすのを躊躇っているのです!申し訳、申し訳ございません!」
今までのシーラン国ならそれでも良かった。名前だけの海軍提督、海は荒れに荒れ、海に船を浮かべる事すら出来なかったから。
それがどうしたことかここ数ヶ月の間にのさばっていたはずの魔物達が逃げ出したり、討伐され、しかも庶民の食卓に登っただとか。信じられない噂が広がったと思うと、あれほど荒れ狂っていた海が鎮まったのだ。
「船が……出せる!」
提督以外の海軍兵は皆喜んだ。何せシーラン海軍といえば無能、無駄、無意味と散々な言われようだったから、それを払拭出来る。
誰しも海に出る事を望んだのに、提督は重い腰を上げなかった。
それは提督が泳げないから、海が怖いのだ!
「わざわざ足を運んでもらって申し訳ないがノイマン提督。色々聞きたいことがあります」
「な、なんですかな……王太子殿下」
王太子の執務室、隣にアルカンジェルが立っていて、その後ろの陰に隠れるようにレラもいる。そこに呼び出されたのはこの国の海軍を取り仕切る提督ノイマンと、その息子だ。
「海の魔物が倒されたのは知っていますね?何故、海兵の訓練を始めないのか。今までは荒れ狂う海のせいで、何の活躍もできなかったのは皆、知っている。今こそ、無駄飯ぐらい、税金の無駄遣いという不名誉を払拭するために、軍の強化にいそしむべきではないのですか?」
ノイマン提督の顔色は良くないが、ナイトレイとアルカンジェルは理由も知っている。ただ、提督本人の口から聞きたい、ナイトレイと言う人物を信じて欲しい、その気持ちでここに呼んだのだ。
「そ、それはそうなのですが……王太子殿下。あの、その……我が海軍は長い間、機能をしておらず……」
「故に一日も早く訓練を開始し、海軍の名に相応しいあるべき姿を取り戻すべきではないのですか?それに海が落ち着けば海賊なども出入りを始めます。奴らがのさばる前に、芽を摘んでおくべきでしょう?」
「そ、その通りでございますが……」
ノイマンはのらりくらり、言葉を濁し続ける。それではナイトレイは困るのだ。
「海を挟んだ隣国、シュゲイルに抗議文を届けねばならないのです。早急に海を渡る方法が必要なのです、ノイマン提督。さあ、何故、訓練を始めないのか?答えを聞きたい」
「しかし……あの……」
「どうした?何か理由があるのですか?リカルド・ノイマン提督」
口を動かさない提督に代わり、後ろから彼の息子である所のジョルジュ・ノイマン副提督が声を上げる。
「ナイトレイ様!親父殿は……父は……泳げないのであります!」
「ジョルジュ!!」
「ですから、船で海に出るのは恐ろしく感じると、軍を動かすのを躊躇っているのです!申し訳、申し訳ございません!」
今までのシーラン国ならそれでも良かった。名前だけの海軍提督、海は荒れに荒れ、海に船を浮かべる事すら出来なかったから。
それがどうしたことかここ数ヶ月の間にのさばっていたはずの魔物達が逃げ出したり、討伐され、しかも庶民の食卓に登っただとか。信じられない噂が広がったと思うと、あれほど荒れ狂っていた海が鎮まったのだ。
「船が……出せる!」
提督以外の海軍兵は皆喜んだ。何せシーラン海軍といえば無能、無駄、無意味と散々な言われようだったから、それを払拭出来る。
誰しも海に出る事を望んだのに、提督は重い腰を上げなかった。
それは提督が泳げないから、海が怖いのだ!
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