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いいえ、メイドです
4 何をしたいのでしょうか?
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「きゃー手が滑ったわー!ぎゃーー!」
「ふん!」
「お嬢様、こちらが海軍の報告書です」
「ありがとう」
「うわー虫がー!ぎゃーー!」
「ふん!」
「なるほど、提督が……」
「うううっ!」
ユーシス様とユーノ様の嫌がらせは本当に幼稚であのマリリーさんを彷彿とさせます。
わざとインク瓶を持って走り寄ってきて、わたくしの服にかけようとして……パン!と勢いよくレミが開いた水を弾く布に遮られて、頭から自分で被ってしまうユーノ様。
わざわざ小虫を集めて来て、わたくしに投げつけて、同じ布で全部弾き返され頭からミミズを被ってしまうユーシス様。
「レイ様……お二人は何をしたいのでございましょうか」
「頭が痛いよ、アルカ。そうでなくても海軍の脆弱性に頭が痛いのに……」
「海軍の方はレミが良い情報を持ってきてくれましたから何とかなりますわ」
握っていた羽ペンをぽろりと落としつつも、流石だ……と口の中でつぶやいていましたが、ほっとされていたのでわたくしももっと頑張ろうと思います。
「何よ!このセンスの悪いティーセット!」
「きゃっ!」
わたくしが王妃様と隣国の流れについてご相談をしながら、お茶を飲んでいると、ユーノ様が走り込んできて、突然ティーセットを叩き割ってしまいました。
わたくしが実家から持って来たどこに出しても恥ずかしくないセットでしたのに。
「ユーノ!なんてことを!このティーセットの価値も分からないの?!」
「お、お母様ぁ……?そんなのどこにでも売っている安物ですわよぉ」
「そんな訳ないでしょう!これは名匠ティンセルの100年前のお品よ!我が国の半年分の国家予算に匹敵する名品だったのに!あなたはなんてことを!!」
「ひっ?!」
流石は王妃様、物の価値を分かっていらっしゃいます。
「ごめんなさいアルカンジェル!愚かな娘だと思っていましたが、まさかここまでとは。必ず弁償をするわ……」
「良いのです、王妃様。形あるものはいつか壊れる物です。それが今だったのでしょう」
ユーノ様は真っ青な顔を少しだけ緩めましたが
「ユーノ様が壊した物リストに入れておきますね」
「ええ!是非そうして頂戴!自分の不始末は自分で取って良い年頃だわ!」
レミのメモにはしっかり記載されたようでしたわ。チラリと見たレミのリストの金額は途方もない額になっていて、一生かかって払える物なのでしょうか?
「あ、あんだなんかより、私の方が優秀だわ!」
と、毎日言っておられるユーノ様ですから、大丈夫なのでしょう。しかし何をもって優秀なのかは分かりませんが。
「お嬢様、お耳を」
レラがこっそり、わたくしに耳打ちをしてくれます。まあ、またなんともくだらない事をしておられるのでしょうか。
「王妃様、少し失礼致します」
「もしかしてユーシスが何かやったのね?私も行きます」
わたくしの表情でお分かりになってしまったのね。わたくしもまだまだです、もっと精進せねばなりませんね。
「ふん!」
「お嬢様、こちらが海軍の報告書です」
「ありがとう」
「うわー虫がー!ぎゃーー!」
「ふん!」
「なるほど、提督が……」
「うううっ!」
ユーシス様とユーノ様の嫌がらせは本当に幼稚であのマリリーさんを彷彿とさせます。
わざとインク瓶を持って走り寄ってきて、わたくしの服にかけようとして……パン!と勢いよくレミが開いた水を弾く布に遮られて、頭から自分で被ってしまうユーノ様。
わざわざ小虫を集めて来て、わたくしに投げつけて、同じ布で全部弾き返され頭からミミズを被ってしまうユーシス様。
「レイ様……お二人は何をしたいのでございましょうか」
「頭が痛いよ、アルカ。そうでなくても海軍の脆弱性に頭が痛いのに……」
「海軍の方はレミが良い情報を持ってきてくれましたから何とかなりますわ」
握っていた羽ペンをぽろりと落としつつも、流石だ……と口の中でつぶやいていましたが、ほっとされていたのでわたくしももっと頑張ろうと思います。
「何よ!このセンスの悪いティーセット!」
「きゃっ!」
わたくしが王妃様と隣国の流れについてご相談をしながら、お茶を飲んでいると、ユーノ様が走り込んできて、突然ティーセットを叩き割ってしまいました。
わたくしが実家から持って来たどこに出しても恥ずかしくないセットでしたのに。
「ユーノ!なんてことを!このティーセットの価値も分からないの?!」
「お、お母様ぁ……?そんなのどこにでも売っている安物ですわよぉ」
「そんな訳ないでしょう!これは名匠ティンセルの100年前のお品よ!我が国の半年分の国家予算に匹敵する名品だったのに!あなたはなんてことを!!」
「ひっ?!」
流石は王妃様、物の価値を分かっていらっしゃいます。
「ごめんなさいアルカンジェル!愚かな娘だと思っていましたが、まさかここまでとは。必ず弁償をするわ……」
「良いのです、王妃様。形あるものはいつか壊れる物です。それが今だったのでしょう」
ユーノ様は真っ青な顔を少しだけ緩めましたが
「ユーノ様が壊した物リストに入れておきますね」
「ええ!是非そうして頂戴!自分の不始末は自分で取って良い年頃だわ!」
レミのメモにはしっかり記載されたようでしたわ。チラリと見たレミのリストの金額は途方もない額になっていて、一生かかって払える物なのでしょうか?
「あ、あんだなんかより、私の方が優秀だわ!」
と、毎日言っておられるユーノ様ですから、大丈夫なのでしょう。しかし何をもって優秀なのかは分かりませんが。
「お嬢様、お耳を」
レラがこっそり、わたくしに耳打ちをしてくれます。まあ、またなんともくだらない事をしておられるのでしょうか。
「王妃様、少し失礼致します」
「もしかしてユーシスが何かやったのね?私も行きます」
わたくしの表情でお分かりになってしまったのね。わたくしもまだまだです、もっと精進せねばなりませんね。
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