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表 6

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「う、嘘……」

「約束、守ってくださいませね?お姉様」

「ふふ」

 私は授業も真剣に聞いた。毎日放課後に図書館も寄り、カル兄様に実践的な経営の仕方も聞いた。

「……13位……」

 学園のテストでの私の成績。今まで30位くらいだったので、大幅に上がった事は上がったのですが……。

「クロリス、何位だったの?」

「私は2位ですわ、フローラお姉様は?」

「私は5位。15番の答えを迷って間違ってしまったようです」

「あら、そうだったのですね」

 義妹の二人は素晴らしい成績でした。私は素直におめでとうとは言えず、フラフラと張り出された掲示板の前を後にします。

「ベアトリス!真っ青よ!?どうしたの!」

 パタパタとアリスがかけてきて支えてくれました。ああ、めまいでたっているのもやっとです。足元がガラガラと崩れ落ちた気がします。

「あ、ありがとう、アリス」

 アリスが近くの椅子に私を座らせてくれますが、私はどうしていいか分かりません。

「ベアトリス、何があったの?」

「実は……」

 私は義妹のクロリスに次のテストの点数で勝った方が伯爵家を継ぐ、という話を持ち掛けられた事をアリスに話してしまいました。

「そんな、そんなこと出来るはずありませんわ!」

「でもクロリスの成績を見たでしょう?2位なのよ……私より領地の事を上手に繁栄させることができるわ」

 アリスは悔しそうにつぶやきます。

「でもクロリスってついこの前まで平民だったのよね?それが急に領地の事なんか分かる訳ないはずだわ……も、もしかして不正なことをしたんじゃ……」

 まさか、でも確かにクロリスもフローラも市井で暮らしていたとはっきり聞いています。

「そんな、神聖なる学び舎でそんなこと……」

「でも考えてみて……クロリスもフローラもとっても美人ですもの、悔しいけど。教師の中にはもしかしたら二人に騙されてころっと……」

「でも……そんなことあるのかしら?」

「だって説明がつかないわ!そんな短期間で学べることじゃないでしょう?」

 確かに怪しさを感じますが、確証もない事を無暗に喋るものでもありません。私とアリスは確たる証拠が出るまで、この話は他言無用と決めました。いくらわがままな義妹だとしても、そんな犯罪めいた事までするはずはないと思いたかったのです。
 しかし、この私とアリスの会話をこっそり聞いていたものがいました。

「フン、なるほどな。教師を買収……または体で落としたか?あの妹のやりそうなことだ」

 醜く笑う影はハロルド様でしたが、私は全く気が付かなかったのです。ちなみにハロルド様の成績は50位近くて、後ろから数えた方が早い有様でしたが……。
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