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王都に
27 その常識は何ですか?
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「アリアさん!普通神様は地上に顕現しない!」
いやいやいや、見ましたよね?今日も遊びに来てましたよね?
「地上には神託で聖女様や司祭様にお言葉をくださる、そうですよね!?」
めちゃめちゃ喋っていきましたよ?神託?あんまりくださいませんが……。
「食べ物って食べませんよね!?」
「それは偏見です!半魔神様に怒られますよ!ルー様は食べるの大好きですから!」
「えっ!?神罰下る!?」
「えっ!?そこまでではないと思いますが……」
少々食い意地の張っている方ですから……お供えした物をお断りもせずに持っていったら怒っちゃうとは思います。ちゃんとくださいねーって言ってからなら大丈夫です。リードさんにしっかり教えておかなくちゃ。
「第一ですね!?」
「ねえ、リードさん。どうして半魔神様が地上に来ちゃいけないんですか?」
「えっ」
「半魔神様は神話の通り、元々地上の方です。どうして来ちゃダメなんですか?」
黙った。
「半魔神様が来て確かにこのお部屋にいた人はびっくりしたかもしれません。初めてお会いした方もたくさんいるでしょう。でも、そのほかに何か悪いことがありますか??ないですよね?それなのにどうして怒るんですか?」
半魔神様は人を驚かすことが結構好きだ。もちろん度を越したことはしない。可愛いいたずら程度をなんでそんなに怒るのか私には理解ができないのです。
「そ、それは常識的に……?」
「その常識って誰が決めたんでしょう?」
「……ごめん、わからない。アリアさん」
リードさんがちっちゃくなっちゃいました。私よりうんと背が高い男性なんですけどね。でもリードさんの言っていることはおかしいと私は思うんです。人間と神様が仲良くしてもいいじゃないですか?
「私は半魔神様が大好きです。もっともっと遊びに来てほしいって思ってます。だから来やすいって言ってくれた神殿も大好きです。だって私の祈りだけでは足りないですから。みんなの力は大事です。それなのによく理由のわからない常識でダメダメ言ってちゃ、そのほうがダメだって思いませんか?」
「あなたは……」
今まで後ろの方でひっくり返っていた、この神殿の偉そうな司祭様がゆっくり歩いてきた。
「あなたは本当に半魔神様の聖女であらせられる!」
「え?ありがとうございます??」
本当も嘘もなく、半魔神様の聖女として生きていますよ!
その日の半魔神様の神殿はキラキラと澄んだ神気が充満していて、訪れる人々の心と胃腸の悩みを回復してくれた。なんでお腹が痛いのが治るかというと、きっと半魔神様がみんなで美味しいものを食べて元気になろうって思ってくれたからだと思うんだ。
「はー!なんかご飯作りましょっか!」
「アリア飯!」
もう吹っ切れたリードさんはいつも通りだった。
「ごめんな、アリアさん。俺もわけのわからない常識?で目が曇ってたみたいだ。そうだよな、半魔神様が来てくれたんだからいいことがあっても、悪いことなんて一つもないよな!」
にこっと笑う顔はいつも通りで嬉しい。
「そうですよー!でも!私はちょっと怒ってるので、今日のご飯の材料はリードさんのお財布からちょうだいいたします!」
リードさんは天を見上げて目を覆った……。
「ワシルさんやー助けておくれー!」
「巻き込むな」
5文字であっさり撃退された。
いやいやいや、見ましたよね?今日も遊びに来てましたよね?
「地上には神託で聖女様や司祭様にお言葉をくださる、そうですよね!?」
めちゃめちゃ喋っていきましたよ?神託?あんまりくださいませんが……。
「食べ物って食べませんよね!?」
「それは偏見です!半魔神様に怒られますよ!ルー様は食べるの大好きですから!」
「えっ!?神罰下る!?」
「えっ!?そこまでではないと思いますが……」
少々食い意地の張っている方ですから……お供えした物をお断りもせずに持っていったら怒っちゃうとは思います。ちゃんとくださいねーって言ってからなら大丈夫です。リードさんにしっかり教えておかなくちゃ。
「第一ですね!?」
「ねえ、リードさん。どうして半魔神様が地上に来ちゃいけないんですか?」
「えっ」
「半魔神様は神話の通り、元々地上の方です。どうして来ちゃダメなんですか?」
黙った。
「半魔神様が来て確かにこのお部屋にいた人はびっくりしたかもしれません。初めてお会いした方もたくさんいるでしょう。でも、そのほかに何か悪いことがありますか??ないですよね?それなのにどうして怒るんですか?」
半魔神様は人を驚かすことが結構好きだ。もちろん度を越したことはしない。可愛いいたずら程度をなんでそんなに怒るのか私には理解ができないのです。
「そ、それは常識的に……?」
「その常識って誰が決めたんでしょう?」
「……ごめん、わからない。アリアさん」
リードさんがちっちゃくなっちゃいました。私よりうんと背が高い男性なんですけどね。でもリードさんの言っていることはおかしいと私は思うんです。人間と神様が仲良くしてもいいじゃないですか?
「私は半魔神様が大好きです。もっともっと遊びに来てほしいって思ってます。だから来やすいって言ってくれた神殿も大好きです。だって私の祈りだけでは足りないですから。みんなの力は大事です。それなのによく理由のわからない常識でダメダメ言ってちゃ、そのほうがダメだって思いませんか?」
「あなたは……」
今まで後ろの方でひっくり返っていた、この神殿の偉そうな司祭様がゆっくり歩いてきた。
「あなたは本当に半魔神様の聖女であらせられる!」
「え?ありがとうございます??」
本当も嘘もなく、半魔神様の聖女として生きていますよ!
その日の半魔神様の神殿はキラキラと澄んだ神気が充満していて、訪れる人々の心と胃腸の悩みを回復してくれた。なんでお腹が痛いのが治るかというと、きっと半魔神様がみんなで美味しいものを食べて元気になろうって思ってくれたからだと思うんだ。
「はー!なんかご飯作りましょっか!」
「アリア飯!」
もう吹っ切れたリードさんはいつも通りだった。
「ごめんな、アリアさん。俺もわけのわからない常識?で目が曇ってたみたいだ。そうだよな、半魔神様が来てくれたんだからいいことがあっても、悪いことなんて一つもないよな!」
にこっと笑う顔はいつも通りで嬉しい。
「そうですよー!でも!私はちょっと怒ってるので、今日のご飯の材料はリードさんのお財布からちょうだいいたします!」
リードさんは天を見上げて目を覆った……。
「ワシルさんやー助けておくれー!」
「巻き込むな」
5文字であっさり撃退された。
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