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6 普通でしょ? いやいやいや……
しおりを挟む「せ、説明して貰えるか?」
「リン、頼んだ。俺、お昼ご飯の用意する」
リンは分かった、と頷いて、光の輪の中に敷物を広げた。あの土塊はあと三日は動かない。どうやら修復にそれくらいかかるらしい。後、俺ってば説明とか下手なんだ……。
「まず、あの土塊なんですが、元はアイアンゴーレムでした」
「アイアンゴーレム?! かなり強い魔物じゃないか! それがなぜ土の塊に?」
「それはレンが……表面を覆っていた鉄を全部引っぺがして、素材にしてしまいまして……」
「なっ?!」
へへ、すみません……。俺は光の輪の外に設置してしてある石造のかまどに薪を入れる。良く来るから作っておいてあるんだ。さぁて自慢の自作お鍋をセットしますよー。
「更にその下の石の層まで引っぺがしてしまいまして、あいつは土の塊になっちゃったんです」
「あそこまで行くと哀れな姿だな」
「あはは……それでもあいつにはここを守るという命令が生きていて、ここに入るとああやって起動して襲って来るんです」
「そうだったのか……」
そのようだ! 俺は鍋に向かっていつものように呼びかけた。
「サラマンダー、ウンディーネ」
【ほいよ】
【もっと呼んでよレン! 私達もこっちで遊びたいわ】
「今度……すげー金属を打てそうなんだ! そんとき頼むよ!」
【しょうがねぇなあ、今日は料理の手伝いで我慢すっか!】
俺が仲良くしてる精霊がぴょこんと飛び出てきてお手伝いをしてくれる。一声かけて、水を出して貰い火をつける。これでぐつぐつ煮れば美味しいスープの出来上がりだぜ。アイテムボックスからお肉とお野菜を出しちゃうぜ!
「……リンさん? 今、レンさんは精霊魔法を使っていませんでしたか?」
「ええ、そうですね」
「精霊魔法は使い手が殆どいない幻の魔法では?」
「え? そんなことないでしょう、あまり魔法に詳しくないレンが使えるんですよ、普通です」
「いやいや……」
「いやいやいや……」
俺はみたいな奴が最初から使えるんだ、そんな珍しいわけないよなー?
【最近、俺達を呼んでくれる奴らがすくねぇからなー。遊びたりねぇぜ】
「そっかー、じゃあちょくちょく呼ぶか?」
【わーい、ありがとうね、レン。絶対よ?】
こいつらだって気軽な感じのいい奴らだもんなー。それにゲーム時代だって普通に習得できたし。俺は鍛冶師を極めたかったから精霊の協力は必須だったんだ。超高熱のサラマンダーに冷水を作り出すウンディーネ。超高熱に耐える道具を用意するのにノームとサラマンダーをもっと燃え上がらせるのにシルフィード。しかも精霊使いのレベルが高くないと高位精霊を呼べないから頑張ってレベル上げたんだよ、鍛冶師だからな!
【レンは鍛冶馬鹿だからなぁ】
「へへっ……褒めるなよ、照れるぜ」
【褒めてないわよ……】
まあ、そんなこんなで俺は精霊達と仲良くやってるんだ。だから普通だよ!
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