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そして入学へ

59 たのもう!大神殿

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「お邪魔してもよろしいかしら?」

「こ、これはマリエル・クラブ様!」

 私は学園がお休みの土曜日にユウキさんが修業していると噂の中央大神殿へ足を運んでみたの。

「暫く来ないけどごめんねー!」

「え!?そ、そうなのか?お嬢ちゃんの回復魔法を頼りにしている奴も多いんだけど!?」

 先に冒険者ギルドによってヒューイのおじさんに断りを入れておく。

「それって駄目じゃない?私はここに常駐してる訳じゃないのよ」

「それはその通りなんだが……」

 むしろ怪我をするような無茶な狩りや冒険はしない方が良い。今は治っても歳を取ってから後遺症で苦しむかもしれないし。

「もし、大怪我した人がいたら中央大神殿に居るから」

「なんだい?聖女なのにもっと修行するのかい?」

 ちょっと違うんだなあ……。



「あの、ご相談したいことがありまして」

 アポなしで来ちゃったけど、中央大神殿は笑顔で通してくれた。良かったぁ~!普通にお布施しときますね!神殿の中はとても澄んでいてきれいで……ゲームの背景のまんまだった。

「私の煩悩も浄化されそう……いやこの程度じゃまだまだ……!」

 私の推し達に対する愛の深さはもっともっと濃くて激しいのよ!!

「おお!これは聖女マリエル。良くおいでなすった」

「教皇様まで何をおっしゃいますか。私は聖女ではありません、少しだけ回復魔法を扱える普通の学生です」

「ほっほ、相変わらずですのう……勇者と神鳥の件もありましたのに」

 それは幻聴ですってば、この白いおひげのお爺ちゃんったらもう!爺ちゃん爺ちゃんしくて可愛いわ。

「それより教皇様、実は本日は聖女様の件でお邪魔致したのですが……」

 少し言い淀んだけれど私は口にした。このままじゃユウキさんはヒロインになれない。一体何をどうしたらああいう思考になるのか分からない……。

「聖女……聖女見習いユウキの事ですか?再三学園から勧告を受けております……」

 あ、お爺ちゃんも困り顔だ。そりゃそうだよねぇ、あれじゃ学園どころか各御家庭から苦情が来ても仕方がないことだわ。モンスターペアレンツじゃなくて、本人がモンスターなんだもん。

「そろそろ聖女見習いの資格もはく奪されようという所です……しかし何故か本人には直す気がないようなのです。何度言っても「私は悪くない!」を繰り返すばかりで我々も手を焼いております。一部の神官からはそのままやめさせてしまえばいいと思われております」

「それは穏やかではないお話ですね」

 うーーーんんっ聖女あっての「トランプる!」なんだけど、このままじゃ聖女の存在が危ないわ。ここは私が何とかしなきゃ!

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