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そして入学へ
48 聖女は私なのよ……!
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「あなたは聖女様なんかじゃない。聖女様はマリエル様だ」
「はぁ!?」
新しく神鳥がこの地に舞い降りたとの啓示に中央大神殿が湧き、光り輝く白い美しい鳥を抱いた少年を見出した。
「彼こそが神鳥を従えし未来の勇者たる少年!」
そして神殿に住み始めた少年に出会ったユウキは面と向かってそう言われたのだ。
「聖女はマリエル様。ピーチェを癒してくれたのはマリエル様だから、聖女はマリエル様なんだ!あなたじゃない!」
「な、なにを言っているの?異世界から召喚されたのは私よ。だから私が聖女なの!」
「違う!マリエル様の方がお綺麗でお優しくて……あの人が本物の聖女だ!あなたは偽物だ!」
「わ、私は偽物なんかじゃないわ!!」
子供とはいえ、神鳥を従えた未来の勇者に言われ、ユウキは激しく動揺した。
「わ、私は……私は聖女よ……だって「トランプる!」の聖女は異世界からの……召喚聖女だもん……わ、私以外そんな人いないじゃない……!」
それでも「トランプる!」との違いを埋めることはできなかった。
「だ、大丈夫?ユウキ。顔が暗いよ?」
見習い神官のミリーが声をかけてくれるが、ユウキの心は晴れなかった。
「ユウキは本格的に勉強し始めたの最近だもの。中々上手になれなくてもしょうがないわ、神様は努力する人をいつでも見てくださる。ユウキの努力は絶対実るわよ」
「……そう、だと良いんだけれど……」
ユウキは辛い修行をしていたが、なんの手ごたえも掴めていない。神聖力はあるのだが、回復魔法もそこらの神官達と変わらないし、ゲームの聖女のようにひとたび魔法を口にすれば白い蝶とキラキラしたエフェクトを纏いながら辺り一面祝福してしまうような巨大な力を持っていない。
「ゲームでも学園の授業と恋愛パート、神殿での修行パートもあったけど……」
ただクリックして選択すればいい「ゲーム仕様」ではないのだ。神殿の修業は現代を生きていたユウキにはつらい物ばかり。
「食器洗浄機もないし洗濯機も掃除機もないんだもん……」
同じ姿勢で神に祈り続けるのも体がバキバキと硬くなって辛い。(マリエルは推しの今日の輝きについて何時間でも神に感謝を捧げることが出来る生粋なのだが)
「修業……やめたい……」
「でも、日々の積み重ねが大切よ、頑張って!ユウキ」
「……うん……」
ミリーは励ましてくれるが、ユウキの心は折れかかっていた。
「こんな事するより、学園に言ってイケメン達と楽しく過ごしたいよう」
最推しのクラブキング、ヴィンセント・クラブとのイベントを思い出しつつ何とか立ち上がるのだった。
「はぁ!?」
新しく神鳥がこの地に舞い降りたとの啓示に中央大神殿が湧き、光り輝く白い美しい鳥を抱いた少年を見出した。
「彼こそが神鳥を従えし未来の勇者たる少年!」
そして神殿に住み始めた少年に出会ったユウキは面と向かってそう言われたのだ。
「聖女はマリエル様。ピーチェを癒してくれたのはマリエル様だから、聖女はマリエル様なんだ!あなたじゃない!」
「な、なにを言っているの?異世界から召喚されたのは私よ。だから私が聖女なの!」
「違う!マリエル様の方がお綺麗でお優しくて……あの人が本物の聖女だ!あなたは偽物だ!」
「わ、私は偽物なんかじゃないわ!!」
子供とはいえ、神鳥を従えた未来の勇者に言われ、ユウキは激しく動揺した。
「わ、私は……私は聖女よ……だって「トランプる!」の聖女は異世界からの……召喚聖女だもん……わ、私以外そんな人いないじゃない……!」
それでも「トランプる!」との違いを埋めることはできなかった。
「だ、大丈夫?ユウキ。顔が暗いよ?」
見習い神官のミリーが声をかけてくれるが、ユウキの心は晴れなかった。
「ユウキは本格的に勉強し始めたの最近だもの。中々上手になれなくてもしょうがないわ、神様は努力する人をいつでも見てくださる。ユウキの努力は絶対実るわよ」
「……そう、だと良いんだけれど……」
ユウキは辛い修行をしていたが、なんの手ごたえも掴めていない。神聖力はあるのだが、回復魔法もそこらの神官達と変わらないし、ゲームの聖女のようにひとたび魔法を口にすれば白い蝶とキラキラしたエフェクトを纏いながら辺り一面祝福してしまうような巨大な力を持っていない。
「ゲームでも学園の授業と恋愛パート、神殿での修行パートもあったけど……」
ただクリックして選択すればいい「ゲーム仕様」ではないのだ。神殿の修業は現代を生きていたユウキにはつらい物ばかり。
「食器洗浄機もないし洗濯機も掃除機もないんだもん……」
同じ姿勢で神に祈り続けるのも体がバキバキと硬くなって辛い。(マリエルは推しの今日の輝きについて何時間でも神に感謝を捧げることが出来る生粋なのだが)
「修業……やめたい……」
「でも、日々の積み重ねが大切よ、頑張って!ユウキ」
「……うん……」
ミリーは励ましてくれるが、ユウキの心は折れかかっていた。
「こんな事するより、学園に言ってイケメン達と楽しく過ごしたいよう」
最推しのクラブキング、ヴィンセント・クラブとのイベントを思い出しつつ何とか立ち上がるのだった。
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感想は一件づつ個別のお返事ができなくなっておりますが、有り難く拝読しております。
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