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そして入学へ

36 やっと学園前についたのよ!

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 朝から何度も尊死を繰り返してやっと登校出来たわ……!この世界って学園に着くだけでも命がいくつあっても足りないんだわ、恐ろしいわね!
 着いたら着いたで、制服の眩しいキング達が全員集合して、魂レベルで砕け散りそうだし、クイーン達は可愛いし!あーもーあーもー!言葉なんてとうの昔に死滅よ、死滅!!

 そういえば異世界転移聖女も学園に来ているはずね?でもそんなの探す暇なんてないわ!可愛い推し達を目に焼き付けるのが忙しくて忙しくて目が回りそう!!

「はわわ……尊いでござるぅ」

 しかもクイーン達はゲームではドレスで来るのだけれど、私がお兄様とお揃い(?)の制服を着るのよ、と言ったら皆さん制服になったの。何でかしら?ドレスもOKな学園なんだけど?

「卒業までのたった3年しか着る事が出来ない特別な服ですものね」

「ふふ、わたくし達なら、同じ制服でも上品な着こなしが出来ますしね?」

「折角学園で用意した物ですもの。皆でお揃いって言うのも可愛い!」

 と、仲良く制服になった訳。でも私達のはちょっと特殊だったりするわよ?

「映像で残します……●REC……」

「あー!マリーの謎魔法だわぁ」

「不思議よねぇ」

 不思議って言わないで!私の血と汗と涙の結晶魔法よ!!もう!これを作り上げるのにどれだけ苦労したか!でもその苦労をするだけの価値はあったのですけれどね?……語ると長くなるので、今日はやめておきますわ。

 その時、大きな声が聞こえて来たのよ。

「それにしても、王子様が歩いて来てるのに、なんで馬車で……」

 見たことのない女生徒だったけど、あら……確かにその通りね。

「マリーは足が治ってないんだから、馬車使用の申請を出しておいたよ」

 ってお兄様が手続きをしてしまったし

「頼むから私の為だと思って短い距離でも馬車できておくれ」

 と、ルドルフ王太子に念は押されるし、

「馬車で来なかったら分かってんだろうね?毎日アリアが見張ってるからな?」

 と、デュカスにも言われるし

「私は……分かるだろう?マリーが少しでも足を引いていると自分のせいだと胸が痛むんだ。私を痛みで殺したいならそのまま歩いてきてくれ……でも少しでも私を哀れに思うなら、馬車で登校してきてほしい」

 ちょっと演技気味にケーニッヒは言うしなので馬車で来たのだけれど、明日からはきちんと歩いて来ましょう。早めに出てゆっくり歩けばきっと大丈夫よ!
 私の足はかなり治ったのだけれど、最後まだ良くならず、ほんの少しだけ動きが鈍くて疲れやすい。ホントにほんのちょっとなのよ!?ダンスもゆっくりの物なら余裕で踊れるしね!
 ヒールのレベルをもっと上げなきゃもっと良くならないんだけれど、癒すものが最近なくて……。今日から学園に通うし、きっとヒールできる対象があちこちにいるはず。そうなれば足も完治させることが出来ると思うの!

「明日からは歩いて……」

 ギン!と音がしそうな凄い視線で全員から睨まれたわ……な、なんでかしら!?

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