【完結】転生したら悪役令嬢だった腐女子、推し課金金策してたら無双でざまぁで愛されキャラ？いえいえ私は見守りたいだけですわ

23 黒いのはスートの色だけよ

　予防接種がないなんて辛い。ついでに言うなら私にその知識も無いのがもっと辛い。
　小天使違った弟のレナードがお腹の痛くなる病気になったり、お兄様が水疱瘡的な物を拾ってきたり……。

「一度罹ってから、治癒した方が良いですわね……免疫的な意味で！」

　何でもかんでもウィルスや菌を撲滅してしまってはこの世界ではきっと生きていけませんわ。

「必要悪、なのね」

「マリーは難しい事を知っているね」

「そそそそそそそうかしら？！」

　お兄様の笑顔の前に全部パーンってなったわ！はわわー今日も推しが尊いですぅーー！


「お、お嬢様……」

「うんうん、わかってるわ。今から魔法をかけるけど、完全には治さないから、お休みを2.3日貰ってから仕事に戻るのよ？戻ったらいっぱいやる事があるんだからね、居なくなっちゃ駄目よ？」

「で、でもお休みをいただいたらその分、お給金が……」

　なにをいってるのかしら？我が家はクラブ公爵家なのよ？

「有給休暇があるに決まってるじゃない？ウチはブラックじゃないのよ！」

　スートの色は黒いけど、職場は明るいホワイトなんだからね！

「お、お嬢様あああっ」

「私の方からちゃんと申告しておくから大丈夫よ。ヒマならそこの本を読んでおいてちょうだい。我が家のメイドが字も読めないと困るのよ、お母様がね」

　語り合う相手はいつでも募集中なんだから！こんな感じで私は毎日屋敷の中を巡回しているのよ！だって使わないと魔法が成長しないじゃない。困るわ、そんなの！いつどこで推しが怪我をしたらと思うと、100メートル先の怪我も遠距離で直せるようにしておかないとだわ……。

「野良ネコや野良犬も最近ケガしないし……野鳥も元気だし……うーん……木？とか花？とか野菜とかはどうかしら……健康で丈夫に育つかしら……困ったわ」

　試してみましょう。そういえば私ったら離れの庭木にまで回復魔法をかけるのに、本邸の事をすっかり忘れていたのよ、何故かしら？ちっともわからないわ……。その頃本邸では流行り病が蔓延しだいぶ困っていたみたいだったけど……。
　北の離れと南の離れの私達は免疫的な物もあり、元気に過ごしていたのだけれどもね？

　それにしてもお金が無いわ……あと売れる物売れる物……って言うか

「そうよ！金融のダイヤ家に相談に行きましょう！金ならダイヤ！なんか金になる話をざわざわしなくちゃだわ！」

　ざわ……ざわ……！