9 / 89
9 毛虫だけは推せないわ。
しおりを挟む
「はわー」
「おいこら!毛虫だぞ?」
「きゃわ……え?!きゃーーー?!」
「あはは!!」
くっ!天使どもめ!!お茶会と言えど、所詮8歳児の集団である。すぐに飽きて鬼ごっこやら、剣術ごっこなどを始めた。尊いわぁ。
そして、今日は私が混じってる……格好のおもちゃと認定されたらしい。ありがとうございます!なんてご褒美ですかね?!
しかしご褒美と言えど……毛虫は苦手でござる……ううっ!やんちゃなラブリー天使に見惚れていたら、コレである。
「マリー!こんな虫がこわいのかーー!」
「色が気持ち悪いんです!」
一番やんちゃな天使はスペード家のデュカス・スペード。特徴可愛い。濃い茶色の髪に真っ赤で少し吊り目が可愛いやんちゃ系ショタだ。勿論推しだ。
「まあ、変な色だよな!ほれ」
「ぎゃーーー!」
別の毛虫を投げつけてくる天使は一番高貴な天使で名前をルドルフ・フォン・アーデルハイドという。特徴可愛い。この国の王太子で金髪に青い瞳という王子様カラーのショタである、勿論推しだ。王子様らしく白い服を好んで着るぞ!
「全くみんな子供ですね」
ちょっと精神年齢が高そうなのがダイヤ家のケーニッヒ・ダイヤ。特徴可愛い。緑色の髪に茶色の目をして、1番のお金持ちだ。勿論推しだ。
「やめてあげてよーマリーが可哀想でしょ!」
優しいのがテオドール・ハート。特徴可愛い。ピンクの髪に水色の目と中々ファンシーだが、やる時はやる奴である。勿論推しな上に従兄弟だ。お母様のお兄様の息子だからね。
え?全部推しじゃないか?って。そりゃそうよ!私はこの世界が好きすぎてワールドワイドで推してるんだから!木や草だって全推しよ!箱推しよ!
……ごめん、嘘ついた。毛虫はやっぱ推せないわ。
「やーい!悔しかったらここまでおいでーー!」
うわーー!子供あるあるのテンプレいただきましたーーー!あざーーす!私がまたご褒美を頂戴していると、ふと記憶が過ぎる。
あれ?待って。8歳の尊みショタ、誰かの過去で触れられたエピソードがあったよね?誰?違和感があるのは……あっ!!!ケーニッヒだ!!ケーニッヒが杖を持ってないんだ!!
そう、お金持ちのケーニッヒは子供の頃の怪我で走れないんだ。そのせいで色々と荒んだりするとっても可愛い推しなのだが……。
「何だっけ……?木登りをしていて、落ち……て」
見上げれば奴らがいる、じゃなくて!今!現在!ナウ!でケーニッヒとルドルフ、デュカスが木に登ってんじゃん?!何してんのよ!天使どもぉ!!!お前らは地上に降りた天使だから背中に羽根はねえんだよ!?
「あぶないよぉー降りて来てぇ!」
テオドールが下から声をかける。ヴィンセントお兄様も隣で心配そうにみている。
「大丈夫だ、なんの問題も……うわっ!!」
ルドルフが足を滑らせた!ぎゃー?!
「ルド!!」
近くにいたケーニッヒが助けようと手を伸ばす。
「うわっ!!」
「わぁーー!」
手は届いた。が、子供の力だ。落ちて行く同じくらいの背格好の子供を止められる訳もなく、二人で落下するしかない。
「うおおおおーーーーっ!」
推しに!推しに怪我などさせるものかぁーーーーー!
「おいこら!毛虫だぞ?」
「きゃわ……え?!きゃーーー?!」
「あはは!!」
くっ!天使どもめ!!お茶会と言えど、所詮8歳児の集団である。すぐに飽きて鬼ごっこやら、剣術ごっこなどを始めた。尊いわぁ。
そして、今日は私が混じってる……格好のおもちゃと認定されたらしい。ありがとうございます!なんてご褒美ですかね?!
しかしご褒美と言えど……毛虫は苦手でござる……ううっ!やんちゃなラブリー天使に見惚れていたら、コレである。
「マリー!こんな虫がこわいのかーー!」
「色が気持ち悪いんです!」
一番やんちゃな天使はスペード家のデュカス・スペード。特徴可愛い。濃い茶色の髪に真っ赤で少し吊り目が可愛いやんちゃ系ショタだ。勿論推しだ。
「まあ、変な色だよな!ほれ」
「ぎゃーーー!」
別の毛虫を投げつけてくる天使は一番高貴な天使で名前をルドルフ・フォン・アーデルハイドという。特徴可愛い。この国の王太子で金髪に青い瞳という王子様カラーのショタである、勿論推しだ。王子様らしく白い服を好んで着るぞ!
「全くみんな子供ですね」
ちょっと精神年齢が高そうなのがダイヤ家のケーニッヒ・ダイヤ。特徴可愛い。緑色の髪に茶色の目をして、1番のお金持ちだ。勿論推しだ。
「やめてあげてよーマリーが可哀想でしょ!」
優しいのがテオドール・ハート。特徴可愛い。ピンクの髪に水色の目と中々ファンシーだが、やる時はやる奴である。勿論推しな上に従兄弟だ。お母様のお兄様の息子だからね。
え?全部推しじゃないか?って。そりゃそうよ!私はこの世界が好きすぎてワールドワイドで推してるんだから!木や草だって全推しよ!箱推しよ!
……ごめん、嘘ついた。毛虫はやっぱ推せないわ。
「やーい!悔しかったらここまでおいでーー!」
うわーー!子供あるあるのテンプレいただきましたーーー!あざーーす!私がまたご褒美を頂戴していると、ふと記憶が過ぎる。
あれ?待って。8歳の尊みショタ、誰かの過去で触れられたエピソードがあったよね?誰?違和感があるのは……あっ!!!ケーニッヒだ!!ケーニッヒが杖を持ってないんだ!!
そう、お金持ちのケーニッヒは子供の頃の怪我で走れないんだ。そのせいで色々と荒んだりするとっても可愛い推しなのだが……。
「何だっけ……?木登りをしていて、落ち……て」
見上げれば奴らがいる、じゃなくて!今!現在!ナウ!でケーニッヒとルドルフ、デュカスが木に登ってんじゃん?!何してんのよ!天使どもぉ!!!お前らは地上に降りた天使だから背中に羽根はねえんだよ!?
「あぶないよぉー降りて来てぇ!」
テオドールが下から声をかける。ヴィンセントお兄様も隣で心配そうにみている。
「大丈夫だ、なんの問題も……うわっ!!」
ルドルフが足を滑らせた!ぎゃー?!
「ルド!!」
近くにいたケーニッヒが助けようと手を伸ばす。
「うわっ!!」
「わぁーー!」
手は届いた。が、子供の力だ。落ちて行く同じくらいの背格好の子供を止められる訳もなく、二人で落下するしかない。
「うおおおおーーーーっ!」
推しに!推しに怪我などさせるものかぁーーーーー!
128
お気に入りに追加
2,541
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

困りました。縦ロールにさよならしたら、逆ハーになりそうです。《改訂版》
新 星緒
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢アニエス(悪質ストーカー)に転生したと気づいたけれど、心配ないよね。だってフラグ折りまくってハピエンが定番だもの。
趣味の悪い縦ロールはやめて性格改善して、ストーカーしなければ楽勝楽勝!
……って、あれ?
楽勝ではあるけれど、なんだか思っていたのとは違うような。
想定外の逆ハーレムを解消するため、イケメンモブの大公令息リュシアンと協力関係を結んでみた。だけどリュシアンは、「惚れた」と言ったり「からかっただけ」と言ったり、意地悪ばかり。嫌なヤツ!
でも実はリュシアンは訳ありらしく……
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

成り上がり令嬢暴走日記!
笹乃笹世
恋愛
異世界転生キタコレー!
と、テンションアゲアゲのリアーヌだったが、なんとその世界は乙女ゲームの舞台となった世界だった⁉︎
えっあの『ギフト』⁉︎
えっ物語のスタートは来年⁉︎
……ってことはつまり、攻略対象たちと同じ学園ライフを送れる……⁉︎
これも全て、ある日突然、貴族になってくれた両親のおかげねっ!
ーー……でもあのゲームに『リアーヌ・ボスハウト』なんてキャラが出てた記憶ないから……きっとキャラデザも無いようなモブ令嬢なんだろうな……
これは、ある日突然、貴族の仲間入りを果たしてしまった元日本人が、大好きなゲームの世界で元日本人かつ庶民ムーブをぶちかまし、知らず知らずのうちに周りの人間も巻き込んで騒動を起こしていく物語であるーー
果たしてリアーヌはこの世界で幸せになれるのか?
周りの人間たちは無事でいられるのかーー⁉︎
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです

【完結】攻略を諦めたら騎士様に溺愛されました。悪役でも幸せになれますか?
うり北 うりこ@ざまされ書籍化決定
恋愛
メイリーンは、大好きな乙女ゲームに転生をした。しかも、ヒロインだ。これは、推しの王子様との恋愛も夢じゃない! そう意気込んで学園に入学してみれば、王子様は悪役令嬢のローズリンゼットに夢中。しかも、悪役令嬢はおかめのお面をつけている。
これは、巷で流行りの悪役令嬢が主人公、ヒロインが悪役展開なのでは?
命一番なので、攻略を諦めたら騎士様の溺愛が待っていた。

クラヴィスの華〜BADエンドが確定している乙女ゲー世界のモブに転生した私が攻略対象から溺愛されているワケ〜
アルト
恋愛
たった一つのトゥルーエンドを除き、どの攻略ルートであってもBADエンドが確定している乙女ゲーム「クラヴィスの華」。
そのゲームの本編にて、攻略対象である王子殿下の婚約者であった公爵令嬢に主人公は転生をしてしまう。
とは言っても、王子殿下の婚約者とはいえ、「クラヴィスの華」では冒頭付近に婚約を破棄され、グラフィックは勿論、声すら割り当てられておらず、名前だけ登場するというモブの中のモブとも言えるご令嬢。
主人公は、己の不幸フラグを叩き折りつつ、BADエンドしかない未来を変えるべく頑張っていたのだが、何故か次第に雲行きが怪しくなって行き────?
「────婚約破棄? 何故俺がお前との婚約を破棄しなきゃいけないんだ? ああ、そうだ。この肩書きも煩わしいな。いっそもう式をあげてしまおうか。ああ、心配はいらない。必要な事は俺が全て────」
「…………(わ、私はどこで間違っちゃったんだろうか)」
これは、どうにかして己の悲惨な末路を変えたい主人公による生存戦略転生記である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる