33 / 75
33 ざー君の正体は
しおりを挟む
「クロ?……うっせえ!クロ!入ってくんな!」
「おーお、ガキンチョが一丁前に声あげてんぞー?おーい、みんなザジィ生きてたぞー」
「みんな?!誰か来てんのか!帰れ!俺は誰とも会いたくねぇ!」
クロはガサガサとゴミの山をかき分けて室内へ入っていった。
でも、私とりおさんとじーちゃんは全く聞いてない。
「出せるだけ出しましょう。じーちゃん、外に運んで」
「おー分かったぞい」
「誠子ちゃーん袋ちょうだい」
「はーい」
多分部屋の重要な所から片付けて行った方が良いんだろうけど、面倒だ。出口の傍から捨てれる物は捨ててしまう。
ピザ多いなー。あー宅配してくれるのばっかりなんだ!
「意外とコンビニ弁当少ないですね」
「コンビニ行くのもやなんじゃない?」
「究極の引きこもりじゃのう……」
「うっせーーー!」
中から若い男の子の声が聞こえて来た。顔はまだ見えない。
「お前ら誰だよ!」
やっぱり声だけ。
「ざー君!りおよ!私の頭の上がゴミ部屋は勘弁して欲しいんだけど」
「103の朝比奈じゃ」
「203の朝比奈だ。同じアパートに汚い部屋があるとアレが増える。やめろ」
「ううっ!」
呻き声みたいのが聞こえて、クロが笑っている。
「諦めろ!家鳴りもつえーけど、誠子はもっとつえーから、おめーがいくら座敷童子でも誠子にゃ勝てんよ」
「座敷童子って言うな!もうガキじゃねーんだから!」
「じゃ、なんだ?座敷少年?座敷男??」
「知るかーーー!」
……私は私の心の中で、私に話しかける。うん、また何か聞こえたね?座敷童子?うんうん、聞いた事があるね!後で大福と相談しよう!今はゴミを一つでも袋に詰めるんだ。うんうん!
ガサガサとゴミを袋に詰めていると、とうとう部屋の主人が顔を出した。
「やめろ!人の部屋を勝手に弄るんじゃねーよ!」
「嫌ならゴミを片付けろ」
「うぐっ!」
見た目は20歳くらいだろうか?少し浅黒い肌にの目鼻立ちがハッキリとした男が立っていた。こいつがザジィ君か。
「お、お前らも俺の事馬鹿にすんだろ!引きこもりが!って!」
「いや、私達が馬鹿にしてるのはゴミを捨てられない所かな?引きこもってても生活できてんなら別に良くね?」
私達に迷惑が掛からなければ別によくないか??
「わしも特になんとも思わんがのー。あ、最近会社は楽しいぞ」
「そうだったな。最近じーちゃん就職したんだっけな」
「そうなんじゃ。わしもパソコン覚えねばのう」
凄いぞ!じーちゃん。きっとじーちゃんならすぐ覚えるだろうな!ぜひ頑張って欲しい。
ザジィ君は呆気に取られた顔をしていたが、ゴミは捨てて欲しい。
「おーお、ガキンチョが一丁前に声あげてんぞー?おーい、みんなザジィ生きてたぞー」
「みんな?!誰か来てんのか!帰れ!俺は誰とも会いたくねぇ!」
クロはガサガサとゴミの山をかき分けて室内へ入っていった。
でも、私とりおさんとじーちゃんは全く聞いてない。
「出せるだけ出しましょう。じーちゃん、外に運んで」
「おー分かったぞい」
「誠子ちゃーん袋ちょうだい」
「はーい」
多分部屋の重要な所から片付けて行った方が良いんだろうけど、面倒だ。出口の傍から捨てれる物は捨ててしまう。
ピザ多いなー。あー宅配してくれるのばっかりなんだ!
「意外とコンビニ弁当少ないですね」
「コンビニ行くのもやなんじゃない?」
「究極の引きこもりじゃのう……」
「うっせーーー!」
中から若い男の子の声が聞こえて来た。顔はまだ見えない。
「お前ら誰だよ!」
やっぱり声だけ。
「ざー君!りおよ!私の頭の上がゴミ部屋は勘弁して欲しいんだけど」
「103の朝比奈じゃ」
「203の朝比奈だ。同じアパートに汚い部屋があるとアレが増える。やめろ」
「ううっ!」
呻き声みたいのが聞こえて、クロが笑っている。
「諦めろ!家鳴りもつえーけど、誠子はもっとつえーから、おめーがいくら座敷童子でも誠子にゃ勝てんよ」
「座敷童子って言うな!もうガキじゃねーんだから!」
「じゃ、なんだ?座敷少年?座敷男??」
「知るかーーー!」
……私は私の心の中で、私に話しかける。うん、また何か聞こえたね?座敷童子?うんうん、聞いた事があるね!後で大福と相談しよう!今はゴミを一つでも袋に詰めるんだ。うんうん!
ガサガサとゴミを袋に詰めていると、とうとう部屋の主人が顔を出した。
「やめろ!人の部屋を勝手に弄るんじゃねーよ!」
「嫌ならゴミを片付けろ」
「うぐっ!」
見た目は20歳くらいだろうか?少し浅黒い肌にの目鼻立ちがハッキリとした男が立っていた。こいつがザジィ君か。
「お、お前らも俺の事馬鹿にすんだろ!引きこもりが!って!」
「いや、私達が馬鹿にしてるのはゴミを捨てられない所かな?引きこもってても生活できてんなら別に良くね?」
私達に迷惑が掛からなければ別によくないか??
「わしも特になんとも思わんがのー。あ、最近会社は楽しいぞ」
「そうだったな。最近じーちゃん就職したんだっけな」
「そうなんじゃ。わしもパソコン覚えねばのう」
凄いぞ!じーちゃん。きっとじーちゃんならすぐ覚えるだろうな!ぜひ頑張って欲しい。
ザジィ君は呆気に取られた顔をしていたが、ゴミは捨てて欲しい。
1
お気に入りに追加
109
あなたにおすすめの小説
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
小児科医、姪を引き取ることになりました。
sao miyui
キャラ文芸
おひさまこどもクリニックで働く小児科医の深沢太陽はある日事故死してしまった妹夫婦の小学1年生の娘日菜を引き取る事になった。
慣れない子育てだけど必死に向き合う太陽となかなか心を開こうとしない日菜の毎日の奮闘を描いたハートフルストーリー。
雇われ側妃は邪魔者のいなくなった後宮で高らかに笑う
ちゃっぷ
キャラ文芸
多少嫁ぎ遅れてはいるものの、宰相をしている父親のもとで平和に暮らしていた女性。
煌(ファン)国の皇帝は大変な女好きで、政治は宰相と皇弟に丸投げして後宮に入り浸り、お気に入りの側妃/上級妃たちに囲まれて過ごしていたが……彼女には関係ないこと。
そう思っていたのに父親から「皇帝に上級妃を排除したいと相談された。お前に後宮に入って邪魔者を排除してもらいたい」と頼まれる。
彼女は『上級妃を排除した後の後宮を自分にくれること』を条件に、雇われ側妃として後宮に入る。
そして、皇帝から自分を楽しませる女/遊姫(ヨウチェン)という名を与えられる。
しかし突然上級妃として後宮に入る遊姫のことを上級妃たちが良く思うはずもなく、彼女に幼稚な嫌がらせをしてきた。
自分を害する人間が大嫌いで、やられたらやり返す主義の遊姫は……必ず邪魔者を惨めに、後宮から追放することを決意する。
このたび、小さな龍神様のお世話係になりました
一花みえる
キャラ文芸
旧題:泣き虫龍神様
片田舎の古本屋、室生書房には一人の青年と、不思議な尻尾の生えた少年がいる。店主である室生涼太と、好奇心旺盛だが泣き虫な「おみ」の平和でちょっと変わった日常のお話。
☆
泣き虫で食いしん坊な「おみ」は、千年生きる龍神様。だけどまだまだ子供だから、びっくりするとすぐに泣いちゃうのです。
みぇみぇ泣いていると、空には雲が広がって、涙のように雨が降ってきます。
でも大丈夫、すぐにりょーたが来てくれますよ。
大好きなりょーたに抱っこされたら、あっという間に泣き止んで、空も綺麗に晴れていきました!
真っ白龍のぬいぐるみ「しらたき」や、たまに遊びに来る地域猫の「ちびすけ」、近所のおじさん「さかぐち」や、仕立て屋のお姉さん(?)「おださん」など、不思議で優しい人達と楽しい日々を過ごしています。
そんなのんびりほのぼのな日々を、あなたも覗いてみませんか?
☆
本作品はエブリスタにも公開しております。
☆第6回 キャラ文芸大賞で奨励賞をいただきました! 本当にありがとうございます!
諦めて溺愛されてください~皇帝陛下の湯たんぽ係やってます~
七瀬京
キャラ文芸
庶民中の庶民、王宮の洗濯係のリリアは、ある日皇帝陛下の『湯たんぽ』係に任命される。
冷酷無比極まりないと評判の皇帝陛下と毎晩同衾するだけの簡単なお仕事だが、皇帝陛下は妙にリリアを気に入ってしまい……??
【完結】出戻り妃は紅を刷く
瀬里
キャラ文芸
一年前、変わり種の妃として後宮に入った気の弱い宇春(ユーチェン)は、皇帝の関心を引くことができず、実家に帰された。
しかし、後宮のイベントである「詩吟の会」のため、再び女官として後宮に赴くことになる。妃としては落第点だった宇春だが、女官たちからは、頼りにされていたのだ。というのも、宇春は、紅を引くと、別人のような能力を発揮するからだ。
そして、気の弱い宇春が勇気を出して後宮に戻ったのには、実はもう一つ理由があった。それは、心を寄せていた、近衛武官の劉(リュウ)に告白し、きちんと振られることだった──。
これは、出戻り妃の宇春(ユーチェン)が、再び後宮に戻り、女官としての恋とお仕事に翻弄される物語。
全十一話の短編です。
表紙は「桜ゆゆの。」ちゃんです。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。
昼寝部
キャラ文芸
天才子役として活躍した俺、夏目凛は、母親の死によって芸能界を引退した。
その数年後。俺は『読者モデル』の代役をお願いされ、妹のために今回だけ引き受けることにした。
すると発売された『読者モデル』の表紙が俺の写真だった。
「………え?なんで俺が『読モ』の表紙を飾ってんだ?」
これは、色々あって芸能界に復帰することになった俺が、世の女性たちを虜にする物語。
※『小説家になろう』にてリメイク版を投稿しております。そちらも読んでいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる