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それはたぶん優しくて

38 絶対に面白から

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「何から聞きたいです?」

「えーと….」

 言葉につまる殿下にまず1番衝撃的な事を教えよう。絶対面白いから。

「コルト、おいで」

「ままー!」

 1番お兄ちゃんなのに1番甘えっこのコルトが膝の上に飛びつく。

「ほら、殿下の子供だよ」

 コルトは茶色のコーディそっくりの髪と、私と同じ青緑のひとみをして、子犬のようにきゅるんと目を丸くした。

「は…?え?ぼ、僕⁇」

「どこをどうみてもそっくりでしょう?」

 そう、私にあまり似ていない…。私の腹から出てきたのに!コルトを殿下の膝の上に乗せてみる。
 うん、親子だ。親子の犬だ。

「え、いや、だって、え?ねぇどう言うこと?」

「だから、私と、あなたの子供」

 ふはは!動揺してる!動揺してる!これ、これ!これが見たかったんだよねー!

「まま、この人、僕のぱぱなの?」

「そうだよ。コルト。君にそっくりだ」

「僕の、ぱぱ…!」

 コルトは膝の上から、コーディ殿下を見上げてニコニコしている。

「ねぇまま、カールとアレンのぱぱは?」

「まだ見つかってないねぇ。隠れんぼ中なんだ」


 3人の子供をエルナに預けて、コーディにお茶を出す。あー面白かった。

「何か聞きたいことありますか?」

「えっと…元気ですか…元気そうだね」

「殿下は少し痩せました?」

「ずっと…探してたから……」

「ありがとうございます」

 ゆっくりとお茶を飲む。色々あったからなぁ。

「残りの2人は…」

「カティスと帝都の皇帝ですよ」

 カールは金茶の髪に青緑の瞳。髪の色がカティスと一緒だし、アレンは銀の髪に翡翠の目だ。

 2人ともそれぞれにそっくりで、びっくりした。言い逃れできないくらい似ている。ついでに性格も似ていると思う。
 コルトは甘えん坊でしつこいそして子犬のようだ。笑ってしまう。

「そ、そう….」

「あれ?殿下、身に覚えがないと?」

「いえ…アリマス…3年前ですよね」

「そうですね、3歳ですから」

 大変だった。何せ3人なのだ。あの時逃したエルナとエルナ母とベーコン妻が全面的に面倒を見てくれて、村の子供を産んだばかりの女性が乳をくれた。

「何があったか、最初から聞かせて欲しいのですが……」



 そうですね、お答えしましょう。

 あの後私は体をひきづりながら、またソランジェの家についた。そこで薬の話をする。
 
「なんだそりゃー、最悪だよぉ!」

 劣悪なポーションにいきどおったソランジェだったが、

「どうする…リィン…いるよ、赤ちゃん……」

「うっ…本当か……」

 私は悩んで、悩んだのだが。

「せっかくなので、もったいないから産んじゃおう!」

 育てられるだろう。たぶん。と産む事にした。
 鈴子は前の世界で、結婚もしていないし、子供もいなかった。いないままに死んでしまった。それもあって、せっかく授かったのだから…と思ったのだ。

 ソランジェの家で体を癒し、この家より村に近い方が便利なので新しく家を建てる事にした。
 すると、どんどんお腹は大きくなる。おかしいなと思ったら、三つ子だと言う。

「これだから!三流ポーションは!何も考えてないから!」

 母体の方に負担がかかりすぎる粗悪品だ、とぷりぷり怒っている。

 しかし、減らすことなど出来ないし、気合いを入れることにした。お腹にいるうちからどの子も自己主張が激しいが、どの子も頑強だった。

 産まれる時は腹を切るかどうするかでソランジェがメスを握りしめうろうろしたり、出血が多くて死にかけたりした。
 しかし、子供は全員元気そのものでみんな大声で泣いた。

「どうして、父親が違う子供がいっぺんに…?」

「ソランジェが言うには、そのポーションのせいらしい」

 妊娠を可能にさせるポーションはまず短い期間で何本も使うものではないそうだ。

「1週間に1本でも多いです!」

 と、ソランジェは言う。そして体から着床反応が出たら、すぐさま無効化されるように作るべきだと。

「たくさんの子供を1度に産むのは、やっぱり危険度が上がっちゃうよー!」

 マッドソランジェは良識あるマッドなのだ。

「それでですね、あの日、私たちはほぼ朝方までヤっておりました。ええ、出陣までに風呂に入る時間もなかったですね」

「あ、はい」

 そのまま浮かれながら、行きましたね?

「その後、カティスに抱かれまして」

「なん…っだって⁈」

 殿下の額に青筋が浮きました。

「それで夜には帝国に連れて行かれたようで。アークライト王子、今は皇帝ですか、に抱かれたようです。薬もその時に」

「なんて…事……」

「と、言う感じで3人分の種があったので。上手い具合に」

「う、上手い…具合に……」

 どの子も可愛いですよ!

 コーディ殿下はさすがに頭を抱えて

「すまないが良ければ今日泊まらせてくれないか…頭痛が酷くて….」

 二階の空き部屋を提供した。すぐさま

うーーん…!

と、唸って寝てしまった。








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