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113 分からせ、良き

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 その後、セリオン氏のご実家からたくさんの持参金が送られてきた。

「物凄い厄介者を引き取ってくれてありがとう!絶対返品するな!」

 と、いう強い意志が感じられる内容がオブラートに包まれて書き連ねられている手紙が同封されていた。

「失礼な奴らだな。攻め滅ぼすか?」
「やだよーイチャイチャできないもーん、後にしよ♡」
「だな!」

 割れ鍋に綴蓋っていうか、凸と凹っていうか。ヤバいモンとヤバいモンが合体して良い感じになるっていうか。

『無理矢理から生まれる純愛……良き』
『分からせセッ……ヨカタ……支援しま』

 おい、女神ぃーーー!お前らまさかハードコアBLが見たくてあんな神託下したのかー?!

『あいつらとあいつらの仲間とあいつらの先祖には色々手を焼かされたからね!』
『代償、かな?』

 なんて言っていそうだけど絶対ただ見たかっただけだーー!

『えへ』

 だよねー!まあでもこの世界には多分良い事だったんだろう。ヴィシュ殿のハジメテとか色々なもので救われた命があります、多分。

「無理矢理かぁ……ちょっと興味ある」
「然り……」

 我らはれっきとしたヲタクである。当然R18も食後のデザートのように嗜むお年頃であった。

「イヤイヤからの……好き」
「分からせ……良き」

 旦那様に不満は無い。全然無い。しかしだ、どんな感じなんだろーなー?という純然たる好奇心は捨てきれない。

 マシェが立った。何をする気だ?!

「ちょっとオル殿にご相談して来るでござる」
「馬鹿な!マシェ、死ぬぞ!」
「死んだら屍は拾ってくだされーーー!うわー!」
「マシェ、マシェーーー!?」
「オル殿ーー!一週間連続エッチってどう思うーー?!」
「マシェーーー!」

 その後マシェの姿を見たものは一週間いなかった。

「しゅきぴ♡」
「もう少し体力つけましょうね?マシェ。気を失い過ぎです」
「はぁーい♡」

 な、何?!マシェの喋る語尾にもハートが見える気がするんですけど?!?!マシェはヴィシュ殿と同じ方向へ行ってしまったか……惜しい弟を亡くした……。

 純朴だった、いや?純朴ではなかったかな??まあ変わったマシェを遠い目で眺めていたら、ぽんと肩を叩かれた。誰かな?うわぁ!超イケメンで超好みの男性が!?あ、私の旦那様だった。今日も輝いてる!

「リュキ、私も体力には自信がありますよ、一週間や十日くらいお付き合い出来ますが?」
「ひぇ……」

 物凄くノーと言わせぬオーラ増し増しで笑顔のレイ殿が立っていたのだった。別にそういうところ張り合わなくてもいいと思いますよ!

 でも、ちょ、ちょっとだけ……興味、ある。

「え、え、えーと、えーと……よ、ヨロシクオネガイイタシマス」
「喜んで!」


「しゅきぴ♡」
「私もですよ、リュキ」

 なんか、凄かった……!
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