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31 ミッションといえばインポッシブル

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「可愛い私の娘のリュキちゃんにありがとうって伝えておいて。センタクキ最高だってメイド達喜んでたわ。ですって」
「娘ではござらぬ……」

 いやでも男の娘ならあるいは……?いやいや、私は巨乳の美人と結婚するのだ!とりあえずレイ殿のお母上に気に入られたようで私はインポッシブルなミッションを成功させたようだった……意外とやるのではないだろうか!私ってば。

「流石私!」

 ちょっと自信がついたところに今度はお母上からインポッシブルなミッションが下されてしまった。

「二人はどこまで進んでいるのかしら?結婚式はいつかしら?だそうです……」
「どこにも進んでいませんが!!??」

 お母上様から届いた手紙をレイ殿は読んで下さったけれど、わ、私にどうしろというのだ!

「あーでもいいかもしれませんよ。結婚式の予行練習。決めないといけないことがたくさんあるでしょう?誰を呼ぶのとか、どの神の前で愛を誓うのかとか。神によって神殿も違いますからね、どこにするか悩むそうですよ」
「ふわぁ~そうなんだあ……神様もいっぱいいるもんね」

 そうだな、折角だから我々をこの世界に召喚した女神様がいいんじゃないかな?意外と融通利かせてくれたりするし、そろそろスマホかタブレットが欲しいんだよなあ……無理かな。

「でもリュキは女神様の神殿が良いでしょうね。紫の髪は女神様のご寵愛の証ですから」
「そ、そうでござるんでしたなぁ」

 あの人色々注文ばっかり付けてくるんだよなあ……人じゃないか。こないだもやっと出来上がったスプリングベッドを持って行っちゃったし……。

「招待客はどうしましょう?フィフナーから呼びます?」
「いや、要らないよ。向こうの人達から嫌われてるからね、会いたくないや」
「はは、なるほど」

 それにしてもかなり細かい所までレイ殿は聞いてくる。飾り付けがどうだとか、料理はどうだとか。はっ!こういう事前調査が失敗ない良い結婚式へ繋がるのか……くっ!これだから我々は陰キャから抜け出せないんだ。これを機に陽キャになりたい!見た目はよくなったんだから、胸を張って明るい場所へでるのだ!

「任せるでござる!」
「え?ウェディングドレスもきるんですか?そりゃ母は喜ぶでしょうが……わかりました。伝えておきます、きっと喜び勇んで特注する事でしょう」
「へあ!?」

 なんだか返事のタイミングが悪くて、妙な誤解を与えてしまった!?うわああああどうしよう!

「いやあのその、ドレスは着ませんし。それに式も上げませんしあわわあわわ……」

 一生懸命否定してみるも、レイ殿は首を傾げるだけだった。え!聞こえてましたよね!?聞いてないふりですかまさかそんな。
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