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43 生きていれば
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「いぎゃーーーーー!!!無理だああああああ、斬れ、斬れえええええええ!アーヴァイン!斬れえええええ」
「失礼させていただきますっ!皆さん押さえつけて!」
「うおおおおおおお!」
「ウギャアアアアア痛いイイイ裂けるウウウウ!」
「裂けてますよーー!順調にーーーー!」
「おぎゃあああああおぎゃああああああ!!」
「産まれたぁああああ!」
私はアージェみたいな紫の髪で、右目が私と同じ水色の、左目はセシリーみたいなターコイズのものすごく可愛い女の赤ちゃんを無事この世に送り出してしまった。
「お腹が割れる様に痛い」
「そりゃ割れましたから」
「ぷぎゃーぷぎゃー!」
赤ちゃんはジェナリスと名付け、ものすごく可愛いし元気だった。流石に私はおっぱいは出なかったので乳母にその辺りは任せることになる。
「頑張りましたね、フレデリック様」
「アージェの願いなら……わ、私は叶える……!」
お腹が大きい間ずっとアーヴァインは傍に居てくれて色々な事を手配してくれた。
「叔父上……」
なんだかんだでジェスへ戻れなくなった私の方に皆が来てくれた。
「カイラス……どうも君の願いに応えられなくなってしまったよ……」
「生きて、いればそれで、良いんです……」
カイラスは私の手を取って泣き出してしまった。生きていればそれで良い。ぼんやりと暮らしていた間に何度も何度も言われた言葉。
連絡が出来なかったが、ジェス家の皆にしてみれば今回の事は、私がカルセニア伯爵に攫われて行方不明になっていたんだもんな。
その辺りの話を聞くと、やはりカルセニア伯爵は私をどこかに閉じ込めてしまおうと拉致を敢行したらしい。
何故そんな馬鹿な事を?と思うが、どうもこれはあのアデリンの呪いの一部だったようだ。私を不幸にする為にカルセニア伯爵は通常ならあり得ない行動に出た、そんな所らしい。
「ただし、本人に「その気」が無ければそこまでの行動には至らないようです。私がそこまでの行動に至らず、カイラス坊ちゃんやオルウィン様がやらかしてしまったように」
「はは……」
少し乾いた笑いが漏れてしまった。まあ……セシリーの手の者に斬り伏せられた山賊達。カルセニア伯爵はセシリーの顔を見る前に気絶させられ、縛られたままその場に放置されていたんだそうだ。
死体の中で、放置された実行犯を見つけたアーヴァイン達。しかし私の姿はない……カイラスとオルウィンは必死で探し回ったそうだ。
しかし、私は見つからない。それはそうだろう、帝国の物凄く深い場所に閉じ込められていたんだから、情報が漏れ出る事がなかったんだ。
その間にカイラスとオルウィンは話し合い殴り合い、慰め合い……そして
「私達の物にならなくて良い……ただ生きていてさえいれば……」
そこへ辿り着いたようだ。物凄く申し訳ない気持ちでいっぱいなんだが、私はどうしてもアージェの願いを叶えたかったんだ。
「失礼させていただきますっ!皆さん押さえつけて!」
「うおおおおおおお!」
「ウギャアアアアア痛いイイイ裂けるウウウウ!」
「裂けてますよーー!順調にーーーー!」
「おぎゃあああああおぎゃああああああ!!」
「産まれたぁああああ!」
私はアージェみたいな紫の髪で、右目が私と同じ水色の、左目はセシリーみたいなターコイズのものすごく可愛い女の赤ちゃんを無事この世に送り出してしまった。
「お腹が割れる様に痛い」
「そりゃ割れましたから」
「ぷぎゃーぷぎゃー!」
赤ちゃんはジェナリスと名付け、ものすごく可愛いし元気だった。流石に私はおっぱいは出なかったので乳母にその辺りは任せることになる。
「頑張りましたね、フレデリック様」
「アージェの願いなら……わ、私は叶える……!」
お腹が大きい間ずっとアーヴァインは傍に居てくれて色々な事を手配してくれた。
「叔父上……」
なんだかんだでジェスへ戻れなくなった私の方に皆が来てくれた。
「カイラス……どうも君の願いに応えられなくなってしまったよ……」
「生きて、いればそれで、良いんです……」
カイラスは私の手を取って泣き出してしまった。生きていればそれで良い。ぼんやりと暮らしていた間に何度も何度も言われた言葉。
連絡が出来なかったが、ジェス家の皆にしてみれば今回の事は、私がカルセニア伯爵に攫われて行方不明になっていたんだもんな。
その辺りの話を聞くと、やはりカルセニア伯爵は私をどこかに閉じ込めてしまおうと拉致を敢行したらしい。
何故そんな馬鹿な事を?と思うが、どうもこれはあのアデリンの呪いの一部だったようだ。私を不幸にする為にカルセニア伯爵は通常ならあり得ない行動に出た、そんな所らしい。
「ただし、本人に「その気」が無ければそこまでの行動には至らないようです。私がそこまでの行動に至らず、カイラス坊ちゃんやオルウィン様がやらかしてしまったように」
「はは……」
少し乾いた笑いが漏れてしまった。まあ……セシリーの手の者に斬り伏せられた山賊達。カルセニア伯爵はセシリーの顔を見る前に気絶させられ、縛られたままその場に放置されていたんだそうだ。
死体の中で、放置された実行犯を見つけたアーヴァイン達。しかし私の姿はない……カイラスとオルウィンは必死で探し回ったそうだ。
しかし、私は見つからない。それはそうだろう、帝国の物凄く深い場所に閉じ込められていたんだから、情報が漏れ出る事がなかったんだ。
その間にカイラスとオルウィンは話し合い殴り合い、慰め合い……そして
「私達の物にならなくて良い……ただ生きていてさえいれば……」
そこへ辿り着いたようだ。物凄く申し訳ない気持ちでいっぱいなんだが、私はどうしてもアージェの願いを叶えたかったんだ。
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